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予想と違う結果が出たときこそ、ブレイクスルーにつなげるチャンス【工学研究科・教授・生越專介】

生越專介教授の研究対象はニッケルなどの有機金属。触媒をはじめ、液晶材料の製造や創薬など、身近な所で使われている「不安定な中間体を通る触媒反応を観察入口と出口だけではなく、プロセスが大事」。結果に至るストーリーを重要視する姿勢は、多くの論文に引用される理由にもなっている。

生越教授の研究は今後、燃料電池や集積回路の微細加工などの産業への応用から、フッ素を包含した医薬品など、幅広い分野での応用が期待されている。

研究の道に入ったきっかけは、「村井眞二先生(日本化学会元会長・大阪大学名誉教授)のもとで有機金属化学を学んでいた時、思うようなデータが出なかったから」だという。だから今も「予想と違う結果が出たときが快感、それを究明することがブレイクスルーのチャンス」と熱く語る。

「弾の飛び交う戦場に立ってこそ研究(村井先生の言葉)。その中で最先頭に立つのが研究者の醍醐味」と話す。

最先端を歩みながら後進の育成にも力を尽くす。研究室の学生を勉強会で鍛え上げ、“厄介な”報告書は手書きさせる。社会で通用する人材にするため、あえて厳しく鍛えているのだが「30歳くらいになって、そのことに気がつけばいいんです」と笑う。

また青少年に化学の不思議に触れてもらう「夢!化学-21」の企画に携わり、高専や高校生などの研究室訪問も受け入れる。余暇はテニスに意欲を燃やし、日々のストレス発散にもなっているとか。

化学反応も人材育成も、コストや時間を度外視できない。しかし、「限られた資源のなかで球筋の良さを見せつける」のが生越教授のモットー。その表現にもスポーツマンらしさがにじむ。こうした生越教授の意気は研究室の進取果敢な気風を形づくっている。

 

●生越專介(おごし せんすけ)

1988年大阪大学工学部卒業。同工学研究科応用化学専攻修了、工学博士。同工学部助手を経て、2007年同工学研究科教授。日本化学会進歩賞(01年)、同第31回学術賞(14年)等を受賞。大阪大学総長顕彰(研究部門)は、13年度に引き続き連続2度目の受賞。有機フッ素化合物の合成や有機金属化合物の製法についての特許多数。

(本記事の内容は、2015年6月大阪大学NewsLetterに掲載されたものです)

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