阪大StoryZ

阪大生にも、研究者にも、卒業生にも誰しも必ずある“物語”
その一小節があつまると大阪大学という壮大なドキュメンタリーを生み出します。
それぞれのStoryをお楽しみください。

のびやかに、ひたむきに、
時に悩み、それでも前を向く。
そんな阪大生たちのきらめきの学生生活(ストーリー)

「鉄壁の防御」を彼女はどうやって身に着けたのか?
「鉄壁の防御」を彼女はどうやって身に着けたのか?

「鉄壁の防御」を彼女はどうやって身に着けたのか?

フェンシング部

東京五輪が来年に迫るなか、テレビ等で紹介される機会も増えてきたフェンシング。日本ではまだ馴染みの薄いこの競技に魅せられたフェンシング部の学生たちが、日々練習に打ち込み、技を磨いている。その中に、一緒に練習する女子部員がほとんどいない環境にあって、昨年の大会で優勝した女性剣士がいる。続けてこられた理由を訊くと、「フェンシングが好きというのが勝っちゃったんですよね」。スポーツを純粋に楽しむ姿がそこにあった。

 駆け引きを楽しむ

昨年夏、全国国公立大学フェンシング選手権大会で女子エペ個人優勝に輝いた沖田菜緒さん。大会での勝因は「試合数をこなしたこと」。場慣れするために、入部当初は3種目(フルール、エペ、サーブル)全ての個人戦に出場していたという。

高校までは剣道部に在籍していたが、「得点した時、仲間みんなで 喜び合えるスポーツをしたい」と大学ではフェンシング部へ。基本的な構えが違い、癖を取るのに苦労したが、やがて「フェンシングの間合いの方が自分にはぴったりくると感じるようになった」
最終的にエペに絞った理由は、「スピードだけですぐに勝敗が決まらず、頭脳戦にもちこめる」から。駆け引きなら勝機があると考えた。「相手の動きを読めれば快感があるし、読めない相手はもっと面白いです」

 

男子と戦うことで鍛えられた

入部して3年間は、女子部員が非常に少なかったという沖田さん。練習は必然的に男子との対戦となる。スピードがあり、力の強い男子の攻撃に毎日対応していくうちに、相手の攻撃をいなし、スキを衝くための観察力が研ぎ澄まされ、いつしか「守備」という大きな強みを身につけていた。そんな沖田さんのことを、主将を務める森本佑太朗さんは「守りが固く、少ない得点でも勝てる選手」だと賞賛する。

女子一人でも続けてこられたのは、「フェンシングが楽しすぎたから。阪大フェンシング部は厳しい上下関係がなく、チームとしての一体感がすごい。自分にとって大切な居場所です」。今年になって女子部員が4名入部したが、今でも男女で対人練習をする阪大フェンシング部のスタイルは変わっていない。

 

未経験者でも楽しめるのが最大の魅力

森本さんによれば、国公立大学のフェンシング部は「マイナースポーツなので、高校まで運動部にいなかった人にも門戸を開いている点」が特徴的だ。
高校までは吹奏楽部にいたという谷口宙さんは、「始めた頃は基礎体力がなく、練習が終わったら筋肉痛の毎日でしたが、それでも楽しかったです」。2年生になってから勝てるようになり、「続けるうちにハンデは埋まってくると感じた」

フェンシングの魅力を訊くと、「得点したときにみんなが大声で喜んでくれること」と森本さん。高校時代はバスケットボール部に所属していた。センターというポジションだったため得点に絡むことはあまりなかったが、フェンシングには「自分で獲った点がチームの勝利に直接つながるという快感がある。今までやってきたスポー ツで一番楽しいです」

今年8月に行われた全国国公立大学フェンシング選手権大会で、阪大はエペ2位、サーブル4位、フルーレ6位で総合3位と、見事目標を達成した。勝利の爽やかさを個人が味わうと同時に、勝った嬉しさをチームで共有できるフェンシング部。そこは、部員一人一人が輝ける場所だ。

 

●フェンシング部
大阪大学フェンシング部は、豊中キャンパスを拠点に七大戦、関西学生フェンシング選手権大会、全国国公立大学選手権大会など に毎年出場。学年・性別の垣根なく、部全体でチームとしての一体感を醸成しながら、日々研鑽を重ねている。昨年は、第54回全 国国公立大学フェンシング選手権大会で沖田菜緒さんが女子エペで個人優勝し、2019年度課外活動総長賞・特別賞を受賞した。

(本記事の内容は、2019年9月大阪大学NewsLetterに掲載されたものです)

 

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