法学研究科の教育目標および各ポリシー

教育目標


 大阪大学の教育目標のもと、法学研究科は、高度の研究能力、精深な学識、実践的な専門知を涵養し、法的ルールや歴史的に形成された社会構造についての深い造詣に基づき、科学技術に象徴される新しいテクノロジーに支えられた現代における法や政治に関する考察を加え、日本や世界の社会が今後有するべき諸秩序の構想に貢献できる人材を育成することを目標としています。

 法学研究科の教育は、修了者に、修士の学位を授与する博士前期課程と博士(法学)の学位を授与する博士後期課程により人材育成を行っております。

 まず、法や政治にかかわる様々な課題に対して的確な問題設定を行い、適切な分析・対処方法を選び、それを確実に適用していくことのできる能力を養い得る人材を、幅広く受け入れます。そして、そのような学生の素質をそれぞれ最大限にのばすため、博士前期課程を総合法政プログラム・研究者養成プログラム・知的財産法プログラムの 3 プログラムから構成し、高度専門職業人、教養・国際性・デザイン力を備えた研究者、知的財産法の専門家などの養成に取り組みます。また、博士後期課程において、学生が、専門的な研究活動を自立的に遂行できる高度な研究能力と、その基礎となる学識を修得することによって、大学教員などの研究者や高度専門職業人として活躍できる人材を、今後とも数多く社会に送りだすことを目指しています。

○最先端かつ高度な専門性と深い学識

 法や政治にかかわる賢慮に基づく社会科学の高度な専門知識と、それを活用した適切な実践的判断力を身につけた人材の育成を図ります。

○高度な教養

 幅広い知識と視野、複眼的・俯瞰的・客観的思考能力を身につけた人材の育成を図ります。

○高度な国際性

 異なる言語、社会、文化等の差異を尊重しつつ、積極的に関係形成をはかる能力を身につけた人材の育成を図ります。

○高度なデザイン力

 法学、政治学及び経済学の学識を通じて課題を発見し、その解決のための制度・政策を構想し、問題発見・解決のために、様々な分野の人と協働できる能力を身につけた人材の育成を図ります。

 こうした教育活動を通して、法学・政治学にかかわる賢慮を陶冶し、あわせて教養、国際性、デザイン力を備えた人材を育成します。卒業生は、高度専門職業人、研究者、知的財産法の専門家などとして社会の様々な分野で活躍することが期待されます。

学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)


 大阪大学のディプロマ・ポリシーのもと、法学研究科では、博士前期課程及び博士後期課程において、教育目標に定める人材を育成し、学位を授与します。

 博士前期課程を修了するためには、法学・政治学における研究能力、及び高度の専門性が求められる職業を担うための能力を有し、専攻分野の発展に貢献する研究内容を含む修士論文を作成することが必要です。すなわち、各プログラムそれぞれ所定の必修科目・選択必修科目等を含む科目履修によって所定の単位を修得し、かつ修士論文の審査及び最終試験に合格した学生に、修士(法学)の学位を授与します。

 博士後期課程では、法学・政治学の分野において、論理的整合性を保ちつつ、高いオリジナリティを有し、未知の事象・事物の発見、新しい理論や政策的・実践的提言の構築・展開、新しい学問的概念の提出、歴史的事実の再評価など、学問的理論やその応用に関する重要な貢献をなすもの、すなわち十分な学術的価値を有する博士論文を作成して提出し、博士論文の学術内容を含む分野に関する十分な全般的知識を有し、独立した研究者として研究を遂行できる学力を有すると認められる学生に博士(法学)の学位を授与します。具体的には、学生は、研究指導を受け、所定の科目履修によって所定の単位を修得し、かつ博士論文の審査及び最終試験に合格することが必要です。

