
- 要申込
- オンラインあり
シンポジウム 「記憶の継承を祈念するグローバル・ダイアログ」
対象 |
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日時 | 2023.10.28 Sat 13:00 - 16:30 |
場所 |
大阪大学人間科学研究科 |
申込方法 | 参加をご希望の方は、以下のURLまたはQRコードから申し込みをお願い致します。 |
申込期間 | 2023.8.28 Mon - 2023.10.27 Fri |
問合せ | 三好恵真子 |
「歴史とはどんなものなのか、誰も手でさわってみた人はない。薄い皮膜のようなものが何十億枚とかさなってゆく。その一枚々々は人間のいとなみであり、「事実」でもある。それがある層を形づくったとき、ひとつの時代、ひとつの歴史となってゆくのではないだろうか。その層の間には無数の忘れられた人生があり、事件がある。」澤地久枝『滄海(うみ)よ眠れ―ミッドウェー海戦の生と死』
終わりの見えないウクライナ侵攻とその後の混迷が続く昨今、常に戦いの犠牲となるのは、日常を生きる市井の人々であることを改めて思い知ることになりました。かつて太平洋戦争の分岐点となった、ミッドウェー海戦による戦死者の足跡を辿り直した作家の澤地久枝氏が残した上記の言葉は、見過ごされてきた戦争・戦後体験に目を向けてゆくべき必要性を、今まさに私たちにも語りかけてくれるかのように胸に迫ります。アジア・太平洋戦争の終結から78年が経つ現在、日常から戦争体験者がいなくなってゆく中で、いかに大戦を巡る体験や記憶を継承出来るのかについて、「ポスト体験時代」を生きる私たち一人ひとりに問われていることを意識する必要があるのではないでしょうか。
今年6月、次世代を担う学生たちを主体としながら戦争・戦後体験の意味を問い、未来への展望を描いていくために、オープンプロジェクト「記憶の継承を祈念するグローバル・ダイアログ」(記憶の継承ラボ)を私たちは立ち上げました。このラボでは、国境を越えた対話(グローバル・ダイアログ)と連帯への可能性を、生活の次元から模索してゆくことを目指しています。そしてこれまで長崎、沖縄、福島、水俣など各地を訪れる中で、その経験と記憶の継承、真の平和に向けて日々熱心に活動を続ける人々との出会いがあり、多大なる示唆や力を頂きました。
そこで本シンポジウムでは、「アジア地域史の視座から共振する戦争・戦後体験」を基調とする研究成果報告を現地での記録写真と併せながら応答を行うとともに、日々平和活動に尽力されている長崎城山小学校平和祈念館の実践家の方々をお招きし、その取り組みについての貴重なお話を頂きます。そして、参加者の皆様とともに、文化的背景の異なる人々も含めた他者と「共にある」という「生活者の思想的営為」を未来へと継承する真相を考えることができることを願っています。