年頭挨拶2026

皆様、新年あけましておめでとうございます。
また、平素より本学の教育・研究活動に対し、格別のご支援を賜り、心より感謝申し上げます。

昨年は、4月に新執行部が発足し、本学の将来を見据えた大学改革に取り組んだ一年となりました。
感染症教育研究棟、医学部附属病院統合診療棟、豊中共創棟Bの竣工、そして東京オフィスの移転など、本学の研究基盤が大きく前進した年でもありました。
さらに、大学債のメイン事業である吹田アゴラ棟および豊中アゴラ棟の建築がスタートし、学内外の人と知が交わる新たな研究・共創の拠点が、いよいよ具体的な形を成し始めています。研究面においても、世界を先導し本学の看板ともいえる免疫研究を含む生命科学研究、量子コンピューティング、パワーレーザー、さらには大阪・関西万博で世界に発信された数々の珠玉の研究成果により、大阪大学が世界有数の研究大学であることを改めて示すことができました。また、本学学生による鳥人間コンテストでの初優勝、マチカネワニ化石の天然記念物指定、外科学の川島康成名誉教授、文化人類学・妖怪学の小松和彦元教授の文化勲章受章、そして免疫学の坂口志文特別栄誉教授のノーベル生理学・医学賞受賞など、大阪大学にとって誇らしく、今後への大きな自信と原動力となる快挙が相次ぎました。

このような流れの中で、今年は大阪大学が次の時代に向けて、本質的な変革と飛躍を必ず遂げる年にしなければなりません。大阪大学の最大の強みは、時代を超えても変わらない真理を追究する基礎研究の力と、社会が直面するさまざまな課題に正面から向き合う実践的な知を創出する力を、総合知として高い次元で併せ持っている点にあります。さらに、国立大学で唯一外国語学部を擁する総合大学として、地域に根差しながら世界と直接つながる力を備えていることも、本学の大きな特長です。Only oneの専門研究を深く究める力、すなわちとんがった研究力と、それらを総合大学として分野横断的に結集できる総合知が、機動的かつ柔軟に機能することこそが、本学ならではの強み・特長です。今後も世界トップレベルの研究の推進、そして時代を超えても変わらない真理の探究を、医歯薬生命、理工情報、人文社会科学など、領域を超えて推進していかなければなりません。

私の最大の使命は、こうした大阪大学ならではの強みを最大限に引き出し、研究力を大学運営の揺るぎない軸として、さらに研ぎ澄ましていくこと、そしてその研究を通じて、次代を切り拓く人材を育成することです。その実現のため、大阪大学の強みであるとんがった Only oneの研究領域を、次代に向けて意識的かつ確固たる戦略のもと、さらに加速させていかなければなりません。その中で、若手研究者を着実に育成し、将来の芽を見出すことを最優先課題として取り組んでまいります。

皆様もご承知のとおり、昨年の国際卓越研究大学の審査において、本学は残念ながら認定には至りませんでした。しかしながら、研究力強化と教育改革の旗印を決して降ろすことなく、社会から求められている改革の方向性はしっかりと明示・堅持しつつ、大阪大学の特色・強みとは何か、大阪大学をさらに強くするために本当に必要なものは何か、真に研究力を強める方策は何かを不断に問い続けてまいります。「大学の品格は学問のすそ野にある」というアカデミアの矜持のもと、分野や領域の垣根を越え、研究と教育の質を高める施策を着実に実行してまいります。

大学は、多様な夢と志を持つ人々が集い、互いに刺激を受けながら未来を切り拓く場です。大阪大学が、挑戦する研究者・学生が集い、思い切り尖り、成長し、世界へ羽ばたく大学であり続けるよう、教職員一丸となり、覚悟をもって取り組んでまいります。2026年が大阪大学のさらなる発展の礎となるとともに、皆様にとりましてもご健勝とご活躍の一年となりますことを祈念し、新年のご挨拶といたします。

2026年1月20日
大阪大学総長 熊ノ郷 淳

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