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坂口志文 免疫学フロンティア研究センター特任教授が共同記者会見を行いました
免疫の暴走を抑える「制御性T細胞」の発見が称えられノーベル生理学・医学賞受賞が発表された坂口志文先生(大阪大学免疫学フロンティア研究センター特任教授)の共同記者会見が、10月6日に大阪大学のコンベンションセンターで行われました。
坂口志文先生のコメント
このたび、ノーベル生理学・医学賞という栄誉ある賞をいただくことになり、大変光栄に思います。私の研究を評価してくださった選考委員の皆さま、そしてこれまでともに研究を進めてきた多くの仲間、学生、共同研究者の皆さまに心より感謝申し上げます。
私たちが発見した「制御性T細胞(regulatory T cell)」は、免疫応答を抑制し、過剰な炎症や自己免疫反応を防ぐ重要な細胞です。長い年月をかけてこの細胞の存在と働きを明らかにすることができたのは、多くの研究者の情熱と協力、そして基礎研究の重要性を支えてくださった社会の理解のおかげです。
この研究は、免疫系が「攻撃」と「抑制」という二つの力の絶妙なバランスの上に成り立っていることを示し、人間の体に本来備わる“寛容”のメカニズムを解き明かすものでした。この成果が、自己免疫疾患やアレルギー、がんなどの新しい治療法につながることを心から願っています。
これまで私を支えてくださった大阪大学や京都大学の同僚、スタッフ、学生の皆さん、そして研究の機会と環境を与えてくださったすべての方々に深く感謝申し上げます。研究は一人ではできません。ともに考え、悩み、喜んできた仲間たちの存在が、この成果を導いてくれました。
今後も若い研究者が自由な発想で基礎研究に挑戦できる環境づくりに力を尽くしたいと思います。そして、生命の不思議を探究することの喜びを、次の世代へとつなげていきたいと願っています。
熊ノ郷淳総長のコメント
本日はお集まりいただき、ありがとうございます。
この場にお越しいただくことが叶わず、ライブ中継をご覧いただいている皆様にも、心より感謝申し上げます。
このたび、本学免疫学フロンティア研究センターの坂口志文先生が、ノーベル生理学・医学賞を受賞されましたことをご報告申し上げます。
坂口先生には、心よりお慶びを申し上げます。
大阪大学としましては、本学在籍中の受賞は初めてということで、大変嬉しく思います。
今回の受賞の対象となった坂口先生の研究成果は、制御性T細胞の存在とその免疫学的重要性を世界で初めて証明し、その後大阪大学はもちろん、世界中でこの分野の研究が飛躍的に進み、医療への応用などにもつながっています。
まさに偉業と呼ぶにふさわしい成果です。
また、この受賞は、坂口先生が基礎研究に永年真摯に取り組んでこられた結果です。
このことは、様々な困難と向き合いながら日々研究に打ち込んでいる若い研究者や学生にとっても、大いに励みとなることを確信しています。
坂口先生ありがとうございます。
改めまして、この度はおめでとうございます。
大阪大学総長 熊ノ郷 淳
坂口志文先生の研究成果、功績と略歴は こちらのページをご覧ください。