国際共同研究促進プログラム

本学の未来戦略の一環として、最先端の研究を展開している外国人研究者とそのグループを本学に招へいし、本学の研究者と共同研究を実施する「国際共同研究促進プログラム」を平成25年度に創設しました。

本プログラムでは、招へい研究者が離日している時にも共同研究を続行できるように、支援研究者を雇用する経費や招へい研究者の研究室の若手研究者が来学するための経費も措置されます。したがって、本プログラムは単なる国際共同研究の支援ではなく、本学のダイナミックなグローバル化を担う国際共同研究室(国際ジョイントラボ)設立の第一陣と位置付けられるものです。

本プログラムでは、研究の格段の発展を図るのみならず、招へい研究者によるセミナーや講義も実施することになっており、教育面でのグローバル化にも大きく貢献することが期待されます。

選定されたプログラムには、招へい研究者の旅費・謝金、教職員・学生の派遣旅費、研究員の雇用経費などの支援を行います。

※最新の採択課題のみ掲載しています

令和2年度採択プログラム タイプA

研究代表者氏名

所属・職

外国人研究者所属機関

神出 計

医学系研究科(保)・教授

カリフォルニア大学バークレー校(アメリカ)

浜口 智志

工学研究科・教授

コメニウス大学(スロバキア)

浜口 智志

工学研究科・教授

エクス・マルセイユ大学(フランス)

林 高史

工学研究科・教授

アーヘン工科大学(ドイツ)

深川 竜郎

生命機能研究科・教授

ジャワ―ラル・ネール先端科学研究所(インド)

(タイプA 研究詳細)

要介護高齢者のウエルネスな療養生活を成就するための 社会・経済的要因の検討

研究代表者

医学系研究科 保健学専攻・教授   神出 計

招へい研究者

カリフォルニア大学バークレー校/公衆衛生学部/研究准教授
セン ウインストン

研究期間

令和2年(2020年)4月1日~令和5年(2023年)3月31日

研究課題の概要

今後非常に増加が見込まれる要介護者が、ウエルネスな要介護生活を達成し、できるだけ安定した療養生活を維持するための要因を明らかにすることは極めて重要である。本研究ではそのために、市町村の医療・介護保険情報のbig dateや、在宅医療受療中療養者の情報、医療職による要介護療養者に対する訪問調査などにより、米国のsocial epidemiologyの研究グループと共同し、医学的側面のみならず、特に関連が強いと思われる社会・経済要因の関与を検討する。

大気圧プラズマ照射によるプラズマ液体相互作用

研究代表者

工学研究科・教授  浜口 智志

招へい研究者

コメニウス大学/数学・物理学・情報科学研究科/教授
マテイチック シュテファン

研究期間

令和2年(2020年)4月1日~令和5年(2023年)3月31日

研究課題の概要

大気圧放電により大気中で生成される各種反応活性種の、溶液中における化学反応と輸送を数値シミュレーションと実験的手法により解析する。特に、液中から放出される化学物質のイオン移動度スペクトロメトリー(IMS)による解析、及び、気相分子の電子線誘起蛍光法による気相反応解析を活用して、プラズマ液体相互作用の基礎課程を解明する。

高性能数値シミュレーションと機械学習によるプラズマ非線形動力学解析

研究代表者

工学研究科・教授  浜口 智志

招へい研究者

エクス・マルセイユ大学/複雑系力学研究所/教授
ベンカダ サドルダン

研究期間

令和2年(2020年)4月1日~令和5年(2023年)3月31日

研究課題の概要

流体及び粒子モデルによるプラズマ及びプラズマ表面相互作用数値シミュレーション技術を発展させ、かつ、大量のシミュレーションデータを基に機械学習を活用し、プラズマ及びプラズマ表面相互作用の代理モデルを構築し、プラズマの実時間制御及び効率的なプロセス開発手法を確立する。

自在な物質化学変換をめざしたバイオハイブリッド触媒の創製

研究代表者

工学研究科・教授  林 高史

招へい研究者

アーヘン工科大学/無機化学研究所/教授
オクダ ジュン

研究期間

令和2年(2020年)4月1日~令和5(2023年)年3月31日

研究課題の概要

天然の酵素を凌駕した新しい人工金属酵素の創製をアーヘン工科大学(ドイツ)の有機金属化学、生物工学のグループと共同で開発する。具体的には、非天然の金属補因子(金属錯体)を設計・合成し、タンパク質との複合体を合成し、天然を超えた高難度分子変換をめざす生体触媒の創製を実施する。

