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「ポスト万博への挑戦~産学で探るウェルビーイング」をテーマに京都大学・大阪大学・神戸大学 3大学シンポジウム開催
2025.10.28 Tue
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「ポスト万博への挑戦~産学で探るウェルビーイング」をテーマに京都大学・大阪大学・神戸大学 3大学シンポジウム開催

京都大学・大阪大学・神戸大学の総長・学長が経済界と討論する「3大学シンポジウム」(主催:日本経済新聞社、日本経済研究センター)が10月21日(火)、大阪市内で開催されました。

このシンポジウムは「関西経済人・エコノミスト会議」の一環として毎年開催されるもので、今回は「ポスト万博への挑戦~産学で探るウェルビーイング」をテーマに、3大学の総長・学長と産業界から阪急阪神ホールディングスの嶋田泰夫代表取締役社長・グループCEO、Halu(ハル、京都市)松本友理代表取締役が出席し、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)後に向けて、大学と企業がどのように産学共創でウェルビーイングを追求していくべきかについて、議論が行われました。

シンポジウムでは、日本経済新聞社の八木谷勝美常務執行役員大阪本社代表の主催挨拶のあと、嶋田泰夫氏から、「阪急阪神ホールディングスグループのウェルビーイングに向けた取組」と題し、基調講演があり、同社が推進する沿線住民の健康寿命を伸ばす介護予防事業やヘルスケアへの姿勢について紹介されました。その中で嶋田社長は「ウェルビーイング社会の実現に向け、私たち企業も大学と共に歩みたい」と力強く呼びかけました。

続いて、日本経済新聞社大阪本社編集局長の武類祥子氏をモデレーターとして、熊ノ郷淳総長、湊長博京都大学総長、藤澤正人神戸大学学長、松本友理氏、嶋田泰夫氏によるパネル討論が行われました。

今回のパネル討論では「ポスト万博に向けて何に備えるべきか」「企業・大学の現在地と変革への歩み」「大学にとってのウェルビーイング最前線」など多岐にわたるテーマについて議論が展開され、熊ノ郷総長は、本学が重点を置くウェルビーイング研究の3領域「生命レジリエンス領域」「スマートサステナブル領域」「未来創発領域」について紹介。特に「生命レジリエンス領域」の中から“シニアサポート”を重要なキーワードとして掲げ、「超高齢社会における課題解決に向けて、地域とともに活動し、未来社会を切り拓いていくことが求められる。産学連携や大学間連携をさらに強化していきたい」と述べました。

また、湊長博京都大学総長、藤澤正人神戸大学学長もそれぞれの大学の取り組みを紹介し、大学が社会とどう向き合い、次世代のウェルビーイングに貢献していくかについて論じました。湊総長は「少子高齢化の進行が急速化する中、総人口が減少するスローダウンの時代に突入している。高等教育の質を向上させるとともに、新しい高齢化社会づくりが大学に課された使命である」と指摘。藤澤学長は「ICTを活用した健康・医療提供体制の構築や人間関係の情報を可視化する『インタラクションシグナル技術』によるウェルビーイング向上」を目標に掲げました。
障がい児や子育て家族層を対象にした商品開発を進める松本友理氏からは、同社の事例と理念から、「バリアフリーの考え方を拡張して、誰かの困りごとを、みんなの楽しみに変容させることが、ウェルビーイングな社会の実現につながる」との紹介がありました。


パネル討論の様子


ウェルビーイング研究について述べる熊ノ郷淳総長

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