国際公共政策研究科の教育目標および各ポリシー

教育目標


大阪大学の教育目標のもと、国際公共政策研究科は、社会で発生する公共的性格をもつ諸問題、特に国際的なそれに対し、前期課程では一定の学問分野の高度な専門性を前提としつつ、後期課程では一定の学問分野の体系化された高度な専門性を前提としつつ、種々の観点からそれを分析できる能力をもち、かかる能力に基づいて得られた知見により問題の本質を解明し、その解決策を人々に説得的に提示し、社会で指導的な役割を果たし、文化の進展と人々の安寧・福祉の向上に寄与する人材を育成します。

○最先端かつ高度な専門性と深い学識

公共政策課題は、通例、法的・政治的・経済的側面を有する。その解決は、法律学・政治学・経済学の高度な専門的能力を前提とするため、各専門学問分野(ディシプリン)における最新の方法論や学術的作法を高い次元でもつ人材の育成に取り組む。後期課程では、高度でありかつ体系的な専門的能力の修得も目指す。

○高度な教養

公共政策課題の解決は、法律学、政治学、経済学のいずれかひとつの視角から分析するだけでは不十分で、広く歴史、思想、宗教といった文化的背景や自然科学的な知見にも通暁することが不可欠であり、専門分野外の知識とその理解を高い次元で備える人材の育成を目指す。後期課程では、学際性・複眼性に富んだ高度で柔軟な教養力の修得も目指す。

○高度な国際性

現代の国際社会はグローバル化が進展し、かつてない規模で人・物・資本などが国境を越えて移動している。今日、喫緊の課題である温暖化に代表される地球環境問題や自然災害には、そもそも国境はない。そのため、国際社会と国内社会の境界線も曖昧になり、国際問題と国内問題とが深く関連するようになった。その結果、公共政策課題は国際的性格を有するものが多い。そうした課題に全面的に向き合う、その名に恥じない人材を育成することこそ、本研究科の最も重要な教育目標である。後期課程では、公共政策課題に取り組むのに必要な高度で体系的な学識をもつ人材の育成も目指す。

○高度なデザイン力

公共政策課題に対して多角的視点から分析を行っても、その分析結果を他者に説得的に説明できなければ社会変革(イノベーション)をもたらすことはできない。そうした際、リーダーシップを発揮するために、コミュニケーション能力やプレゼンテーションにおける表現力を高い次元で備えた人材を育成する。後期課程では、高度でしかも体系的なデザイン力の育成にも取り組む。

学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)


大阪大学のディプロマ・ポリシーのもと、国際公共政策研究科博士前期課程および博士後期課程では、所定の単位を修得して、特定の分野で高度の専門的能力を身につけ、一定の属性を備えた修士論文あるいは博士論文を執筆し、口頭試験に合格した学生に修士(国際公共政策)あるいは博士(国際公共政策)の学位を授与します。

○最先端かつ高度な専門性と深い学識

法律学・政治学・経済学における高度な専門的能力を身につけ、著者の問題意識、方法論、分析・論証及び結論が論理的に構築された修士論文あるいは博士論文が、次の属性を備えている。

  1. 新規性(内容が新規であり、独創的であること)
  2. 継承性(先行研究を十分に渉猟し、先行研究に対する位置づけが明確であること)
  3. 実証性(確かな典拠・データに基づいて議論が展開されていること)
  4. 論理性(議論が論理的に展開されていること)
  5. 明確性(明快・適切な表現が用いられていること)

博士論文については、専門分野における高度の学術的価値を有することも求められる。加えて博士の学位の取得に際しては、独立した研究者として研究を遂行する学力・能力をもち、今後、一定水準の学術的価値をもつ論文その他の知的生産物を継続的に公表していくことができることが肝要である。

○高度な教養

法学・政治学・経済学以外の学問分野にも広く通暁し、それを高い次元で理解していること。

○高度な国際性

  1. 世界の人とコミュニケーションする能力を身に付けていること
  2. 国際社会の一員として共生できる能力を身に付けていること

○高度なデザイン力

修士論文や博士論文は他者に著者の主張が適切に伝達されるよう明瞭・平明に記述されており、口頭試験においても十分に準備された明快なプレゼンテーションを行うことができ、また、審査委員である教員と対等の研究者として討論することができること。

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)


大阪大学のカリキュラム・ポリシーのもと、国際公共政策研究科は、下の1~4の属性を備えた人材を育成するため、以下のように専門科目・国際性涵養科目・高度教養教育科目の授業を開講しています。

【教育課程編成の考え方】

国際公共政策研究科は、法律学・政治学・経済学の一線級の研究者である教員を擁し、最先端かつ高度な専門性を有する多彩な授業を提供している。また、学生には、入学時に指導教員を配置し、2年次にはさらに副指導教員を定め、修士論文・博士論文の研究指導を通し、高度なデザイン力を育成している。さらに本研究科では、初学者を対象とした法律学・政治学・経済学の基礎を学ぶ科目を提供していると同時に、広く協力講座や他部局の教員が授業を行う科目も開設することにより、高度な教養の育成に努めている。英語で行われる授業も相当数開講している。

【学修内容及び学修方法】

  1. 専門性 本研究科では、法律学・政治学・経済学の一線級の研究者である教員を擁し、最先端かつ高度な専門性を有する多彩な授業を提供している。また、講義科目のみならず、学生と教員の距離が近く、高い専門性が担保される演習科目を多数開設している。
  2. 学識・教養 学際性を有する研究を促進するため、通常の授業においても、多様な方法論を用いた授業を提供している。また、社会科学系の学問分野では、理論研究とともに、実務レベルの評価に耐えうることも重要なため、本研究科では官公庁や国際機関において実務経験のある研究者を有するほか、官界や民間などの実務家を非常勤講師として任用し、これらの教員が実務的妥当性を確保するための授業を提供している。
  3. 国際性 本研究科では、国際関係論・国際法・国際経済学など、国際性を有する授業科目を多数配置するとともに、それらの科目のうち相当数を英語で開講している。また、Microeconomic Theory・Econometric Methods・Macroeconomic Theoryなど経済学研究の基となる手法を学ぶ科目は、すべて英語で開講している。
  4. デザイン力 本研究科では、修士論文・博士論文の研究指導を通し、高度なデザイン力を育成している。また、ネゴシエーション・ディベート・リーダーシップ・インターンシップなどの授業を提供しており、コミュニケーション能力・リーダーシップの向上と指導性の養成に努めている。博士後期課程では通常の科目に加えて、「プロジェクト演習」も開設している。

【学修成果の評価方法】

各科目のシラバスなどに記載されている学習目標の達成度について、記載されている成績評価の方法を用いて評価する。講義科目では主に試験や課題、レポートなど、演習科目では主に課題、レポート、口頭報告など、論文作成では主に論文及び論文内容の口頭報告などにより評価する。

【学位プログラム版】教育目標および各ポリシー

○国際公共政策学



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