9月3日から5日間、静岡県の小笠山総合運動公園エコパで開催された第11回全日本学生フォーミュラ大会には、海外勢も含め78チームが参加。その中でOFRACは、総合成績で2位という好成績を挙げた。プロジェクト・リーダーの佐藤さんは「来年こそは総合優勝したい」と抱負を語る。
競技は1000点満点。設計、コスト精度などを問われる「静的競技」と、コース走行の速さや燃費を競う「動的競技」がある。1000ページにも及ぶコストレポートを作成する必要も。工学系の学生がそろうOFRACが得意とするのは、やはり設計である。
今年は車体の前後にウイングをつけた。車体が重くなる一方、高速走行時の旋回性能が向上する。シミュレーション結果をもとに、トータルでメリットがあると判断。「『より速く走る車』が、私たちの設計に対する考え方。年々工夫を重ね、ウイングは必要不可欠と判断しました。 搭載初年度となった今年の完成度は100%とは言えませんが、挑戦したことは将来への財産になったと思います」
ドライバーも務めた佐藤さんは「小型でもレーシングカー。最高速度は150キロ程度ですが、スタート直後の加速性能だけをみるとどんな一般車よりも速い。地面が非常に近く、体感速度は実際の何倍にもなります」。最終種目の耐久走行は過酷で、今年完走できた車は約半数だったそうだ。
大会に参加して得たものは「車に関する知識だけでなく、思考力やチーム運営力、お金の使い方やタスク管理なども。また、企業の方にスポンサー協力をお願いする際に、“社会人”を経験できます」。
もっと海外の大会にも出たいと思っている。「欧米のトップレベルに対しては遅れをとっている部分がある。なんとか資金的な問題を解決して、世界のトップレベルの学生チームが集う欧米の大会にも参加したいですね」将来はこの活動で得られたものを生かして、自動車業界で社会に貢献するのが夢だ。
(本記事の内容は、 2013 年 12 月大阪大学 NewsLetter に掲載されたものです)