学生の皆さんへ（総長からのメッセージ）

本学では春学期当初からメディア授業を実施し、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に努めてきました。
慣れない形態での受講で、皆さんにはさまざまな負担があったかと思います。
特に新入生の皆さんは、どれほど心細い思いをしているのだろうと、毎日片時も忘れず、ずっと心配しておりました。ですが、皆さんの頑張りのおかげで、どうにか春夏学期を終えようとしています。
また、課外活動やイベントなどについても、厳しい制約に協力いただいたことに、あらためて感謝いたします。

緊急事態宣言は解除されましたが、感染が再び拡大する可能性は依然として残されたままです。
まもなく夏休みを迎えるにあたり、学生の皆さんには、大学、さらには国や自治体からの最新情報に基づき、阪大生としての自覚をもって適切な行動を取るようにお願いします。
そして引き続き、3密を避け、マスクの着用、適切なソーシャルディスタンスの確保、手洗いの励行など、感染防止を心がけていただきたいと思います。

今後、私たちはコロナ新時代と呼ばれる難局に立ち向かわなければなりません。
しかし、視点を変えるならば、「新しい日常（ニューノーマル）」と呼ばれる言葉が示す通り、この難局は、これまで常識とされてきたことを見直し、変革すべき点を明確にし、それを実践する機会と捉えることもできます。

まだまだ制約も多いでしょうが、そのことを嘆くのではなく、受け身の姿勢から転じて、今の自分にできることを能動的に見つけ出し、一生懸命に全力で取り組んでみてください。

この夏が、皆さんの人生において、さまざまな意味で一番熱い夏となることを心から期待しています。

2020（令和2）年7月28日

大阪大学総長

西尾　章治郎