文学部の教育目標および各ポリシー

教育目標


文学部は、大阪大学の教育目標のもと、また自由と独創を重んじ広く社会に開かれた学問所であった「懐徳堂」の精神を受け継いで、以下のような人文学の特質と現代社会の要請を重視して人材育成を行います。人文学は、日本および諸外国の精神文化と物質文化の両面にわたる人間の営為を、①過去から現在にいたる時間的変化のなかで広く関連づけてとらえる、②本質や原理にまでさかのぼって考え抜く、③対象に深く分け入り内在的に理解する、という特質を持っています。また現代社会は大きく変貌しつつあり、現代社会の諸問題に対応した分野横断的で総合的なアプローチの必要性が高まっています。文学部は、これらに鑑みて、思想、言語、歴史、文学、芸術にまたがる「総合的な人文学教育」を推進し、以下のような教育を目標とします。

○ 高度な専門性と深い学識

  • 人文学に関する高度な専門性と深い学識を体系的に養います。

○ 教養

  • 学問全般にわたる幅広い教養と現代にふさわしい情報リテラシーを培います。

○ 国際性

  • 他者や異文化に対する鋭敏な感受性と深い理解力を涵養します。
  • 豊かな日本語能力と、国際共通語である英語、そして専門分野に関わる諸外国語の運用能力を養います。

○ デザイン力

  • 自己を深め、世界を探求し、現代社会の諸課題を発見・解決する能力を養います。

○ 独自の教育目標

  • 以上の知識や能力を生かして、リーダーシップをもって国際的に活躍できる人材を育成します。

学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)


文学部は、大阪大学のディプロマ・ポリシーのもと、以下の能力や学識の修得を学士(文学)授与の要件とします。

○高度な専門性と深い学識

  • 専門的知識と、調査・研究のための方法・技能を系統立てて身につけている。
  • 調査・研究の成果と自分の知見を、日本語および外国語で明晰に論述する能力を身につけている。

○教養

  • 学問全般にわたる幅広い教養を身につけている。
  • 多くの事象にわたる総合的な人文学的教養を身につけている。

○国際性

  • 他者や異文化に対する鋭敏な感受性と深い理解力を身につけている。
  • 豊かな日本語能力と、2つ以上の外国語の運用能力を身につけている。

○デザイン力

  • 人間の精神的・文化的営みを深く内在的に把握するとともに、社会と文化の変遷を巨視的な観点に立って意味づけ理解できる。
  • 上記の能力をもとに、社会・学問における新たな課題を発見し、解決の道筋を構想できる。

○独自の学習目標

  • 高度な専門性と深い学識、教養、国際性、デザイン力に基づいて、独自性を備えた卒業論文を作成できる。

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)


文学部は、大阪大学のカリキュラム・ポリシーのもと、以下の方針でカリキュラムを編成します。

【教育課程編成の考え方】

4年間の学士課程を通じて、専門教育、教養教育、国際性涵養教育の3つの柱に基づいた科目編成を行い、人文学の高度な専門性と深い学識、幅広い教養、外国語の高い運用能力と異文化理解の能力に基づいた国際性、社会と文化を巨視的な観点から見通し現代社会の諸課題に取り組むデザイン力を養います。

○ 専門教育 :1年次配当の必修科目「文学部共通概説」により、人文学全般の基礎とアカデミックスキルの基礎を修得させ、2年次の専修分属以降は、「専門教育科目」により、当該分野の学問的特性にしたがって、専門的知識を系統的に養います。また、4年次には卒業論文を課すことで、教員の指導の下で自主的に主題を設定し、研究計画を構想・実行し、人文学的教養と専門的知識を総合する豊かな論述・表現能力を身につけるように導きます。

○ 教養教育 :1年次に全学共通教育科目により幅広い学問分野の基礎と情報リテラシーの基礎を学ばせたあと、2年次以降には「高度教養教育科目」により人文学以外の学問分野や領域横断的な分野に関する高度な教養を養います。

○ 国際性涵養教育 :1・2年次には、「国際性涵養教育科目」により2つ以上の外国語の運用能力を修得・向上させ、2年次以降には、「外国語科目」と「高度国際性涵養教育科目」により異文化や他者に対する感受性と知識を培います。また、海外の諸大学との交流協定等に則った留学、海外研修、国際交流への参加を促すことで、上記の能力や知識をさらに高めます。

【学修内容及び学修方法】

講義科目では、個々の主題に関する体系的な知識を習得するとともに、与えられる論述課題を通じて、自力で資料を収集・分析・考察し、その結果を的確かつ論理的に構成・表現する能力を身につけます。また、演習科目では、各人が口頭発表を行うことで、日本語ならびに外国語の文献資料の読解・分析能力、調査・研究を的確に遂行する能力、その結果を論理的かつ説得的に発信する能力を身につけます。なお、本学部では演習科目を重視し、2年次以降に演習科目を20単位以上修得することを卒業要件としています。

○ 専門教育: 全20専修の教員によるオムニバス形式の「文学部共通概説」の履修を通じて人文学全般に関する幅広い知識を得るとともに、専修決定の重要な判断材料とします。また、講義科目と演習科目からなる「専門教育科目」から選択履修します。専門分野によっては学外での実習やフィールドワークを取り入れた実習科目も開講しています。さらに、卒業論文作成を通じて、独自の課題について主体的に考究・発信する能力を身につけます。

○ 教養教育 :1年次には、少人数制の演習科目「学問の扉」、講義科目「基盤教養教育科目」、講義とeラーニングからなる「情報教育科目」等を履修します。また、2年次秋以降には、文学部および他学部等で開講する講義科目または演習科目である「高度教養教育科目」を選択履修します。

○ 国際性涵養教育 :1・2年次配当の「国際性涵養教育科目」および2年次以降配当の「外国語科目」を履修します。これらは外国語学習に主眼を置いた少人数制の科目であり、受講生の積極的な参加が求められます。英語の授業ではeラーニングも実施します。また、2年次秋学期以降には主として講義科目からなる「高度国際性涵養教育科目」を選択履修します。

【学修成果の評価方法】

 講義科目、演習・実習科目においては、シラバス等に記載されている学習目標の達成度に従い、成績評価の方法(試験や課題、レポートなど)を用いて評価します。
卒業論文においては、主題選択の妥当性、論述の明晰さ、資料・文献調査の適切性、主張の独自性などを総合的に判断し、評価します。

【学位プログラム版】教育目標および各ポリシー


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