StoryZ

阪大生にも、研究者にも、卒業生にも誰しも必ずある“物語”
その一小節があつまると大阪大学という壮大なドキュメンタリーを生み出します。
それぞれのStoryをお楽しみください。

GECSは「G Eco Challengers」の略で、「G」は旧大阪外国語大学の略称「外大」の頭文字。外大のゼミで「キャンパス・エコロジー」に関わった10人ほどの学生らが「大学の環境をよくしよう」と2003年に設立した。大阪大学との統合後08年には大学公認サークルとなり、豊中キャンパスを拠点に「学生の立場から環境問題の改善に貢献する」という理念のもと、学内外で活動している。

メンバーは3月現在65人。壁面緑化、環境教育など7班に分かれ、さまざまな取り組みを行っている。阪急石橋駅前でのごみ拾い▽捨てられたビニール傘にペイントをしてキャンパス内に共用傘として設置▽大学に対しての環境対策の提案など、地道ながら大学内外の人たちにも働きかける活動を展開する。

今回の受賞の対象となった箕面川の清掃は、入学して間もない1年生が中心となって、企画から運営までを行う恒例イベント。7回目となった昨年は地域の人たちと学生ら232人が参加し、2時間で約288㌔㌘のごみを集めた。5月初旬からミーティングを重ね、劇やクイズなどで楽しみながら清掃をしてもらうプログラム作り、清掃用具の準備、市役所や地域団体などとの対外折衝まで、すべてを新入生が担った。

小島さん、石川さんは、これほど大掛かりなイベントを責任ある立場で行うのは初めて。小島さんは「上流から下流まで下見を繰り返してハザードマップも作りました。雨が続いて心配しましたが、当日は晴れて増水もなく無事に開催できホッとしました」と振り返る。石川さんも「入学早々でまだ大学にも慣れない時期から準備に追われ忙しかったけれど、終えた時は大きな達成感がありました」と話す。

2人とも最初から環境問題に関心が深かったわけではなく、「楽しそう」な雰囲気にひかれてGECSに入ったという。1年間の活動を通して徐々に「きちんと分別する」「無駄なものは買わない」など、生活の中にリサイクルやリユースが身についてきたそうだ。

サークル結成から10年がたった節目を迎え、野村さんは「今後はメンバー個々の満足度を上げながら、これまでやってきたことに新しさも取り入れ、活動全体に成果を求めていきたい」と抱負を語っている。

「ecocon」 :全国大学生環境活動コンテスト。学生の環境活動の活性化を通した持続可能な社会の実現を理念に、環境に関心のある全国の大学生が1年に1度集まり、発表・交流・学習する場。2003年から開催。主催は全国大学生環境活動コンテスト実行委員会

(本記事の内容は、 2014 3 月大阪大学 NewsLetter に掲載されたものです)

share !