ラグビー部
▲ 入れ替え戦で大阪経済大を破り、喜びを分かち合う
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ワールドカップでの日本の躍進でラグビー人気が高まるなか、「関西大学ラグビー」Cリーグで活動していた大阪大学ラグビー部が2023年12月、3年越しの宿敵を破り7年ぶりにBリーグへ復活することになりました。昨年は負けが混んで成績が低迷するも、リーグ戦の最終盤にチームが作戦でもプレイでも一丸となって、快挙につなげました。B・Cリーグ入替戦では、「阪大の伝統は泥臭いモールプレイ。ハイパントキックで攻めて相手の反則を誘い、最後はモールトライにつなげられた」と胸を張る4回生たちは、3月にスタートする新チームにバトンをつなぎます。
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低迷の末、宿敵を3年目に倒して悲願達成
18年からCリーグに降格していた阪大は21年、22年とCリーグ全勝で1位となりましたが、Bリーグとの入替戦で両年とも、大阪経済大に苦杯をなめさせられました。21年は同点としたものの大会規則により負けに、22年は主要メンバーの怪我などをひきずり、悔しい思いを味わったのです。 23年は再起を期すどころか、春の練習試合で勝利を収められず、東京工業大との定期戦には勝ったものの、名古屋大学との定期「阪名戦」で敗れました。夏の菅平合宿でも1勝3敗。そして目標のリーグ戦では3勝1敗として順位決定戦に臨むも、大阪公立大とは同点の末に、くじ引きで負けました。3位決定戦でも例年勝っていた大阪学院大学に負けてしまい、Cリーグ4位に終わりました。Bリーグとの入替戦では、Bの12位とCの1位、Bの11位とCの2位といった組み合わせで試合を行うため、4位阪大と戦う相手はBの9位で、しかもここ2年負けている大阪経済大でした。「ここまできたら勝つしかない」と皆気合いが入り、試合直前の2週間は上級生・下級生関係なくゲームプランやサインなど意見を言い合いました。そして12月10日、全員でプレイを作り上げていった結果、29-22で勝利を収め、悲願のBリーグ昇格を決めました。シーズンを通して負けの方が多く、うまくいかない状況にさらされながら改善を試み、過去2年間同じ相手に負けていた悔しさも重なって、「絶対勝つ」という強い意志をもって試合に臨めたことが、勝利につながったようです。
▲泥臭いモール攻撃が阪大の伝統だ=入替戦で
▲ハイパントキックからモールにつなげる=入替戦で
15人がつないでトライを取った時の高揚感
主将としてチームを引っ張った2番フッカー、岡本卓也さん=工学部電子情報工学科4回生=は、名古屋市出身。実家近くにラグビー場があったため興味を持ち、親に反対されながらも小学2年生から始めました。ラグビーの魅力として2点、❶蹴る、当たる、走る、取る、投げるといった多くの動作を行うことから、誰にでもその動作に合うポジションがあるという懐の広さ ❷15人vs15人で行うコンタクトスポーツなので統率を取るのは難しいものの、それを成し遂げて勝った時の心の躍動――を挙げます。そして「15人がボールをつないでつないでトライを取った瞬間の高揚感は、何物にも代えがたいです」と目を細めます。
「一生涯の友人ができるよ」と魅惑の言葉
ラグビー部は体育会に所属し、 1931年創部の古豪。大阪外国語大との合併後も外国語学部ラグビー部とは別々に活動していましたが、箕面キャンパスの市街地移転を機に2021年、合流して戦力を強化し合いました。
かつては部員が50人くらいいて、A・Bチームに分かれて練習していたこともありましたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって入部者が減少。岡本主将の学年が9人、その下は6人、二つ下は3人という危機的状況でしたが、感染収束により上向きになり、23年は9人の新入部員を迎え、選手35人、マネージャー5人で活動しました。
経験者がほとんどで、高校時代に「花園」を経験した人も珍しくありません。一方、初心者もいて、ラグビーの基本を一からきちんと教えます。新入部員勧誘では「一生涯の友人ができるよ」といった言葉が心をくすぐり、さらにOBの就職実績がひきつけるようです。
輝かしい戦績も残していて、近畿地区国立大学体育大会が新型コロナウイルス感染症の影響で中断する直前の19年、優勝を果たしています。
OBと交流、竹村部長に感謝、ホームページ充実
練習は週5回(吹田3回、豊中2回)で月・木曜は休みですが、土日の午前中にはみっちり汗をかきます。合宿はラグビー合宿の聖地・菅平高原で5~6日間行います。1日目は移動とウォーミングアップで、2日目からは試合も交えます。基本として午前に試合、午後はミーティングと反省点を活かした練習です。合間、ラグビーグッズやプロテインを販売する店での買い物が息抜きになります。
▲菅平合宿で全員集合=23年8月
▲厳しい合宿練習で「疲れたあ」=23年8月
年に一度、6月ごろにOB戦を開催。例年30人くらいの先輩たちの胸を借り、「大阪外国語大学および外国語学部卒業生」との三つ巴戦を組みます。このほか、別途開かれるOB総会にも一部現役が参加し、その後の懇親会ではお酒や料理を交えて交流させてもらいます。
部長を務めるのは、竹村景子・外国語学部長で、多忙な業務の合間をぬって、リーグ戦や合宿の試合にまで応援に来てくださいます。岡本さんが「部のことをとても思ってくださり、現役の意向をOB会に通してくださるなど、さまざまなサポートをしていただき、本当に頭が上がりません」と語るように、選手たちは感謝の心を忘れません。
ホームページも充実していて、詳細な試合結果や今後のスケジュール、さまざまなニュースなどをきれいに整理しています。OBがデザインしてくれたもので、各学年に一人ずつ担当者を置いて運用・管理しています。
▲チームを引っ張った岡本主将(中央)=入替戦で
身体を強化し、「意思統一したチームに」
岡本さんから「Bリーグのチームを相手に、果敢にチャレンジャーとして攻めてほしい」として、主将を引き継ぐ中島駿介さん=工学部応用理工学科3回生=は、昨年を「チーム始動時からフィットネスを中心にハードな練習に取り組み、スキルは大幅に向上しましたが、戦術面ですべきことがあまり明確になっていなかった」と振り返ります。そして、3月に始動する新チームの目標を「Bリーグ3勝」に置きながら「一人一人が『走れる、当たれる』フィジカル面を強化します。格上と闘うにあたり、意思統一することが重要なので、全員の考えがしっかりとまとまっているチームを作りたいです」と抱負を語ります。
先輩たちが押し上げてくれたチームを、さらに飛躍させてくれることでしょう。