軽音楽部
▲ビッグバンドによる合奏練習。この日は「ハロウィン」だったので、被り物を楽しんだ=大学会館・懐徳堂ステージで
1~2年生が主体となって軽快な音楽を響き渡らせる軽音楽部「SWING」。コロナ禍によって長期間練習ができなかったり、演奏会が中止になることも多かったのですが、念入りな感染防止対策を講じながら、合奏練習にも身が入るようになってきました。箕面新キャンパスで10月2~3日に開催された「国際フェスティバル」でも、その実力を見せつけました。最大の見せ場は、部が代替わりする12月、池田市民文化会館「アゼリアホール」で開く定期演奏会。それに向け、楽しくにぎやかに、急ピッチの準備・練習を積んでいます。
人気のサックスなど管楽器とリズム楽器
サックス、トロンボーン、トランペットの管楽器、ギター、ピアノ、ベース、ドラムのリズム楽器が一体となる壮大なハーモニーが魅力。「ブルース」などジャズの分野の一つである「スイング」をそのまま部の名称にしたサークルは、1962年に創部し、文化系では古いうちに入ります。一番人気があるのは、最前列で格好よく演奏し、パフォーマンスも見せるサックスだそうです。そのほか、トロンボーンは低音を響かせる、なくてはならないパートでベースに近い音色を奏でます。トランペットは逆にとても高音で、耳につたわりやすく迫力を占めます。これら各パートが、実に軽快に互いを高め合います。
▲合奏練習は、仲間が応援してくれる
大学から始めて晴れのステージにも
中学・高校から吹奏楽部でならした部員が多い一方で、大学に来て初めて楽器を手にする学生も結構いるそうです。先輩や同級生の指導を受けながらこつこつ個別練習に励み、1~2年で立派に舞台に立っています。
代表を務める石 光基さん=工学部地球総合工学科建築工学コース2年=も、入部して初めてピアノの鍵盤をたたきました。高校までは邦楽ロックやクラシックなどいろんな音楽に親しんできましたが、阪大入学とともにジャズに行き着きました。高校時代から奏でてきたギターとともに、初めてドラムにも挑戦してきて、いろんな楽器を通じてジャズを楽しんでいます。部は緩やかな結集をしていて、1~2年生が主体となる「SWING ARCADE ORCHESTRA」と、3~4年生やOBなど選りすぐりのパートで作る「THE NEWWAVE ORCHESTRA」の、二つのバンドで構成します。執行部は2年生が務め、1~2年生で約40人。コロナ禍のこの1年半で部員数がやや減っているのが気がかりです。
▲キーボードを奏でる石代表
コロナ禍乗り越え、引き継ぎが課題
1年生が主体となる3月の春合宿▽5月の「いちょう祭」ステージは重要な新入生勧誘の場にも▽6~7月には新1年生が初めて出演する演奏会▽8~9月に県外合宿▽そして12月に集大成となる定期演奏会。そんな晴れ舞台が、コロナ禍によって自粛を強いられました。部員はそれらの多くを体験できていません。非常事態宣言も解除されて、感染防止対策に万全を期しながら練習を再開していますが、これらの行事をどうやって復活・引き継いでいくかが、大きな課題となっています。
週1回はパートごと、そして週2回はビッグバンドによる合奏練習。その合間には休憩をたっぷりとって、ドアを大きく開けて、大扇風機も使い、十分な換気作業を行います。譜面台にはパーテーションを置き、部員同士の会話もできるだけ控えます。
楽器は、中学高校時代から所持している部員もいる一方、大学で始めた部員は部で引き継がれた貴重な楽器を使わせてもらうこともできます。そのための保管庫も確保しています。
▲大型扇風機を使って換気も心がける
▲部で引き継がれる年季の入ったバリトンサックス
▲国際フェスティバルでは、感染防止対策として観客との間にビニールシートを張った=箕面キャンパスで
12月の定期演奏会が集大成に
部を束ねる代表のほか、音合わせなどを指導するコンサートマスター、イベントを仕切るバンドマスター、会場手配などさまざまな準備を担う内務などのポストを分担し合って、一体となる「ハーモニー」を奏でます。
石代表は「ジャズは奥深い。曲によって、人によって、その時々の演奏によって、全然違う音楽に仕上がります。激しかったり、柔らかかったり、同じ楽器からも全く異なる音が紡がれます」と魅力を語ります。
定期演奏会は12月4日(土)正午から、池田「アゼリアホール」で。入場料金は未定。コロナ禍の苦難を乗り越えた「SWING」のステージが楽しみです。
▲2019年の定期演奏会