人間科学研究科の教育目標および各ポリシー

博士前期課程

教育目標


大阪大学の教育目標のもと、人間科学研究科は1978年に博士前期課程及び博士後期課程の大学院として発足して以来、人間と社会の現実を、行動学・社会学・人間学・教育学・共生学などのさまざまな学問分野の専門的知識(専門知)や、それらの研究方法を融合させて総合的にとらえる統合知を育成しながら、日本及び国際社会に貢献する能力を養うことを目的としています。その目的の実現のために、「学際性」、「実践性」、「国際性」の3つの理念を掲げ、高度な専門性に基づいて、各理念に沿った能力を備えた人材の育成を目指します。

○最先端かつ高度な専門性と深い学識

行動学系、社会学・人間学系、教育学系、共生学系のいずれかの学系に所属して、それぞれの学系での最先端の知識を学ぶことを通じて高度な専門知を修得すると同時に、学系横断的な考え方や着想力を養いながら、それぞれの専門分野の方法と成果を他の分野の知識と統合させた統合知の習得を目指します。

○高度な教養

専門分野の知識や研究手法を学びつつ、4学系横断の共通必修科目や他学系の科目を履修することで、学際的視点から人間科学を実践するための高度な教養の育成を目指します。

○高度な国際性

社会のグローバル化の趨勢から、国際的な考え方を持つ多様な人々とコミュニケーションできる能力やそれを裏付ける外国語能力の育成に取り組みます。

○高度なデザイン力

実験・調査・フィールドワークの活動を通じて専門知の技法を洗練化・高度化しつつ、社会や現場でのさまざまな研究課題における問題発見・解決力を育むための実践的な教育・研究に取り組みます。

○独自の教育目標

行動学・社会学・教育学・共生学などの多様な専門分野での実践の学びから専門知を育みつつ、それらを学際的な視野からまとめる統合知の習得も目指します。また、専門知や統合知を学内外や社会の現場との相互作用から生み出される共創知へとつなげるための実践力を養います。

博士前期課程では、高度な専門性を持ちながら、人間科学における幅広い学際的視野からさまざまな課題に取り組める職業人の養成や、博士後期課程に進学し研究者となるための基礎の習得を目指します。

学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)


大阪大学のディプロマ・ポリシーのもと、人間科学研究科では、日本及び国際社会に貢献する能力を養うため、学際性・実践性・国際性という3つの理念に即した、以下にあげるような能力を修得した学生に修士(人間科学) を授与します。

○最先端かつ高度な専門性と深い学識

  • 行動学系、社会学・人間学系、教育学系、共生学系のうち、所属する学系の専門分野における高度な知識を体系的に理解している。
  • 自ら設定した研究課題についての専門的知識、及びそれを人間科学的手法により分析・考察できる研究スキルを修得している。

○高度な教養

  • 現代社会やそこに生きる人間におけるさまざまな課題に学際的視点から応えるために必要となる高度で、かつ、幅広い教養を持っている。

○高度な国際性

  • 日本及び国際社会に貢献するための学際的で幅広い知識や外国語力を十分に身につけている。
  • 自身の研究で得た知見を日本及び世界に発信するためのプレゼンテーション能力やコミュニケーション能力を持っている。

○高度なデザイン力

  • 自らの研究課題を発見しながら、実験・調査・フィールドワークにおいて専門分野や関連分野のさまざまな専門的知識や研究手法を融合させつつ、その課題に取り組める研究展開力を持っている。
  • さまざまな専門的知識を持つ他者とコミュニケーションを取りながら、研究や課題解決を展開できる。

人間科学研究科の博士前期課程では、これらの能力を有し、さらに適切な研究指導を受けながら修士論文を完成させた学生に、高度な専門的知識や教養を備えつつ、学際的視点からさまざまな社会や現場で活躍できる人材として学位を認定します。

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)


大阪大学のカリキュラム・ポリシーのもと、人間科学研究科は、現代という未曾有の転換期に生きる、人間と人間が営む社会がかかえる諸問題を解決するために、グローバルな視点とローカルな知を融合する研究と実践をおこなうカリキュラム構成になっています。

