総長挨拶

大阪大学総長 平野俊夫

地域に生き世界に伸びる
-22世紀も輝き続ける大学を目指して-

 大阪大学は、「大阪にも帝国大学を」という地元大阪府民の熱意と、関係者の努力により、医学部と理学部の2学部からなる「大阪帝国大学」として、1931年に誕生しました。

 江戸時代末期、緒方洪庵が私塾として設立した「適塾」の自由な学問的気風と先見性は、大阪府立医科大学を経て、本学へと繋がります。また、戦後、新たに法文学部が加わった際には、江戸時代後期、大坂町人が町人のために設置した「懐徳堂」の蔵書類が本学に寄贈され、大坂の町に息づいた独創的な学問と思想も受け継ぐに至りました。

 このように、「適塾」を原点として、「懐徳堂」の精神を受け継ぎ、大阪市民の熱意に支えられた本学は、「地域に生き世界に伸びる」をモットーに、大学院の重点化、2004年の国立大学法人化、2007年の大阪外国語大学との統合を経て、我が国を代表する総合大学として、たゆみなく発展を遂げて参りました。また、「国家100年の計は教育にあり」と言われておりますように、我が国の将来は、ひとえに人材育成にあります。本学は、幾多の優れた研究者、教育者、文化人、そして政財界など各界の指導者や卓越した人材を世に輩出してきましたが、引き続き、国際性豊かで優秀な人材を育て、世に送り出していきます。

 学術の振興なくして革新的な技術開発や、心豊かで平和な社会の発展はありえず、社会が大学に求めているところは、知的創造活動としての基礎的学術研究の推進であります。大学がどれほど基礎的学術研究に力を注いでいるかは、その大学の底力に反映されます。大阪大学では、流行に流されることなく、永続性を有し、かつ卓越した“学問の府”であり続ける基盤を確立する努力を日夜続け、大学でしかできない基礎的学術研究や、学問に基づいた教育を推進しています。そして「組織は組織を構成する一人一人の構成員に依存している」という考え方に立ち、大学の個々の構成員が、溌剌と自由に活動でき、多様性を有するすべての教育研究組織が独自性を発揮できる環境作りを進めています。

 蘭学や西洋医学を我が国に導入した適塾で学んだ福沢諭吉や大村益次郎などの多くの人々が明治初期に我が国の近代化のために活躍しました。大阪大学は、この原点に立ち、21世紀に生きる適塾として、「世界をリードする学問と教育の世界的拠点となる」という高い志を持ち、22世紀においても輝き続ける基盤を大阪大学全構成員の英知と力をあわせて築いていく努力を日夜続けます。

 一人でも多くの方が大阪大学の基本方針に御賛同いただき、我々とともに輝く未来を創るためにご助力を賜りますようにお願いいたします。



総長 プロフィール

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