StoryZ

阪大生にも、研究者にも、卒業生にも誰しも必ずある“物語”
その一小節があつまると大阪大学という壮大なドキュメンタリーを生み出します。
それぞれのStoryをお楽しみください。

半数が新入生 全員で勝ち取った勝利

静岡県小笠山総合運動公園(エコパ)で9月4日から始まった、2018年の全日本学生フォーミュラ大会。出場チームは車検後、プレゼンテーションなどの静的競技3種目と、実際に走行しての動的競技4種目で戦った。コンディションが予測しづらい天候の中、走行性能と耐久性が問われる種目で好成績をマーク。ついに8年ぶりの総合優勝を勝ち取った。台風21号の影響を受け、すべてのイベントが初日から半日遅れのスケジュールで進んだため、表彰式が中止となり、部員たちが結果を知ったのは後日。みんなで喜びを分かち合った。「プロジェクトの開始時は部員数15人でしたが、春からは新入生15人も加わり、力を貸してくれました」(三橋さん)

不振だった数年間を冷静に分析

優勝までの道のりは決して楽ではなかった。伝統ある強豪チームOFRAC(2010年総合優勝、以降2位2回、3位1回)も、2014年度大会では途中リタイアを体験し、その後2015年からの3年間は納得のいかない成績に終わった。三橋さんたちはその結果を直視し、メンバー数、資金、かけられる時間といったリソースを考え抜く。「軽量化・低重心化」を車両開発コンセプトに、当初は優勝ではなく入賞(6位以上)を目標とした。チーム内のマネジメントを担当した池田州平さんは、「全員が各々のすべきことを考え、行動した。それが良かったと思います」

一人一人が持ち味を生かして貢献

三橋さんに「リーダーになったきっかけは?」と聞くと、周囲に推されてという。持ち前の社交性を発揮した結果、「他チームとの繋がりが増えたと思います」(三橋さん)。他大学と合同での走行会も頻繁に行った。チーフエンジニアの原田勢那さんも「技術に関しても率直な情報交換ができ、車づくりにプラスになりました」と、2018年の躍進の鍵が学生同士の交流にあったと話してくれた。

学生だけの力で車を設計、製作することは技術的にも資金面でも難しく、サポートしてくれる人や企業の力が欠かせない。100にも及ぶスポンサーとの交渉を担当する鈴木修平さんは、「支援してくれる皆さんがいたから、優勝が勝ち取れたのだと思います。本当に感謝します」。それぞれの地道な努力が報われた。


大阪大学フォーミュラ レーシングクラブ(OFRAC)

2003年に発足した大阪大学フォーミュラレーシングクラブ(OFRAC)は毎夏、全日本学生フォーミュラ大会に参加し続けている。2010年に初の総合優勝。続く2011 年に総合3位、2012 年、2013 年は総合2位。2014年大会で途中リタイヤを経験し、その後不本意なシーズンが続いたが、2018 年、2 度目の総合優勝を果たした。部員数は30名(2018大会当時)、吹田キャンパスを拠点に活動している。

(本記事の内容は、2019年2月大阪大学NewsLetterに掲載されたものです)

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