○最先端かつ高度な専門性と深い学識

  • 法学、政治学の最先端の高度な専門知識・学識を身につけている。
  • 課題解決のために法学、政治学など専門分野における専門知識・学識を実践的に活用できる。

○高度な教養

  • 専門知識を生かす幅広い知識を修得している。
  • 物事を多角的、総合的に思考し、客観的に評価できる。

○高度な国際性

  • 異なる言語・社会・文化のあり方を理解できる。
  • 言語・社会・文化の差異を尊重したコミュニケーションができる。

○高度なデザイン力

  • より広い視野から、法学、政治学などの高度な専門知識・学識をもって、社会における課題を発見し、解決のための制度・政策などの道筋を構想できる。

 以上の方針に基づいて育成するのは、社会の様々な価値観の違いを理解し、その調整を行いつつ、深い専門知識に基づいて熟慮しながら、法、政治の仕組みを通じて、社会の秩序を構想していくことができる知識と思考力を備えた人材です。

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)


 大阪大学のカリキュラム・ポリシーのもと、法学研究科の博士前期課程では、総合法政プログラム・研究者養成プログラム・知的財産法プログラムの3プログラムを設け、教養・国際性・デザイン力を備えた研究者、高度専門職業人、及び知的財産法の専門家などの養成を図っています。いずれのプログラムにおいても、各学生には担任教員を充て、科目履修や学習計画等について学修をサポートしコーディネートする体制を整えています。平常点評価、筆記試験又は論文試験などの方法で学修成果を厳格に評価し、科目の特質に応じた単位認定を行います。

 総合法政プログラムでは、法と政治をめぐるさまざまな問題について、実際的な問題を念頭におきつつ、多様な開講科目の履修や個別の指導を通じて幅広く学ぶことができます。研究者養成プログラムでは、国際的な比較を重視しつつ、理論的・体系的に法学・政治学についての理解を深め、将来専門研究者となるための基礎を身につけることができます。 知的財産法プログラムは、知的財産法について、基本的な知識・理解の上に、高度な応用力を身につけ、知的財産の分野で活躍できる人材を養成することを目標としています。

 法学研究科の博士後期課程では、教養・国際性・デザイン力を備えた上で、専門的な研究活動を自立的に遂行できる高度な研究能力と、その基礎となる学識を修得させることによって、大学教員などの研究者や高度専門職業人として活躍できる人材を輩出することを目指しています。各学生に指導教員を充て、博士論文作成に向け、研究をサポートしコーディネートする体制を整えています。

【教育課程編成の考え方】

  • 法学、政治学などの最先端の高度な専門知識・学識を修得するために、法学・政治学の専門教育科目の必修科目、選択必修科目、選択科目から所定の単位を履修します。
  • 物事を多角的・総合的に思考し、専門知識を生かす幅広い知識を修得するために、教養科目として、高度教養教育科目を履修します。
  • 異なる言語・社会・文化のあり方を理解できる能力を修得するために、国際性涵養教育科目を履修します。
  • デザイン力を身につけるために、博士前期課程では修士論文の作成、博士後期課程では博士(法学)論文の作成に取り組みます。

【学修内容及び学修方法】

  • 高度な専門知識・学識を修得するために、講義形式及び演習形式の科目を履修します。
  • デザイン力を身につけるために、博士前期課程では担任教員から研究指導を受けて修士論文を、博士後期課程では指導教員から研究指導を受けて博士論文を作成します。

【学修成果の評価方法】

  • 学修成果の評価は、授業形式によって異なる方法で行います。評価の基準は、シラバスに記載された学習目標をどの程度達成できているのかという観点から定めます。
  • 講義形式の科目については、試験により学修成果を厳格に評価します。
  • 演習形式の科目については、科目の性質に応じて、レポート試験に平常点などを組み合わせて評価し、その方法は開講に際してシラバス等により明示します。
  • 博士前期課程では修士論文の論文審査及び口述試験、博士後期課程では博士論文(法学)の論文審査と口述試験で評価を行います。

 以上の方針の下に、法学・政治学に関する知識・技能、教養、国際性、デザイン力を身につけ、課題を発見しその解決策を構想していくことができる思考力・判断力を備えた人材を育成するためのカリキュラムを構成します。

【学位プログラム版】教育目標および各ポリシー

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