【教育課程編成の考え方】

「人間科学専攻」の下に設置された4つの学系(行動学系、社会学・人間学系、教育学系、共生学系)における高度な専門的知識の獲得を促す科目を履修するとともに、学系横断的な知の獲得が可能となるように共通科目群の履修を求めます。科学的・実験実証的・統計学的なアプローチの科目、人文科学・文献研究・質的研究を重視する科目、フィールドワーク科目、そして国際コミュニケーション能力を育成する科目を提供することで、学際的・実践的・国際的な学びを可能にするカリキュラムとしています。

【学修内容及び学修方法】

博士前期課程では以下に示す多様な講義・演習を履修しつつ、適切な研究指導を受けながら修士論文を完成させます。

学際的な考え方や人間科学的な視座を学ぶために、博士前期課程では、必修の基礎科目として分野横断型科目を履修します。高度な専門的知識を習得するために、学系の下に設置された8つの大講座(人間行動学、行動生態学、社会環境学、基礎人間科学、臨床教育学、教育環境学、未来共生学、グローバル共生学)における多彩な講義科目・演習科目を系統的に履修します。各学系の全ての講義・演習は、大学院学生の所属学系・講座を問わず分野横断的に履修できます。さらに、高度なデザイン力や研究遂行力を学ぶために、少人数によるアクティブラーニングや文献購読などの演習科目、教員からの対面指導等による特定研究科目によって課題発見やその解決に向けた専門性の高い理論や研究手法・研究スキル等を実践的に習得します。

大学院学生にふさわしい高度な教養や幅広い学問領域の素養を涵養するために、所属講座以外の専門科目を履修します。また、高度な教養を養うために、高度副プログラムの科目や、異なる考え方や文化を持つ他者との協働性の涵養を目指して未来共生リーディング大学院プログラムが開発してきた科目の一部を共通科目として履修することができます。さらに、他研究科が提供する高度教養教育科目の履修ができます。

高度な国際性の基盤となる外国語力を涵養するために、英語の言語科目や英語で行われる人間科学英語コースの大学院学生向け科目を提供します。また、論理的文章作成力や外国語での論文執筆力を習得するために英語での論文作成・研究発表の演習科目も履修できます。国際性をより高めるために外国語で行われる共通科目の履修を通じて、外国語によるコミュニケーション力を養います。

【学修成果の評価方法】

学修の成果は、講義や演習の科目では、それぞれの科目のシラバスに記載されている学習目標の達成度について、成績評価の方法(試験や課題へのレポート等)を用いて評価します。実習・フィールドワーク科目では、それぞれの科目での学習目標に関するレポートや研究発表等への成績を基にして評価します。

博士後期課程

教育目標


大阪大学の教育目標のもと、人間科学研究科は1978年に博士前期課程及び博士後期課程の大学院として発足して以来、人間と社会の現実を、行動学・社会学・人間学・教育学・共生学などのさまざまな学問分野の専門的知識(専門知)や、それらの研究方法を融合させて総合的にとらえる統合知を育成しながら、日本及び国際社会に貢献する能力を養うことを目的としています。その目的の実現のために、「学際性」、「実践性」、「国際性」の3つの理念を掲げ、高度な専門性に基づいて、各理念に沿った能力を備えた人材の育成を目指します。

○最先端かつ高度な専門性と深い学識

行動学系、社会学・人間学系、教育学系、共生学系のいずれかの学系に所属して、それぞれの学系での最先端の知識の習得による高度な専門知を形成しつつ、専門分野の高度な知識・学識を他の分野の知識と分野横断的に統合させた統合知の習得を目指します。

○高度な教養

文系・理系という従来の専門分野の枠を超えて、人間科学の諸分野の知識や研究手法を学際的に統合するための思考力や展開力を支える高度な教養の育成を目指します。

○高度な国際性

社会のグローバル化の趨勢から、国際的な考え方を持つ多様な人々とリーダーシップを取りながらコミュニケーションできる高度な能力の育成に取り組みます。

○高度なデザイン力

実験・調査・フィールドワークの実践的活動を通じて専門知の技法を洗練化・高度化しつつ、学術や社会、現場でのさまざまな研究課題における問題発見力やその解決のための構想力の育成を目指します。また、社会や現場でリーダーシップを発揮して、さまざまな人々と協働しながら課題に取り組む展開力やその実践から生まれる共創知を養います。

