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第17回 適塾講座 病気を環境する
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2024.10.21 Mon - 2024.11.27 Wed | |
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人間が地球の生態系に与える影響は今や計り知れません。生物多様性の損失が要因とされる花粉症などのアレルギーから、コロナ禍や鳥インフルエンザのような動物由来感染症まで、人間が作ってきた環境が人間の病気をもたらしています。こうして人為起源の環境変化が人間の健康に及ぼす複雑な影響を理解するには、今までとは違う思考が求められます。本年度の適塾講座で迎える研究者たちは、社会と生態系をつなぎながら、病気と環境の切ってもきれない関係を探求します。
コーディネーター:モハーチゲルゲイ(大阪大学大学院人間科学研究科准教授)
【第1講座】10月21日(月)18:30~20:00
池田 光穂(大阪大学名誉教授)「子どもたちに『感染症と人類の歴史』を伝える」
いまからもう3年も前になりますが、『感染症と人類の歴史』(文:おおつかのりこ、絵:合田洋介)という三冊本(『移動と広がり』『治療と医療』『公衆衛生』)を文研出版(2021)が出版されました。ぼくは監修者として、この本の編集過程で原稿をチェックしたり、執筆者や編集者からの問い合わせに応じたり、情報を追加検索したりと、出版を見守ってきました。そしてまた同時に、まえがきやあとがきで、子どもたちにメッセージを発信してきました。みんなの努力もあって、これらの本は、幸い学校図書推薦書にも認定されました。感染症の対策は現場での対応のほかに、パニックや予防接種拒否をおこさないために大人たちへの教育も必要ですが、理性的行動ができ、患者である市民の権利を理解できる次世代の子ども育成も課題になるでしょう。ぼくが監修のプロセスで学んだ「子どもたちに感染症の歴史を伝える」ことの意味について考えます。
【第2講座】10月24日(木)18:30~20:00
祖父江 友孝(内閣府食品安全委員会委員)「食品から摂取されるカドミウムの健康影響評価」
カドミウムは、土壌中、水中及び大気中の自然界に広く分布し、環境由来のカドミウムは穀類、野菜類、海産物などの食品中に様々な濃度で蓄積します。特に、我が国では全国各地に鉱床や鉱山が多く存在していたことから、カドミウムばく露レベルは海外に比べて高い傾向にあります。内閣府食品安全委員会は、食品の安全性を確保するために科学的にリスク評価を行う機関です。今回の適塾講座では、2024年に改訂された健康影響評価書の内容を概説します。
【第3講座】11月27日(水)18:30~20:00
住村 欣範(大阪大学グローバルイニシアティブ機構教授)「人間と動物がつくりだす環境と健康」
人間と動物の関係は、人類が生まれて以来ずっと変わってきました。それは、人間が動物を捕食するという関係だけでなく、人間にとって、感染症をもたらす主要な「環境」でもありました。新型コロナウイルスのパンデミックで経験したように、動物由来感染症は、新興再興感染症の主要な部分として拡大しています。人間と動物の存在と活動が相互につくり出す「環境」と、それがもたらす健康への影響について、東南アジアや日本の事例から考えてみたいと思います。
~第17回適塾講座 お申し込みについて~
【定員】各講座50名(申込先着順)
【受講料】
(適塾記念会会員(新規入会者を含む)) 1,000円(各回)
(一般(非会員))1,600円(各回)
【修了証書】全3回受講された方には、修了証書を交付いたします。
【申込方法】
①下記申込URLからお申し込みください。
またはFAX、郵送、E-mailにて お申し込みください。
受講申込内容を確認した上で、折り返し受講決定の連絡をいたします。
(当日会場での申込不可)
②受講決定の連絡を受けた方は、指定の期間内に、講習料を下記の銀行口座へ、受講者ご本人のお名前でお振り込みください。
なお、振込手数料はご本人様負担とさせていただきますのでご了承ください。
【口座名】 三井住友銀行 豊中支店 普通預金 7485209
【口座名義】オオサカダイガクテキジュク 大阪大学適塾
適塾講座 申込URL https://forms.office.com/r/NhXZfVudrq
【Email】kinenkai[a]tekijuku.osaka-u.ac.jp ([a]を@に置き換えてご送信ください。)
WEB、FAXからお申し込みいただけない場合は下記チラシに添付されている申込書の必要事項を上記アドレスまで送信ください。