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トガって、走って、未知の世界へーCO2抑制から活用へ、革新的技術を創り出す

二酸化炭素を悪者にしないプラス発想の研究

研究の目的は、画期的な新触媒を開発して、二酸化炭素から有用物質を作ること。二酸化炭素を削減する技術ではないところに、特色がある。「CO2をゼロに近づける研究には、すでに多くの方が取り組んでいます。我々はそうではなく、とかく悪者扱いされるCO2から有用なものを生み出し、マイナスをプラスに転じさせるしくみを作りたい」と、代表研究者を務める満留敬人助教(触媒設計学)は語る。

「これはまだ誰もやっていない、極めてチャレンジングな研究です」と、北河康隆准教授(量子化学)と桑原泰隆助教(ナノ多孔質材料)は続けた。めざすのは、新たな触媒の開発により、今までにない効率的な反応を実現し、高度な資源循環技術を確立することである。

異分野に強みをもった3人だから深く広く研究できる

桑原助教は以前から、触媒に適した多孔質ナノ材料の開発に取り組んできた。その材料を基に、量子化学の知識をもつ北河准教授が、新材料物質の機能予測などを担当し、ナノスケールの分子変換反応の知見をもつ満留助教が、触媒の機能開発や評価を行う。これにより、異分野を融合した「深く、広い」研究ができる。「一つの研究室で進める触媒研究は多いが、それでは機能開発、材料開発、理論計算という、触媒研究に必要な3要素を十分に深めることができない。しかし3人がタッグを組めば、いずれも十分に探求できるのです」(満留助教)

満留助教は若手を応援して未来の科学技術のシーズを育て『未来知創造プログラム』の存在を知るや、早速、北河准教授(当時:理学研究科化学専攻)と桑原助教に声をかけた。直接電話をかけて、他の研究者が2人を共同研究相手に選んでプログラムに応募する前「予約したのだという満留助教にとって刺激的な研究を進めている2人は欠かせないパートナーだ。

桑原助教は「満留さんとは博士課程からの知り合いです。当時から、一緒に研究する用意をしておいてね、と言われていました」とうれしそうに明かした。

テーマは「自分たちの専門分野が生かせること、環境保護につながることなどから『二酸化炭素から基礎化学品を作る革新的グリーン技術の開発』になりました。メールでやり取りするうちに、本当にすぐ決まりました」(北河准教授)

未知なるものを見るために走り続ける

未来知創造プログラムの研究期間は3年と定められているが、そこで終わる取り組みだとは、彼らは考えていない。

「目覚ましい成果を期待してはいます。しかし、もっと大切なことは、未来に続く共同研究の仕組みを作ること。このプログラムをファーストステップとして、その先を見つめながら活動したいですね」(北河准教授)

共同研究がスタートしたからといって、普段の研究室での活動が軽減されるわけではない。むしろ大いに忙しくなるが、満留助教は「望むところです」ときっぱり。桑原助教も「本来の研究とリンクするところも大いにあるので、プラスになることは多いと思います」

抱負を聞くと「全力で荒々しく、走り続けたい」(北河准教授)、「頭と体を使っていろいろなものにぶつかっていきたい」(桑原助教)とエネルギッシュだ。

 科学の未来を開くためには、誰も見たこともない世界に足を踏み入れることにもなるだろうが、それも望むところだ、と3人は胸を張る。「時には、外から見ると得体の知れないことをしているように見えるかもしれませんが、それでいい。我々は未知の、尖ったことを、やり続けたいのです」(満留助教)

 

●満留 敬人(みつどめ たかと)

2001年大阪大学基礎工学部卒業、06年同基礎工学研究科博士後期課程修了。博士(工学)。06年同基礎工学研究科特任助教、08年から現職。専門は触媒設計学。

●北河 康隆(きたがわ やすたか)

1998年大阪大学理学部卒業、03年同理学研究科博士後期課程修了。博士(理学)。03年同理学研究科助教、14年7月より現職。11年大阪大学功績賞(研究部門)、13年大阪大学総長奨励賞受賞。専門は量子化学。

●桑原 泰隆(くわはら やすたか)

2006年大阪大学工学部卒業、11年同工学研究科博士後期課程修了。博士(工学)。11年米ジョージア工科大学博士研究員、12年(独)産業技術総合研究所研究員、14年4月より現職。専門は材料化学、触媒化学、光化学。

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