博士後期課程においては、複雑化し激動するグローバル社会の中でも、高度な専門知を備え、かつ、統合知や共創知からさまざまな課題に取り組める専門家及び将来研究者を目指す人材を養成します。

学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)


大阪大学のディプロマ・ポリシーのもと、人間科学研究科では、日本及び国際社会に貢献する能力を養うため、学際性・実践性・国際性という3つの理念に即した、以下にあげるような能力を修得した学生に博士(人間科学) を授与します。

○最先端かつ高度な専門性と深い学識

  • 所属する学系の専門分野における高度な知識を体系的に理解し、活用できる。
  • 自ら設定した課題についての専門的知識、及びそれを人間科学的手法により分析・考察できる研究スキルを修得し、高度な研究ができる。

○高度な教養

  • 現代社会やそこに生きる人間におけるさまざまな課題に学際的視点から応えるために必要となる高度で、かつ、幅広い教養を持っている。

○高度な国際性

  • 日本及び国際社会に貢献するための学際的で幅広い知識や外国語での表現力を十分に身につけている。
  • 自身の研究で得た知見を日本及び世界に発信するためのプレゼンテーション能力、コミュニケーション能力を持っている。

○高度なデザイン力

  • 自ら発見・設定した課題を実験・調査・フィールドワークなどを通じて研究・分析するために必要となる高度で、実践的な研究力を持ち、学術的な成果としてもまとめ上げる表現力を持っている。
  • さまざまな専門的知識を持つ他者とコミュニケーションを取りながら、研究や課題解決を高度に展開できる。

人間科学研究科の博士後期課程では、これらの能力を有し、かつ適切な研究指導に基づいて博士学位論文を完成させた学生に、高度な専門的知識に加えて、学際的かつ柔軟な視点を持ちつつ、国際的にも活躍可能な専門研究者として学位を認定します。

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)


大阪大学のカリキュラム・ポリシーのもと、人間科学研究科は、現代という未曾有の転換期に生きる人間と人間が営む社会がかかえる諸問題に科学的にアプローチするために、グローバルな視点とローカルな知を融合するための研究と実践をおこなうカリキュラム構成になっています。

【教育課程編成の考え方】

学際的・国際的な研究力や課題解決のための実践力を育成するために、「人間科学専攻」の下に設置された4つの学系(行動学系、社会学・人間学系、教育学系、共生学系)が提供する特別演習・特別研究の履修を通じて、科学的・実験実証的・統計学的なアプローチ、人文科学・文献研究・質的研究・フィールドワークの視座や考え方、そして国際コミュニケーションや国際比較の手法を学修します。そして、適切な研究指導を受けながら、博士学位論文を完成させます。

【学修内容及び学修方法】

博士後期課程では博士学位論文の完成を目指して個々の研究課題に取り組むとともに、高度な専門的知識を活用した研究活動を促進するために、そして、研究における高度なデザイン力や研究遂行力を身に付けるために、教員からの個別指導等による特別研究を履修し、研究スキルや研究手法、専攻する学問分野独自の理論や思考法などを身に付け、発展させます。

課題発見やその解決のための研究力や実践力を育成するために、少人数による特別演習科目では、アクティブラーニングや演習形式によって専門性の高い知識・理論や研究手法を学びます。高度な外国語能力や国際的視野を習得するために、特別演習では外国語で書かれた文献の購読・輪読や文献紹介にも取り組みます。また、文献輪読や研究発表を通じて、高度なコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力を涵養します。

大学院学生にふさわしい高度な教養や幅広い学問領域の素養を涵養するために、高度副プログラムの科目や未来共生リーディング大学院プログラムが開発してきた科目などの共通科目を受けることができます。また、他研究科が提供する高度教養教育科目の履修によって高度な教養を習得することができます。

【学修成果の評価方法】

学修の成果は、特別演習において、シラバスに記載されている学習目標の達成度について、課題・実習・フィールドワークへのレポートの成績を基にして評価します。特別研究は、博士学位論文の完成のための研究指導であるため、論文作成上での諸活動での成果を基に評価します。

【学位プログラム版】教育目標および各ポリシー

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