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身近なモノで物理を体験 世界中の若者に「なぜだろう?」と思う心を伝えたい【核物理研究センター・ 准教授・藤田佳孝】

 藤田佳孝准教授の専門は原子核物理学。しかし、研究室には、自転車のホイールや何かを張り付けた段ボール箱など、一見すると物理学とは関係のなさそうな品があふれている。「私の話を聞くと、この『ガラクタ』が『宝物』に見えてきますよ」と笑顔で話す藤田准教授は、研究活動の一方で、教育にも力を注いできた。一連の教育活動が評価され、「社会・国際貢献」で2014年度総長顕彰を受賞。

 ポスドク時代、留学先のドイツで学生たちが生き生きと学んでいるのを見て、理解を後回しにし、記憶にたよる勉強を続ける日本の学生が心配になったことがきっかけだという。

 実は、研究室の品は全て物理を簡単に体験するための装置(左写真)だ。「教科書の数式を見るだけではなかなかイメージがわかないが、自然の法則を直接体験し、『なるほど!』と驚きや感動を伴うと理解に繋がる」という。

 藤田准教授が携わってきた活動の一つに国際物理年(2005年)を期して「最先端の物理を高校生に」と始めたSAP(Saturday Afternoon Physics)がある。身近な物理学の「不思議」を体験し学ぶ6週間の連続講座で、科学のおもしろさを伝え、好奇心を育むのが狙い。ドイツのSMP(MはMorning)にならったもので、今年で11年目を迎える。修了者も1,000名を超え、その中から大阪大学の理系学部に進学した者も多い。

 教育への情熱は海外にもおよび、ベトナムやミャンマー、ドイツ、フィンランド、スペイン、南アフリカ共和国など研究で訪問した場所で、若手研究者や学生に講義等を行う。「日本で行っている面白いことを伝え、世界中の学生をモチベートしたい」という。「『自然』には面白いことが満ちあふれている。若い人たちに『なぜだろう』と思う心を伝えたい」と情熱は尽きない。

 

●藤田佳孝(ふじた よしたか)

1973年大阪大学理学部物理学科卒業、大阪大学理学研究科物理学専攻修了、理学博士。大阪大学教養部助手を経て、99年理学研究科附属原子核実験施設助教授。理学研究科准教授等を歴任し、2011年から核物理研究センター准教授。1998年SUN-AMCO medal、2002年大阪大学共通教育賞、05年大阪大学教育・研究功績賞を受賞。


(本記事の内容は、2015年3月大阪大学NewsLetterに掲載されたものです)

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