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特色ある活動

総長メッセージ

 

OUビジョン2021の改定にあたって 
ー「研究開発エコシステム」による「OUビジョン2021」の実現ー

進取の気風と自由闊達な精神

 大阪大学は、1931年の創設以来、かねて大阪の地に根づいていた懐徳堂、適塾の市民精神を受け継ぎつつ、自由闊達な市民社会とのつながりを大切にし、「社会の中の大学、社会のための大学」の精神を脈々と育んできました。その精神は、「地域に生き世界に伸びる」をモットーに、それぞれの時代の社会の課題に応えてきたという歴史に繋がっています。社会に進んで門戸を開き、その豊かな多様性の中で、人類の理想を実現せんと努力する有為な人材を輩出し、しなやかに実直に普遍の真理を見極め、世界最先端の学術研究の成果を還元し続けてきました。

 

社会の変化と新たな大学モデル「University 4.0」

 国際連合が定めたSDGs(持続可能な開発目標)にあるように、世界は今、気候変動、感染症、大気汚染など、地球規模の困難な課題に直面し、深まる不安の中で、私たち一人ひとりの未来への展望は大きく揺るがされています。また、昨今の科学技術、特に人工知能(AI)や情報ネットワーク技術の急速な発展は人々の暮らしを豊かにする一方で、産業構造や社会構造の転換を引き起こし、数年先の展望すらままならないほどの大きな影響をもたらしています。こうした複雑かつ高度化する社会課題を前に、我々は解決策の探求以前に、「何をすべきか」(What to do)、「何故それをするのか」(Why we do)という根源的な問いを突きつけられています。この現状を打破するため、大学には従来よりもはるかに強く、イノベーションの源泉としての学術研究・基礎研究の振興が求められています。

 こうした状況下にあって大学は、従来の機能を保ちながらも、社会と向き合い、新たな課題を見つけ、「社会と知を融合すること」を目指さなければなりません。言い換えると、「産」「官」「民」と「学」の間で、「組織」と「組織」が共通の「場」を持ち、包括的に深く連携し、課題探求や基礎研究の段階から「共創(Co-creation)」することにより、イノベーションを起こすことが必要です。このような「共創イノベーション」を牽引する「社会の中の大学、社会のための大学」こそ、大阪大学の考える次世代の大学モデル「University 4.0」です。

 

OUビジョン2021による礎の確立

 この「University 4.0」を実現する大学となるために、大阪大学は、自らの基本理念である「大阪大学憲章」を第3期中期目標期間(2016年4月から2022年3月まで)において実装することを目指し、たゆまぬ自己変革の指針として「OU(Osaka University)ビジョン2021」を2016年に打ち出し、力強い礎の確立を進めてきました。OUビジョン2021は、大学の知を広く世のため、人類社会の幸福のために開放すること、つまり「Openness(開放性)」を基軸としたうえで、「Open Education」、「Open Research」、「Open Innovation」、「Open Community」、「Open Governance」の五つの柱から構成され、それぞれに「共創」を実現するための取組目標を定めています。

 さらに、大阪大学は、OUビジョン2021の取組みを礎として、創立100周年を迎える2031年までを射程に入れ、「社会変革に貢献する世界屈指のイノベーティブな大学」となる将来構想を示しました。この構想の卓越性、将来性が評価され、2018年10月に指定国立大学法人に指定されるに至りました。

 

研究開発エコシステムによる「共創」の実現

 OUビジョン2021を実現するためには、大学と社会が「共創」し、お互いの関わりの中で潜在的な革新性をゆり起こしていくことが不可欠です。そして、「共創」によるイノベーションを促進するためには、「Disruption(創造的革新)」と「Diversity(多様性)」の二つの「D」が必要であると考えています。今回の改定においては、これら二つの「D」を取組みのベースとした「研究開発エコシステム」を中心に、五つの「Open」に関連するこれからの大阪大学の重点施策を示しました。「研究開発エコシステム」とは、卓抜した研究成果を社会実装し、その過程を通じた新たな課題を分析し、それをさらに基礎研究に還元するという好循環を実現する仕組みです。「共創」による好循環システムを具体化した研究開発エコシステムは、これまでの大学と社会の間の壁を取り払い、その関係性を一新する「Disruption」の中核を担っています。

 また、「Diversity」により、多様な価値観と文化的多様性を取り入れ、そのポテンシャルを最大限に発揮させることで研究開発エコシステムはさらなる発展を遂げます。この大きな流れの中で、卓越した研究成果の持続的な創出、それを円滑に社会還元していく仕組みの構築、そして、社会課題解決に貢献するイノベーティブな人材の育成を連動一体的に行っていきます。

 この研究開発エコシステムのもと、五つの「Open」それぞれの取組みを有機的に機能させ、OUビジョン2021で掲げたこれからの重点施策を確実に実行することで、「社会変革に貢献する世界屈指のイノベーティブな大学」への礎を築き、さらなる成長曲線を描いてまいります。

 

                               大阪大学総長

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