ピッチと客席 目と鼻の先新スタジアム かつてない迫力に
4万人収容の新スタジアムは、大阪モノレールの万博記念公園駅から徒歩約15分。隣接地には、今秋開業予定の大型複合施設
「EXPOCITY(エキスポシティ)」がある。四條さんと笹田さんが訪れた日は、外観はほぼ完成し内部も仕上げ段階。スタジアム内に案内された2人は「すごい」と感嘆の声を上げた。
「建設費140億円のうち法人と個人の寄付が約105億円、残りは助成金で賄いました。観客席はタッチラインから7メートル、ゴール裏から10メートル。FIFA(国際サッカー連盟)の基準で『これ以上は無理』というところまで近づけた。国内のどのスタジアムよりも近い」と話す野呂輝久社長。笹田さんは「ピッチの目と鼻の先に客席があって驚いた」と興奮気味。観客席の高さも1.5メートル。欧州では高さが約3メートル、ピッチとの間に溝があったりするが 、 この新スタジアムではかつてない迫力満点の試合観戦ができる。さらにソーラーパネルなど最先端技術も取り込まれている。
「地域の健康ステーション」にも
新スタジアムは、完成後、吹田市に寄贈され、ガンバ大阪が指定管理者として運営する。野呂社長は「新スタジアムのコンセプトはJリーグや国際試合の開催、地域のスポーツ・防災の拠点であることに加え、健康です」と話す。「万博公園の外周道路をジョギングしている人が多いように、健康への関心は高い。新スタジアムにはトイレもシャワーもあるので、試合のない日は開放できます。さらに阪大病院を含む近辺の医療機関の支援を得て、市民の診療もできないかと考えています。いわば地域の健康ステーションです」と構想は膨らむ。大阪大学はすでに、スタッフやサポーター・ファンへの熱中症対策やアカデミー選手への歯のケアなど医学・歯学面で協力しているほか、映像の情報・通信環境など様々な分野で支えている。
学生たちに も「 どんどん試合を見に来て」と呼びかける野呂社長。 「キャン パスの一部だと思ってもらえたら。 キャン パスの端っこに行ったら本物 のスタジア ムがある 、 みたいにね」と笑った。
■ 株式会社ガンバ大阪 (大阪府吹田市千里万博公園3の3)
1993年のJリーグ開幕時より加盟。2005年に初めてJ1リーグ優勝を果たし、08年にはアジアチャンピオンズリーグ(ACL)制覇、14年には国内3冠(J1リーグ、天皇杯、ナビスコカップ)を達成した。日本代表選手も多く輩出するJリーグを代表する強豪クラブ。
(本記事の内容は、 2015 年 9 月大阪大学 NewsLetter に掲載されたものです)