子どもの社会性・知性・意欲の変化は「教え方」をどう変えるか? ~子ども型アンドロイドを用いて~
【プロジェクトメンバー】
研究代表者:萩原 広道(講師)人間科学研究科 行動生態学講座(発達認知学)
共同研究者:河合 祐司(准教授)先導的学際研究機構 附属共生知能システム研究センター
堀井 隆斗(准教授)基礎工学研究科 システム創成専攻(システム科学領域)
石原 尚(准教授)工学研究科 機械工学専攻(知能制御学系領域)
伴走者:【URA職】経営企画オフィス(主任)岸本
【事務職】統括理事オフィス(係員)中尾
【共同研究のキーワード】
発達認知科学 / ヒューマンロボットインタラクション / 認知発達ロボティクス / 子ども型アンドロイドロボット
【概要】
「教える」という行為は学び手が成長・発達するうえで不可欠な伝達行為である。特に乳幼児研究に代表される発達科学においては、学び手が「教え方」をどう引き出すかという観点に注目が集まっている。本研究では、微細な表情変化や多彩な動きが可能な子ども型アンドロイド“Affetto”を用いて、子どもの表情(社会性)、記憶力(知性)、学習意欲などの要因が大人の話し方や教え方へもたらす影響について検証する。
これらは発達科学・教育心理学への貢献に加え、ロボットやAIにおける学習への応用も期待される。
萩原先生、河合先生に質問!
この研究の面白い所を教えてください!
萩原:
赤ちゃんは「じっとしていて」「今は楽しそうにして」とお願いしてもその通りには動いてくれません。そのため、これまでの研究では、子どもの行動や認知特性が養育者の行動にどのように影響するのかを厳密に調べることが困難でした。子ども型ロボットを用いて親子がやりとりする場面を疑似的に再現することで、そうした既存研究の限界を克服できるかもしれません。工学研究者との共同研究によって、このように新しい可能性が拓かれる点が、この研究の面白さだと思います。
河合:
情報科学分野では、AIによる大規模言語システムの研究が盛んになってきています。予め用意された大量のデータセットを一気に学習していくAIに対し、人間の学習はその逆で、少量のデータを少しずつおぼえて言葉を学んでいきます。ロボット研究の観点から赤ちゃんの発達を見つめることで、未来の言語モデルのヒントが掴めるかもしれません。そんな可能性を感じられることに魅力を感じています。
共同研究者と出会ったきっかけは?
萩原:
今回の研究メンバーはいずれも、2023年に大阪で開催された「日本赤ちゃん学会」の実行委員だったんです※。専門分野はそれぞれ異なりますが、発達心理学に留まらず、計算モデルやロボットの視点、人以外の動物種との比較の視点など、さまざまな研究者が「赤ちゃん」をめぐって関心を共有しています。そうした土壌があり、今回の研究プロジェクトが立ち上がりました。
特に河合先生は、私が博士後期課程のときに執筆した赤ちゃんの言語発達に関する論文に解説文を寄稿してくださったというご縁もあって、ぜひいつか共同研究したいと思っていました。今回実現してとても嬉しく思います。
※リンク: https://jsbs.gr.jp/meeting/
3職協働に期待すること・良かったことは?
萩原:
本プロジェクトでは、研究者が困っていることに対して、どのようなロジックでそのような状態になっているのか、交渉の余地がどこまであるのかなど、事務的な事情を含めた相談をURAや事務職員の方にできたことが非常にありがたかったです。また、他部局のケースを共有してもらえたことも助かりました。
今後もこのようなプロジェクトを通して本学の研究力向上を図ることはもちろん、研究者やURA、事務職員の方と部局を超えて交流する機会が継続的にあったら良いなと思います。
研究活動
萩原 広道 先生
・researchmap
https://researchmap.jp/hagiii
・Google Scholar
https://scholar.google.com/citations?user=c5XUKuoAAAAJ&hl
・Lab. HP
https://babylab.hus.osaka-u.ac.jp/
河合 祐司 先生
・researchmap
https://researchmap.jp/yujikawai
・Google Scholar
https://scholar.google.com/citations?user=aRTfnU0AAAAJ&hl=ja&citsig=AMD79ooNffs9uwO3Qtp9_Hw0XbzKfAwBYg
・個人HP
http://www.er.ams.eng.osaka-u.ac.jp/kawai/hp/
・Lab.HP
http://www.er.ams.eng.osaka-u.ac.jp/asadalab/
堀井 隆斗 先生
・researchmap
https://researchmap.jp/t-horii
・Lab.HP
https://soro.sys.es.osaka-u.ac.jp/index.html
石原 尚 先生
・researchmap
https://researchmap.jp/hisashi_ishihara
・Lab.HP
https://www-android-mech.eng.osaka-u.ac.jp/
(2025年10月時点)