StoryZ

阪大生にも、研究者にも、卒業生にも誰しも必ずある“物語”
その一小節があつまると大阪大学という壮大なドキュメンタリーを生み出します。
それぞれのStoryをお楽しみください。

イノベーティブマインドを醸成

イノベーション、スタートアップ、学生起業などが注目されるなか、人材育成部門では同クラブを大阪大学だけでなく関西エリア大学のイノベーション人材育成の拠点とすることを目標にしている。「学生のイノベーションマインドを喚起し、イノベーターとして活躍することへのモチベーションを高めたい」と、運営に携わる人材育成部門 邨次敦特任助教。学部から大学院でのアントレプレナーシップ教育を通じて、スタートアップや起業を志す学部生や院生は増加してきている。阪大生や他大学の学生、クラブの応援団でもある教職員や一般社会人も含めて、クラブ設立からこれまでに登録者数は700名(学生は350名)を超え、理系・文系を含めた分野横断的なコミュニティが形成されつつある。

イノベーターとしての見識を高める

クラブの2019年度コンテンツは「Innovators’ Academy」「Innovators’ Talk & Salon」「Innovators’ Weekend」「Innovators’ Squad」「Innovators’ Tours」の5種。

● Innovators’ Academy
スタートアップに必要な実践的な知識をオムニバス形式で専門家から学ぶ集中講義

● Innovators’ Talk & Salon
多様な分野の起業家からイノベーションについて知り議論する講演会

● Innovators’ Weekend
さまざまなテーマの問題解決に向けたアイデアソン

● Innovators’ Squad
学生が主体的にプロジェクトを立上げ、ブラッシュアップ

● Innovators’ Tours
ベンチャー企業訪問やインターンシップなどを体験

人材育成部門で注力しているのが「Innovators’ Squad」。毎月最終金曜日にミーティングを開催し、各プロジェクトから進捗状況が発表され、学生同士での質疑応答やメンター、教員による指導が行われる。

2020年1月25日には同クラブメンバーのビジネスアイデアを競い合う「阪大ピッチ2020」が初めて開催された。ベンチャー企業の社長などの審査員から厳しい質問や意見を受けたが、学生たちは真剣かつ丁寧に応答し、夢の実現に向けて心を新たにした。

トライ&エラーと好循環でイノベーションを生みだす

邨次特任助教は、「当クラブで活動している学部生・院生は、トライ&エラーにより、自分で考えて行動する姿勢を身につけていく」と成果を語り、「クラブ出身者が、社会人として起業家としてクラブに戻ってきて、講師やメンターを務めてくれるなどの好循環が生まれるようになれば」と、今後の展開に期待している。

クラブメンバー、起業へ!

【 VR技術を応用したヘッドホンで起業家甲子園(2018年)総務大臣賞を受賞 】
情報科学研究科 博士後期課程3年 北尾 太嗣さん

三半規管を電流でコントロールする技術について研究しています。三半規管に微弱な電流を流すことで、VR画像に揺れや加速感覚を付加し臨場感を演出、加齢と共に衰えるバランス感覚のトレーニングなどに役立つのではないかと考えています。クラブでは、プロジェクトの特任研究員として後輩のメンターを行っていますが、異分野のメンバーとの交流は刺激になり、自身のプロジェクトも客観視できます。また著名な起業家などが講演に来るので、話を聞いてもらうことでヒントを得られ、事業化のチャンスにもつながります。三半規管のコントロールに関してはデバイス開発と安全性の担保が課題ですが、起業したいですし、技術と事業化をつなぐ仕事にも興味があります。

【 子どもの個性を伸ばすビジネス教育を事業化 合同会社を設立予定 】
人間科学研究科 博士後期課程2年 島藤 安奈さん

小学生を対象としたビジネス教育のプロジェクト「レモネードキッズ®」を立ち上げ、2018年6月より実際に活動しています。レモネードキッズは、米国の子どもたちがビジネスを体験するための風習「レモネードスタンド」を独自に改良したもので、事業計画から銀行融資交渉、販売、利益計算まで一連のお金の流れを体感できます。子どもたちの個性を伸ばし、自立して生きていくために必要なお金の教育の必要性を広くアピールするため、今年4月に合同会社(米国のLLCをモデルに導入された会社形態のひとつ)を立ち上げ、事業化するつもりです。私は研究者タイプでなく、研究の社会実装に興味があり、クラブの人たちを見ると「自分は自分でいいのだ」と安心できます。先生方にも背中を押していただきました。

(本記事の内容は、2020年2月大阪大学NewsLetterに掲載されたものです)

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