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坂口志文特別栄誉教授と外国語学部スウェーデン語専攻が交流―ノーベル賞授賞式に向けて、文化と言語を学ぶひととき―
2025年11月19日(水)、大阪大学箕面キャンパスにて、ノーベル生理学・医学賞受賞が決定した坂口志文特別栄誉教授と、外国語学部スウェーデン語専攻の教員・学生との交流会を開催しました。
この交流会は、12月にスウェーデン・ストックホルムで行われるノーベル賞授賞式に出席する坂口特別栄誉教授が、スウェーデンの言語や文化への理解を深めるとともに、日本の国立大学で唯一スウェーデン語専攻を持つ大阪大学ならではの学びを共有することを目的に企画したものです。
当日は、スウェーデン語専攻の教員・学生約70名が参加し、坂口特別栄誉教授を「外国語学部スウェーデン語専攻への一日留学生」として迎えるというコンセプトで実施。「もしあなたがノーベル賞の授賞式に出席することになったら」と題した特別講義では、 緊張を和らげ、学生と同じ立場で学び合う時間とするため、坂口特別栄誉教授をあえて 「坂口さん」と呼ぶユニークな形式で進行しました。
「ノーベル賞の国を知る-スウェーデンでの学びを通して」と題したパートでは、まず、スウェーデン社会の研究を専門とする高橋美恵子教授から、全ての人のウェルビーイングを目指して長い時間をかけて取り組んできたスウェーデンの政策や社会の特徴についてレクチャーがありました。
スウェーデンの政策や社会の特徴についてレクチャーする高橋美恵子教授
次に、実際に留学を経験した2人の学生、西山憩さんと稲葉尚子さんからは、スウェーデンでの生活や伝統行事、ノーベルウィークの雰囲気など、実体験に基づく発表があり、「坂口さん」からは、「初めての真冬のスウェーデン訪問ですが、街の雰囲気がおもしろそうで今から期待が膨らみます」と感想が述べられました。
留学経験をもとに発表をするスウェーデン語専攻 西山憩さんと稲葉尚子さん
「ノーベル賞のことばに触れる-スウェーデン語の心を通して」と題したパートでは、スウェーデンの歴史や文化の研究を専門とする古谷大輔教授、言語の研究を専門とする南澤佑樹講師、生まれも育ちもストックホルムのサーヴァ・ハシェミ特任講師(常勤)からそれぞれレクチャーがありました。授賞式や晩餐会での振る舞い、言語表現に込められた文化的背景についての説明に、「坂口さん」を含む多くの受講者が深く頷いていました。
古谷大輔教授のレクチャーに真剣に耳を傾ける坂口特別栄誉教授と学生たち
「lagom(ラーゴム。ちょうど良いの意)」の語源を紹介する南澤佑樹講師と、ノーベル賞の社会的な意味を説明するサーヴァ・ハシェミ特任講師(常勤)
交流会の終盤には、スウェーデン語専攻の学生から質疑応答が行われ、「ノーベル賞のメダルチョコを家族のお土産にしますか?」といった質問に、「実は今すでにノーベル賞のメダルチョコをたくさんお土産にと頼まれておりまして、持って帰るのが大変だから、郵送でもしようかなと思っています」など、坂口特別栄誉教授はひとつひとつ丁寧に答えていました。
最後に坂口特別栄誉教授は、「今日、みなさんから教えていだいたことをふまえて、準備したいと思います。スウェーデン語も片言ですけれども一言二言、ぜひ少しですが話してみたいと思います。」と語り、和やかな雰囲気の中で閉会しました。
大阪大学は、学問と文化の架け橋となるこのような取り組みを通じて、「地域に生き世界に伸びる」大学としての使命を果たしていきます。
〈関連リンク〉
・坂口志文特別栄誉教授 ノーベル賞受賞決定のお知らせ
https://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/topics/2025/10/06001-2
・大阪大学外国語学部スウェーデン語専攻
https://swedish.sfs.osaka-u.ac.jp/
・大阪大学免疫学フロンティア研究センター
https://www.ifrec.osaka-u.ac.jp/index.htm
・坂口志文特別栄誉教授の論文等リンク集
https://www.library.osaka-u.ac.jp/news/20251017_common/