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2023.10.4 Wed
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革新的GX技術創出事業(GteX)に本学研究者が率いるチームからの提案が採択!微生物によるバイオものづくりで、温室効果ガス削減やエネルギーの安定供給に貢献します

地球温暖化の原因となる過剰な二酸化炭素(CO2)を原料に、プラスチックや燃料を生産できる微生物を自由自在に創り出すことができたら・・・。

そんな夢のような研究が、大学・国立研究開発法人13機関から結集した若手研究者のプロジェクトチームによって開始されることになりました。オールジャパン体制のチームを、「マッサン」で知られる大阪高等工業学校をルーツの一つとし、微生物の発酵生産に関する研究で伝統をもつ大阪大学の研究者がリーダーとしてプロジェクトを率います。

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の革新的GX技術創出事業(GteX)に、大阪大学生物工学国際交流センター/先導的学際研究機構の本田孝祐教授が代表を務める提案課題「多様な微生物機能の開拓のためのバイオものづくりDBTL技術の開発」が採択されました。

「革新的GX技術創出事業(GteX)」では、大学等における研究開発および人材育成を支援することで、GX(グリーントランスフォーメーション)の実現につながる革新的な技術シーズの創出や人材輩出を目指します。研究チームは、各参画機関が持つ先端技術を結集し、微生物が持つ多様でユニークな代謝反応を探索・改良することで、さまざまな有用物質の発酵生産に特化した人工微生物を開発します。こうした人工微生物を用いて、CO2等の炭素源を原料とした、燃料、樹脂、繊維などの原料となる化学品の発酵生産を実現することで、温室効果ガス削減やエネルギーの安定供給に貢献します(図1)。


図1 本提案課題の概要

研究チームは、大阪大学、神戸大学に加え、大阪公立大学、海洋研究開発機構、金沢大学、京都大学、京都工芸繊維大学、九州大学、産業技術総合研究所、東京大学、名古屋大学、広島大学、物質・材料研究機構の13機関から集結した若手研究者を中心に構成されたオールジャパン体制からなります。農芸化学、生物化学工学に加えて数理解析、電気化学、公共政策など異分野の研究者も巻き込んだチームを編成し、新たな融合研究を展開していきます。本学からは研究代表者を含め、学際研究を推進する7名の若手・中堅研究者が参画しています(いずれも、新学術領域を創成する組織として設置された先導的学際研究機構に兼務)。

アカデミアの高い基礎研究力を強みとしつつ、産業界をはじめとする社会の声を広く取り込むことで、実用化研究への早期のスピンアウトをはかります。また、大学院生を含む若手の海外派遣を奨励し、地球規模課題の解決に向けてグローバルに活躍できる次世代の研究者を育成します。

【本田教授のコメント】
アミノ酸発酵生産菌の発見や、異性化糖生産技術の開発など、日本は微生物によるバイオものづくり技術で世界をリードしてきました。本プロジェクトでは我が国の関連分野の若手研究者らの英知と熱意を結集し、GX実現を先導する次世代バイオものづくり技術の開発を目指します。

<関連リンク>
革新的GX技術創出事業(GteX)
https://www.jst.go.jp/gtex/index.html
生物工学国際交流センター
http://www.icb.osaka-u.ac.jp/
先導的学際研究機構
https://otri.osaka-u.ac.jp/
先導的学際研究機構 産業バイオイニシアティブ研究部門
http://sangyobio.jpn.org/

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