大阪大学の歴史が動いた ノーベル賞協奏曲

大阪大学の歴史が動いた ノーベル賞協奏曲

The University of Osaka’s Historic First “Nobel Prize Concerto”


人類の科学史に坂口志文特別栄誉教授の名が刻まれる!大阪大学初の栄光の報せは、坂口先生と教職員たちにとって「空前の嵐」の開演ベルであった。10月6日夜の受賞決定会見で幕が上がると、怒濤の祝福や取材依頼、関連行事への対応、学内外への発信、スケジュール調整や授賞式への準備……。脚光を浴びる坂口先生を、全学の教職員・関係者が息を合わせて盛り上げる〝ノーベル賞協奏曲〟。授賞式までの2カ月間を、伴奏者の視点で振り返る。



10/6 Mon. 受賞決定!!!

16時30分ごろ、坂口研究室の電話が鳴る。ノーベル財団からの第一報は発表直前という話は本当だった。

18時30分、YouTubeライブで受賞が発表された瞬間、吹田キャンパスコンベンションセンターの会見場では、待機していた報道陣と関係者(たまたま見学中の職員9人も)の「おお〜」というどよめきの後、すぐ喝采のお祭りムードに。その頃坂口先生には祝福が続々着信し、スマートウォッチの震えが止まらない。事前シミュレーションが活き、19時ごろには同センターに「祝・受賞」垂れ幕設置。


20時、坂口先生登場。熊ノ郷総長と並んで記者会見を開催。「大変光栄で、嬉しい驚きです」。集結した約20社のメディア等100人近くが見守る熱気の一方、列島のSNSは中継に映り込む机上のワニ博士にも「あれはどなた?」と注目。「10年以上前からこの日のために、ワニ博士は会見場に並んで待機されていたんですよ」(広報課職員)。


21時過ぎから約2 時間半、報道各社による個別取材・TV生出演リレーに応え、坂口先生は24時ごろご夫妻で帰途に。広報課の電話は、終日鳴り続けた。



10/7 Tue. 朝の挨拶は「おめでとう!」

朝8時の本部棟1階。教職員・学生ら約80人が華々しく出迎える。お疲れの坂口先生、お昼は総長室で仮眠。午後、共同研究者でもある妻の教子先生同席で再び会見。



10/8 Wed. スウェーデン大使が急遽来学

取材の合間を縫って、授賞式に向けた肖像写真撮影。スウェーデン大使が祝福の来学。クリエイティブユニットは一晩でワニ博士「ノーベル賞の頃」爆誕させる。




10/10 Fri. ワニ博士も輝く

坂口先生とワニ博士の2ショット写真公開で1週間を締めくくる。「阪大SNS史上最もバズった1枚」(広報課職員)



10/13 Mon. 北川先生と受賞後初対面

東京都内にてスウェーデン大使館のレセプションパーティに出席。ノーベル化学賞の京都大学 北川進先生(実は同い年)と対面。



10/16 Thu. IFReCでお祝いの会

坂口先生が所属するIFReC、ほぼ総出で改めて受賞を祝う。先生の等身大パネルが初お目見え。ご本人は早々に退席も、参加者は思い思いにパネルと記念撮影。




10/17 Fri. 坂口旋風!

等身大パネル15体がキャンパス各所に立つ。その隣に設置したタブロイド判『まちかねっ!』ノーベル賞記念号はすぐカラっぽに。先生は夕方、NHK大阪放送局のスタジオから「かんさい熱視線」に生出演。



10/23 Thu. スウェーデンからの取材班

授賞式の日に放映されるプロフィール番組用にSWedish TVが取材。「サードプレイスを」との要望で、適塾と中之島でも撮影。緒方洪庵先生と「邂逅」。



10/28 Tue. 吹田市長特別賞贈呈式

後藤圭二吹田市長とすいたん(吹田市イメージキャラクター)が来学。2015年のガードナー国際賞受賞時の吹田市長賞に続く「特別賞」贈呈。地域に生き世界に伸びる!



