- ALL
令和3年度司馬遼太郎*記念学術講演会 ・箕面新キャンパス開学記念国際シンポジウム (オンライン)を開催しました
11月14日(日)、「大阪大学司馬遼太郎記念学術講演会」と「箕面新キャンパス開学記念国際シンポジウム」をオンラインで開催しました。
司馬遼太郎記念学術講演会は、国民的作家で、大阪外国語大学(現大阪大学)出身の作家 司馬遼太郎先生の業績を偲び毎年開催しているもので、第24回目となる今年は「世界と日本を結ぶ道」をテーマとして開催しました。
講演会は総合司会であるアナウンサーの小川真由さんの挨拶ではじまり、主催者を代表して西尾章治郎総長からビデオメッセージによる挨拶がありました。
(* タイトルの”遼”は正しくは遼と表記します)
続いて本学学生による、司馬作品に限った書評合戦(ビブリオバトル)を行いました。今回のビブリオバトルは、「世界と日本」をテーマとし、それに沿った司馬小説および『街道をゆく』を対象としました。予選を経て選抜された藤谷 恭明さん、増田 簡さん、今坂 朋彦さん、上垣 皓太朗さん、原 彩乃さんの5名により、熱のこもった司馬作品の紹介と質疑応答が行われ、「どの本が一番読みたくなったか」を基準に視聴者によるオンライン投票を行いました。
投票の結果、チャンプ本は文学部2年、上垣 皓太朗さんが紹介した『街道をゆく 奈良散歩』が、準チャンプ本は、言語文化研究科博士前期課程1年、増田 簡さんが紹介した『ペルシャの幻術師』となりました。お二人には、表彰状の盾と副賞が授与されました。
引き続いて、作家の多和田葉子さんをお迎えし「コトバとコトバの間の閾(しきい)、狭間、そして跳躍」のタイトルで講演をいただきました。講演では、多和田葉子さんの著作から『雪の練習生』『エクソフォニー』『献灯使』の一節を取り上げ、小川真由アナウンサーの朗読を挟みながら、日本語とドイツ語の二ヶ国語で作品を発表する多和田さんにインタビュー形式でお話をうかがいました。
司馬遼太郎記念学術講演会に続いて、今年4月の箕面新キャンパス開学を記念する「箕面新キャンパス開学記念国際シンポジウム」を開催しました。
まず、竹村景子外国語学部長から、箕面新キャンパスの、これからの100年も「言語を究めて世界へはばたく」をモットーに、変わらず使命を果たしていくことの決意が述べられました。
続いて、「コトバからセカイへ—越境する文学」と題したパネルディスカッションが開催されました。
ドイツから作家の多和田葉子さん、東京から作家のリービ英雄さんがオンラインで参加され、箕面会場には俳優のサヘル・ローズさんにお越しいただき、ファシリテーターの竹村学部長のもと、複数の言語を経験する中で気づく日本語の魅力、言葉を文字に起こすことの意味、多言語・多文化時代の文学などについて語り合いました。パネルディスカッションの最後には、外国語学部、外国語教育に向けて、多和田さんからは、「人は、日本語も含め言葉を借りて話しているので、言葉に壁を作らず、色々な言葉に触れてほしい」、リービさんからは、「その言葉を学ぶことの個人的な動機を深く考えてほしい」、サヘルさんからは、「新しい言葉を学ぶことで自分の世界が広がるので、色々な言葉を試して(試食して)ほしい」と激励のメッセージをいただきました。
閉会の挨拶では、三成賢次理事・副学長が、大阪大学は、箕面新キャンパスの社学連携活動をより活発化させたいと述べ、盛会のうちに終了しました。
当日の様子は12月7日(火)まで、大阪大学公式YouTubeチャンネルにて公開しています。ぜひご覧ください。