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令和7年度 適塾特別展示 シリーズ生誕200年記念~その肆 大村益次郎・伊藤慎蔵・箕作秋坪

令和7年度 適塾特別展示 シリーズ生誕200年記念~その肆 大村益次郎・伊藤慎蔵・箕作秋坪

対象
  • 地域・一般の方
日時
2025.5.27 Tue - 2025.6.8 Sun
場所

【会 期】2025年5月27日(火)~2025年6月8日(日)(6月2日(月)は休館)
【会 場】適塾(史跡・重要文化財) 大阪市中央区北浜3-3-8

【参観料】 一般 400円(20名以上の団体 300円)

      高校生・大学生 200円(同上 100円)

      中学生以下 無料(引率者が必要)

【開館時間】 午前10時~午後4時

 【主 催】 大阪大学適塾記念センター、適塾記念会

 【協 力】 大野市歴史博物館、山口市歴史民俗資料館

 チラシはこちら


<主要な展示とみどころ>

◆【大村益次郎の親切に触れた緒方洪庵の日記】
『勤仕向(ごんしむき)日記』

 緒方洪庵の最晩年の日記。奥医師として幕府に招かれ江戸に到着してから、死の3ヶ月前までの出来事が記されています。奥医師に加え西洋医学所頭取も兼帯した洪庵の激務の様子もうかがえます。江戸に到着した洪庵を益次郎らが出迎え、益次郎はその翌日も早朝から洪庵の世話をしたと書かれています。よほど嬉しかったのか、その親切を妻・八重に手紙で伝えました。

◆【箕作秋坪がオランダに伝えた緒方洪庵畢生の大著】

『扶氏経験遺訓』(三冊本)

 ドイツの医師・フーフェラント(C. W. Hufeland)が50年にわたる内科経験を記した『医学必携』(Enchiridion Medicum)のオランダ語訳を洪庵が20年を費やして和訳したもの。全30巻を刊行するまでの5年間、秋坪は始終その世話をしました。文久2年(1862)にオランダを訪問した秋坪は、三冊にまとめられた『扶氏経験遺訓』を、ライデン大学へ贈呈しました。その際、秋坪は日本の蘭学研究を紹介し、敬意を表しました。本書のように日本に残る三冊本は貴重です。

◆【洪庵の教えを適塾の友に伝える】 

『藤野升八郎宛伊藤慎蔵書状』

 慎蔵は適塾同門の越前国坂井郡下番村(現・あわら市)の在村医・藤野升八郎と親しい交友がありました。二人は、書物等贈答品のやりとり、近況報告に加え、身の上相談することもありました。ある時、洪庵から贈られた『扶氏経験遺訓』の返礼について、升八郎は慎蔵に意見を求めました。洪庵は「道の為」(医術、学術のため)にしていることなのだから、たいそうな礼は望んでいないと師の心の内を慮りました。門弟間の交流が洪庵の教えを再認識させる機会となっていたようです。

適塾と大阪大学

 1838年(天保8年)に緒方洪庵が開いた蘭学塾の適塾は、日本の近代化に貢献する人材を多数輩出しました。1942年(昭和17年)に国に寄付され、洪庵の子息や適塾関係者らによって明治初期に設立された大阪仮病院や大阪医学校を源流とする大阪帝国大学(当時)へ移管されました。以来、適塾の管理・保全に大阪大学が携わってきました。また、大阪大学および1952年(昭和27年)に設立された適塾記念会は、協同して緒方洪庵と適塾の事跡を調査・研究し、その歴史的重要性を社会に発信してまいりました。両者は、適塾の建物の保全につとめるとともに、緒方家や塾生の子孫の方々をはじめとする多くの方から洪庵や塾生ゆかりの資料の寄贈を受け、その適切な保存と管理にもつとめてきました。2011年(平成23年)、大阪大学に適塾記念センターが設立され、適塾記念会は同センター内に置かれることになりました。 大阪大学はこれらの活動を継承するとともに、さらなる進展を目指しています。

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