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広くアンテナを張り 自由な発想で極微の物質を自在にデザイン【産業科学研究所・助教・服部梓】

 金属酸化物のナノサイズの構造体作りに取り組んでいる服部梓助教。シリコンを材料としたナノテクノロジーが限界に近づいているとされる今、金属酸化物はエレクトロニクスなどの分野で次世代の材料として注目されている。硬い金属酸化物は小さいものを作るのが難しいとされているが、服部助教たちは10〜20nm(ナノメートル=1メートルの10億分の1)という世界最小レベルで作ることに成功。こうした成果から2014年度の総長奨励賞を受賞。

 服部助教は高校生の頃から世の中に役立つ新しいものを開発したいという思いがあり工学分野へ。さらに「材料やデバイス開発のカギとなる表面科学について深く学びたい」と大学院へ進んだが、まだまだ材料工学分野の女性研究者は少ない。

 大学院時代に結婚し、2児の母に。学生で母になることについて迷いもあったが「研究者は研究プロジェクトを中断するわけにはいかないが、学生なら休学もできる。遅れても追いつけばいい」と心を決めた。

 同じ研究者である夫の協力もあり、育児や好きな料理も楽しんでいる。「時間の使い方などを工夫してやっていけてるのも、上司や周りの方々の理解があればこそです」と笑顔で話す。

 「研究者にとって重要なのは、広くアンテナを張り、自由な発想をすることですが、子供がいることで自然と視野が広がります」と話し、子供と遊んだり、料理をしている時に新しい発想が湧くこともあるという。

 産業的に実用可能なデバイス製作も視野に入れており、将来は「ナノ材料を意図的に設計、製作し、脳機能や光合成を再現できるような新しいデバイスを作りたい」と壮大な目標を掲げる。

 

 

●服部 梓(はっとり あずさ)

2001年大阪府立大学工学部を卒業。07年奈良先端科学技術大学院大学物質創成科学研究科博士課程修了、博士(理学)。同年、大阪大学工学研究科附属超精密科学研究センター特任研究員。10年から現職。14年「強相関金属酸化物3次元配列ナノ構造体でのフォトクロミック機能の創出」で、第7回資生堂女性研究者サイエンスグラントを受賞。専門は物性物理学、ナノ構造科学。

(本記事の内容は、2015年3月大阪大学NewsLetterに掲載されたものです)

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