各種生物種における染色体分配の普遍性と多様性

研究代表者

生命機能研究科・教授  深川 竜郎

招へい研究者

ジャワ―ラル・ネール先端科学研究所/分子生物学・遺伝学部門/教授
サンヤル カウフスタフ

研究期間

令和2年(2020年)4月1日~令和5年(2023年)年3月31日

研究課題の概要

生物の生命維持に染色体分配は必須なイベントであり、セントロメアを通じた染色体分配の分子機構は普遍的なものと思われてきた。しかし、近年、細胞や生物種ごとにセントロメアの多様性が報告されてきた。本研究では、様々な細胞や生物種を用いてセントロメアを中心とした染色体分配機構の普遍性と多様性を明らかにする。


令和2年度採択プログラム タイプB

研究代表者氏名

所属・職

外国人研究者所属機関

権藤 恭之

人間科学研究科・教授

フランス国立保健医学研究機構・モンペリエ大学(フランス)

服部 聡

医学系研究科・教授

ロンドン大学衛生熱帯大学(イギリス)

村中 俊哉

工学研究科・教授

エクアドルIKIAM大学(エクアドル)

宇山 浩

工学研究科・教授

南洋理工大学(シンガポール)

服部 梓

産業科学研究所・准教授

大連交通大学(中国)

北條 裕信

蛋白質研究所・教授

共和国大学(ウルグアイ)

梅田 純子

接合科学研究所・准教授

南洋理工大学(シンガポール)

西川 宏

接合科学研究所・教授

国立台湾大学(台湾)

近藤 勝義

接合科学研究所・教授

サウード国王大学(サウジアラビア)

能町 正治

放射線科学基盤機構・教授

ベトナム国家大学・ホーチミン科学大学(ベトナム)

(タイプB 研究詳細)

気象情報を利用した健康リスクの予測システムの開発

研究代表者

人間科学研究科・教授   権藤 恭之

招へい研究者

フランス国立保健医学研究機構・モンペリエ大学/インサーム名誉研究ディレクター・ロビン ジャン マリー

研究期間

令和2年(2020年)4月1日~令和6年(2024年)3月31日

研究課題の概要

近年、気象変化と心身の健康と関連に関する研究が進んでいる。短期的な気象変化の影響では、風向きと花粉症の重篤化、長期的にはPM2.5への暴露と認知症の発症の関係も指摘されている。そこで、本研究では、気象シミュレーションを専門とする海外の研究グループと健康情報や環境汚染に関数情報を持つ大阪大学のメンバーとの共同研究によって、気候シミュレーションの日本における利用可能性について検証し、健康リスクに対する予防システムの開発を目指す。

癌登録データに対する因果推論および機械学習手法の研究

研究代表者

医学系研究科・教授   服部 聡

招へい研究者

ロンドン大学衛生熱帯大学/非感染症疫学部/教授
ラシェット ベルナルド

研究期間

令和2年(2020年)4月1日~令和6年(2024年)3月31日

研究課題の概要

癌登録データに基づく疫学研究に有用な因果推論あるいは機械学習手法を開発し、癌登録解析法の大きな革新を目指すとともに、それに基づく大規模国際あるいは国内癌登録データの統計解析を通じて、疫学研究を推進する。国際共同の大規模疫学研究を方法論の開発から推し進めるとともに、真に国際的な共同研究の枠組みを構築することを目的としている。

南米固有植物の保全と有効利用に向けた植物バイオテクノロジー研究

研究代表者

工学研究科・教授   村中 俊哉

招へい研究者

エクアドル IKIAM大学/生命科学部/准教授
フクシマ エリ オデット

研究期間

令和2年(2020年)4月1日~令和6年(2024年)3月31日

研究課題の概要

南米には、エクアドルのアマゾン地域、ガラパゴス諸島に代表されるように多様な固有植物(以下、南米固有植物)が自生しており、潜在的な薬用・食用資源の「金鉱」である。これらの中には現地で伝承医薬として長年使用されたものが存在しているが、一方で、気候変動、乱獲等で絶滅が危惧されているものが多数にのぼる。本研究では、植物バイオテクノロジーに立脚した南米固有植物の保全と有効利用の両方向からの研究を実施する。

