StoryZ

阪大生にも、研究者にも、卒業生にも誰しも必ずある“物語”
その一小節があつまると大阪大学という壮大なドキュメンタリーを生み出します。
それぞれのStoryをお楽しみください。

レゴ ® をきっかけに阪大へ

レゴ ® ブロックは、中山さんが生まれたときから身近にあった。「姉のレゴ ® ブロックで、いつも遊んでいました。レゴ ® 社が認定するプロがいると知ったのは、小学校3年のとき。その人たちの動画を見て、モーターを使った動くロボットやラジコンカーも作り始めました」

進路を決定づけたのも、レゴ ® だった。「レゴ ® ブロックを使ってロボットを作る講義が阪大にあると知って、基礎工学部に入学しました。その講義のTA(ティーチング・アシスタント)になりたいと思って基礎工学研究科の宮崎文夫研究室に入り、3年間TAを務めました」

修士2年のときに本学のフロンティア研究センター主催「学生チャレンジプロジェクト」に応募したことをきっかけに、レゴ部を創設。中山さんは、初代部長を務めた。

レゴ ® 職人コンテストに挑戦

3年前に、初めて「レゴ ® 職人」コンテストに挑戦。しかし結果は予選落ち。悔しさをバネに今年2月、再チャレンジ。

今年のコンテストでは、予選を勝ち抜き決勝へ。審査では、技術や表現力に加え、観客である子どもたちをいかに味方につけるかがカギとなる。「子どもたちは邪魔しようと近寄ってくるのですが、パーツを仕分けたり、部品を作ってもらうよう課題を与えることで、味方になってくれました。あえて制限時間ギリギリに完成させて、周りに喜んでもらうことも意識しましたね」

「最後は子どもたちを巻き込み、優勝できました。うれしかったですね。大好きなレゴ ® に認められて。レゴ ® ブランドの仕事に関われるようになるんだと思いました」

阪大生マスター・モデル・ビルダーとして

現在は、レゴランド ® ・ディスカバリー・センター大阪で子どもたちにレゴ ® ブロックの楽しさを伝えたり、他に2人いる先生の指導にもあたっている。場所柄、海外からの観光客が多く、外国人の子どもも多い。

レゴ ® ブロックのいいところは、言語がいらないこと。日本語で教えていますが、パーツがあったときの『あった!』と、完成したときの『できた!』だけは覚えて帰ってくれます

また、現役阪大生でもある中山さんは、基礎工学研究科でリハビリテーションロボティクスの研究も続けている。

レゴ ® ブロックの楽しさを伝えたい

今後の目標は、「レゴ部のときのように、もっとイベントをやりたいです。特に、大人向けのイベント。この施設は子ども向けで、大人だけでは入場できない。月1回『大人のレゴ ® ナイト』というイベントを行っているのですが、そんな場を通じてレゴ ® の話をしたいですね。月に1回といわず、2回、3回となればいいな」

「レゴ ® ブロックの魅力は、不器用でも創作ができるところ。たとえば車が欲しくてもすぐに買えないとき、レゴ ® で作ればとりあえず満足できる。車が手に入らないというマイナスの気持ちが、うれしい気持ちに変わります」と語る。これからの活躍を応援したい。

●中山かんな(なかやま かんな)

基礎工学研究科博士課程3年。機能創成専攻機能デザイン領域制御生産情報講座 ロボティクス・メカトロニクスグループ(宮崎文夫研究室)に所属。レゴ ® 歴24年。

レゴランド ® ・ディスカバリー・センター大阪
(大阪市港区海岸通1-1-10 天保山マーケットプレース3階)

3歳から10歳までの子どもとその家族を対象としたレゴ ® がテーマの屋内体験型施設。入場するには、15歳以下の子どもの同伴が必要。

[営業時間]10:00〜20:00(最終入場は18:00)

[定休日]不定休(天保山マーケットプレースの休館日に準ずる)

※予告なく、営業時間が変更される場合あり。大人の方のみの入場は不可。第1水曜日の夜に開催される「大人のレゴ ® ナイト」のみ、大人だけで入場可。

(本記事の内容は、 2015 9 月大阪大学 NewsLetter に掲載されたものです)

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