平成26年11月13日(木)@大阪府立高津高等学校【大竹 文雄 理事・副学長】
「大学の授業料が7500万円だったら、大学に行きますか?行きませんか?」―こう問いかけられた生徒たちの多くが、「行かない」と答えた。
では、ここで言う“7500万円”という金額は何か。この7500万円こそが、大卒の生涯年収と高卒の生涯年収の差だ。
大学に行くか、行かないかという決定は、将来、大学を卒業した後の人生と、高校を卒業してすぐに働き始めた人生を想像し、比較した上で選択しないといけない。統計データをもとに大学進学の金銭的価値を考えてみると、授業料の総額が7500万円でも進学した方が得になるという。目先の損得だけで判断せず、将来のことを考えて、今の選択をすることが大事だ。しかし、7500万円の授業料を大学が設定しても入学者は集まらない。どうして、生涯所得の差だけは、実際の人々の進学決定が説明できないのだろうか。
11月13日、大竹文雄理事・副学長が大阪府立高津高等学校を訪れ、2年生360人を前に講演した時の話だ。大学進学やテスト勉強など、普段の学校生活で欠かせない身近な出来事をベースにした行動経済学のメカニズムの説明に、生徒たちは熱心に聞き入っていた。
講演は生徒が参加する形式で行われ、理事・副学長が会場内を歩き回り、クイズを交え、生徒たちと一問一答を繰り広げながら進められた。最初は緊張していた生徒たちも、他の生徒の回答や妙案に、どっと笑いが起こったりするなど和気あいあいとした雰囲気で終わった。生徒たちの真剣に考える姿、友人同士で相談する姿、理事・副学長と言葉のキャッチボールはする姿は、さながら大学の講義を思わせた。
1時間20分という限られた時間の中での講演のため、用意してきたスライドを全部は話し切れず、仕方なく飛ばす場面もあった。しかし、生徒たちはその飛ばされたスライドの内容が気になる様子で、講演後の質疑応答の時間にも、内容を教えてほしいと問いかけていた。
「この続きは、大阪大学で」。
未来の“阪大生”たちと、学問・研究を楽しむ日を心待ちにする大竹理事・副学長とともに、我々は高津高校を後にした。
現在、大阪大学では大阪府教育委員会との連携締結事業の一環として、研究や学問のおもしろさを高校生に伝えるべく、総長や理事・副学長が大阪府下の進学指定特色校(GLHS)を訪問し、“出張授業”をする活動を行っている。
高校での授業とは違った、大阪大学での“学び”の一端に触れていただけるよう、今後も教職員一同、全力でサポートしたい。