StoryZ

阪大生にも、研究者にも、卒業生にも誰しも必ずある“物語”
その一小節があつまると大阪大学という壮大なドキュメンタリーを生み出します。
それぞれのStoryをお楽しみください。

当初 「想定外 だったコンビ結成

阪大の落研入部が出会ったきっかけ。高校時代からM-1グランプリに出場するなど漫才好きの山内さんは、落語で話芸を磨こうと入部した。一方、下井さんは、お笑いは好きでも人前に立つのが大の苦手。“自己啓発”のために入部し、そして山内さんが募集した相方に真っ先に手を挙げた。

「話したこともないやつが立候補してきて想定外でした」と山内さん。2013年秋にとりあえずコンビを結成した。ところがコンビを組んでみると、「笑いのツボが同じで、意外に相性が良かった。そして漫才するのが楽しくて、本気で勝負してみようと思うようになった。学生で1番じゃなかったらプロになんかなれない。D-1グランプリは試金石でした」と山内さんは振り返る。

落研での経験を生かした芸風に

落研では地域の寄席で高座に上がって、多くの場数を踏んだ。全くウケなかった高座も芸の糧になっている 下井さんは「最初は赤面したり、滑舌が悪くて噛んだりするとメンタルがやられそうでした。でも、人を笑わせた時の気持ちよさは何物にも代え難いですよ」と語る。間の取り方、立て板に水のしゃべくり、わかりやすいボケなど落研での経験を生かし、 B国紳士らしい芸風の研究を続けている。

ストリート漫才も

言葉ボケを思いつく山内さんがネタを作り、2人でネタ合わせをして完成させる。ネタは約25本になった。お笑いライブに積極的に出演して腕を磨くほか、京都・三条大橋ではストリート漫才も続けている。舞台とはまた違った緊張感のある練習になる。山内さんは、数学科在籍の下井さんのキャラクターを生かした数学ネタも考えている。「でもね、専門的過ぎて(笑)。これや、というものを早く見つけたいです」

阪大芸人として

第17回課外活動総長賞特別賞に輝き、西尾章治郎総長から「阪大芸人」を名乗っていいとのお墨付きをもらった。「お笑いの本場、大阪を代表する大阪大学なのに、おもろいイメージがないのは残念。僕たちが阪大芸人として活躍して、阪大の知名度アップにつなげたい」

ただ芸の道は厳しい。「もがきながらも挑み続けたい。そして毎日、舞台に立って人を元気にしたいです」。2人の漫才道はまだ始まったばかりだ。

B国紳士

理学部数学科4年の下井竜太郎さん、外国語学部ロシア語専攻3年の山内優範さんの漫才コンビ。結成3年目。今年3月に開催された「第8回全国大学生お笑い選手権大会〜お笑いD-1グランプリ2016」で優勝し、全国の大学生漫才の頂点に立った。コンビ名の由来は英国(えいこく→A国)紳士から。「Aにはひとつ何か足りない。どこか抜けているからB」と笑う大阪大学落語研究部出身の2人は今、真剣にプロの漫才師を目指している。


▲大阪大学ニューズレター73号見開きページより

(本記事の内容は、2016年9月大阪大学NewsLetterに掲載されたものです)

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