平成27年1月29日(木)@大阪府立茨木高等学校【平野総長】

大阪大学は、2012年に大学・高校の教育の課題に関し、連携して必要な対応を行うことにより、教育および研究の充実、発展に資することを目的として、大阪大学と大阪府教育委員会との連携に関する協定を締結しました。

また同時に、大阪府教育委員会が指定する10校* の進学指導特色校(グローバル・リーダーズハイスクール(GLHS))と、大阪大学の教育および研究活動の理解を深め、かつ、GLHSにおける教育の充実発展に資することを目的とした覚書を交わしました。

大阪大学では、その連携協定事業の一環として、大阪大学の魅力と研究や学問のおもしろさを高校生に伝えるべく、総長、理事・副学長が大阪府下の進学指導特色校を訪問し、様々な講演や懇談会などを行っています。

今年度の第4弾として、茨木高校の1年生全員(319名)を対象とした平野総長による「医学といのち」の講演を茨木市福祉文化会館・オークシアターで行いました。

平野総長は講演で医学といのちについて、ブラックジャック等の分かりやすい例を交えながら、「今を如何に生きるか、この一瞬を大切にしてほしい」とメッセージを送りました。講演後行われた質疑応答では十数人が質問するなど、熱いメッセージに心動かされたようでした。総長は最後に「茨木高校のみなさん、大阪大学の入学式でまた会いましょう」と締めくくり、熱を帯びた雰囲気のまま終演を迎えました。


講演の様子

主な質疑応答

Q 先史時代と比べ寿命が大幅に伸びている。果たしてこのまま寿命を延ばし続ける事に意味はあるのか。

A 医学は病気を治す方向で進歩してきたが、これからは病気と上手く共生する事も大切ではないか。日本人の平均寿命は80歳程度だが、健康寿命は70歳、つまり10年間は不健康な状態で過ごす事を表している。生きている間のクォリティオブライフをいかに高めるかも医学の役割だろう。

Q 今自分には将来の夢がない。総長が医者を目指したきっかけを知りたい。

A 父が医者だったという影響が大きいが、私も高校生の時には絶対的な夢はなく、流れの中で生き方を決めてきた。みなさんも将来の事で不安になるとは思うが、今の高校生活を大切にし、一瞬に懸命に生きてほしい。そうすれば自ずと将来の道は拓けるだろう。

Q 目指している事を諦めそうになった時にはどうすれば良いか。

A その事に執着が出来ていると簡単には諦めなくなる。執着できる事がない場合は、今の目の前の事に集中してみるのも一手。それは皆さんの場合は勉強や部活になると思う。

Q 留学するのに大切なことは何か。

A 今の時代は飛行機やインターネットなどの発達により世界が狭くなり、多様性を実感しやすくなった。是非留学に行って、多様性をより身近に感じ、それを尊重できるような人になってほしい。

※ GLHS10校

大阪府立北野高等学校、大阪府立豊中高等学校、大阪府立茨木高等学校、大阪府立大手前高等学校、大阪府立四條畷高等学校、大阪府立高津高等学校、大阪府立天王寺高等学校、大阪府立生野高等学校、大阪府立三国丘高等学校、大阪府立岸和田高等学校、の10校

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