生分解性ポリウレタンを用いたドラッグデリバリーシステムの開発

研究代表者

工学研究科・教授   宇山 浩

招へい研究者

南洋理工大学/材料理工学部/教授
フ シャオ マシュ

研究期間

令和2年(2020年)4月1日~令和6(2024年)年3月31日

研究課題の概要

植物油脂を原料とするバイオベースポリウレタン(bio-PU)はバイオ由来であり、生分解性を有する。本研究ではbio-PUの生体材料としての用途を共同研究する。bio-PUを基盤材料俊、温度に応答する相分離を利用した徐放性能を搭載したDDSを開発し、医療応用に向けて展開する。

原子精度立体造形技術を用いた機能増大化した金属酸化物ナノ材料の開発

研究代表者

産業科学研究所・准教授   服部 梓

招へい研究者

大連交通大学/先端技術センター/教授
カク ホウジュン

研究期間

令和2年(2020年)4月1日~令和6年(2023年)年3月31日

研究課題の概要

本研究では、世界最高精度のナノ構造創製技術を駆使し、機能増大化したナノ材料を創出する。金属絶縁体転移を示す強相関金属酸化物を対象に、3次元方向を人工的に精密制御した1-10nmサイズ試料を実現し、相転移を生み出す電子相互作用の最小単位を解明し、機能増大化ナノ材料開発へと展開する。

翻訳後修飾を認識する環状ペプチドの合成

研究代表者

蛋白質研究所・教授  北條 裕信

招へい研究者

共和国大学(ウルグアイ)/化学科/准教授
セラ レメス グロリア ローデス

研究期間

令和2年(2020年)4月1日~令和6年(2024年)3月31日

研究課題の概要

蛋白質は、翻訳後にグリコシル化、リン酸化等、種々の修飾を受けることが多い。近年、それらの修飾が蛋白質の機能を調節していることが明らかとなってきた。翻訳後修飾の機能を明らかにするためには、修飾の種類、位置をまず知ることが必要である。本研究は環状ペプチドライブラリを合成し、その中から蛋白質の翻訳後修飾を認識する配列を見出すことにより、新規な翻訳後修飾認識分子を開発する目的で行う。

酸素固溶強化チタン積層造形体の創製

研究代表者

接合科学研究所・准教授   梅田 純子

招へい研究者

南洋理工大学/機械・航空宇宙工学部/准教授
ムン スンキ

研究期間

令和2年(2020年)4月1日~令和6年(2024年)3月31日

研究課題の概要

選択的レーザー溶融法を用いて、特異な組織構造形成により従前は負の材料因子とされた酸素を多量に含むTi積層造形体高強度・高延性の両立を実現する。

次世代パワーデバイス向け新奇接合プロセスに関する研究

研究代表者

接合科学研究所・教授  西川 宏

招へい研究者

国立台湾大学/工学部/教授
カオ シ アール

研究期間

令和2年(2020年)4月1日~令和6年(2024年)3月31日

研究課題の概要

次世代パワーデバイスでは高い耐熱性と優れた放熱性に加え、自動車や鉄道などにも安心して利用できる高い信頼性が要求されている。本研究では、次世代パワーデバイスにも適用可能な高耐熱性を有するダイボンド部を形成するための新規接合材料の創製とその接合プロセスの確立、更にはダイボンド部の長期信頼性評価に取り組む。

軽元素固溶強化チタン粉末合金の創製

研究代表者

接合科学研究所・教授  近藤 勝義

招へい研究者

サウード国王大学/ナノテクノロジー研究所/副センター長・准教授
アルハッザ アブドラジーズ

研究期間

令和2年(2020年)4月1日~令和6年(2024年)3月31日

研究課題の概要

航空機用部材や医療デバイスなどに用いられるチタン(Ti)合金におけるα-Ti/β-Tiの両結晶構造を対象に、原子・ナノレベルでの固溶原子の動的挙動およびナノ力学の理解とバルク体での巨視的な力学挙動の理解を繋ぎ、既往研究では見えなかった事実(特性・現象)の解明に資する科学的根拠を明確に示し、ナノエンジニアリングによるα+β2相チタン粉末合金設計指針の確立と新たな学理構築を目指す。

先端放射線計測システムによる教育実習システムの構築

研究代表者

放射線科学基盤機構・教授  能町 正治

招へい研究者

ベトナム国家大学・ホーチミン科学大学/原子核物理・原子核工学科/講師・国際交流室副室長
ボー ハイ ホン

研究期間

令和2年(2020年)4月1日~令和6年(2024年)3月31日

研究課題の概要

シンチレーターに光センサー(MPPC)をつけ、信号を読み出す装置を、放射線計測の実習教育用に開発する。

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