10/30 Thu.・31 Fri. 東京の関係機関を巡る

京大の北川先生と一緒に、松本洋平文部科学大臣、小野田紀美科学技術政策担当大臣をそれぞれ訪問。基礎研究の大切さや、若手をはじめ研究者・科学技術への支援拡充を要望。


翌日も、JSPS(日本学術振興会)、JST(科学技術振興機構)へ。ランチは新しいHANDAI Tokyo Squareにてご一緒した。午後、坂口先生はAMED(日本医療研究開発機構)にも訪問。



11/2 Sun. 大隅先生と対談

中日新聞社による取材で、2016年ノーベル生理学・医学賞の大隅良典先生と対談。基礎研究の魅力や、受賞後の変化などについて語らう。



11/7 Fri. 故郷 長浜市でお祝いの会

長浜市役所庁舎前で「お祝いの会」。レッドカーペットを歩み入場。寒風の屋外で市民400人が沸く。「焦らず好きなことに取り組んで」と若者に熱いメッセージ。



11/10 Mon. 北川先生と京大で対談!

メディア各社からの要望を受けて、2025年ノーベル賞「関西人」受賞者対談が実現。ワニ博士も京都大学に出張し、ちゃっかり壇上に。



11/19 Wed. 外国語学部へ「一日留学」

スウェーデン語専攻との交流会。来たるノーベルウィークに備え、約70名の学生たちと共に、文化の真髄に触れる。 [→「外国語学とノーベル賞の深い縁」記事]



11/25 Wed. 「大阪大学特別栄誉教授」の称号を授与

総長室にて授与式。南部陽一郎先生(素粒子論)、小川誠二先生(fMRIを開発)に続く歴代3人目。極めて顕著な学術・社会への貢献を称える、稀少な称号。



12/4 Thu. いざストックホルムへ

関係者や報道陣に見送られながら、伊丹空港を出発。北欧へはハードな長時間フライト。同行職員はトランジットの空港で先生ご夫妻との朝食サーモンに癒された。




🏅12/6 Sat. 「ノーベルウィーク」スタート

ノーベル賞博物館では、ビストロの椅子の裏にサイン。『はたらく細胞』清水茜先生による制御性T細胞のイラスト色紙や2 匹のネズミの置物を寄贈。
午後はカロリンスカ研究所にて生理学・医学賞受賞者3 名の記者会見。先生が正面から入るものと勘違いしていた国際&広報職員、寒空の下で待ちぼうけ…。

共同研究者やご家族などの公式ゲストも続々ストックホルムにご到着。




🏅12/7 Sun. ノーベル・レクチャーにて研究の軌跡を語る

坂口先生が直前まで念入りに準備を重ねた受賞記念講演@カロリンスカ研究所。免疫制御の要を解き明かした厚い内容に万雷の拍手。「無事終わってほっとした」[→受賞記念講演 ダイジェスト記事]



🏅12/8 Mon. 授賞式準備とコンサートを満喫

授賞式で着用する正装のフィッティングに。純白のシャツと燕尾服に袖を通すも、サイズが合わない!?(翌朝、再調整完了)

夜のノーベル賞コンサートでは昔のラボメンバーと再会も。



🏅12/9 Tue. 日本大使館レセプション大盛況!

在スウェーデン日本大使館が坂口・北川両先生を囲むレセプションを開催。大学スタッフも招待いただき、ここぞとばかりワニ博士帽を被って阪大をアピール。



🏅12/10 Wed. 栄光の刻(とき)

コンサートホールでノーベル賞授賞式。スウェーデン国王陛下からメダルと賞状を授与されると、高らかにトランペットが鳴った。会場に入れないメンバーも全員、グランドホテルの一室で中継を見守り、喜びを共有。


先生と公式ゲストは市庁舎にて伝統のノーベル賞晩餐会を楽しんだ。



(その頃日本では、記念クッキーが阪大生協で販売開始。瞬く間に2000箱が売り切れ御礼!)







(※この記事は、2026年2月発行の 大阪大学NewsLetter 94号 に掲載したものです)


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