StoryZ

阪大生にも、研究者にも、卒業生にも誰しも必ずある“物語”
その一小節があつまると大阪大学という壮大なドキュメンタリーを生み出します。
それぞれのStoryをお楽しみください。

専門教育レベルで体系的に学修

MLEでは、外国語学部の学生が文系各学部(文学、人間科学、法学、経済学)の授業を、文系学部の学生が外国語学部の授業を、それぞれ専門教育レベルで体系的に学修できる。

2017年度は、外国語学部の学生向けに、▽人文学(グローバル・アジア・スタディーズ)▽同(グローバル・ユーロ・スタディーズ)▽人間科学(共生の生態)▽法学・政治学▽経済学・経営学の5プログラム、文系学部の学生向けには、英語・英米文化学の1プログラムが開設され、現在117人の選抜された学生が履修している。

MLE運営協議会議長の大内一教授(外国語学部長)は、「大阪外国語大学との統合の成果を目に見える形で発揮する阪大ならではの取り組み。切磋琢磨し、良い相乗効果を生んでいます。履修生は、専攻と同じくらいの学問を修めたという自信を持って社会に出てほしい」と話す。


学部を超えて交流

学部を超えて、学生同士が交流するメリットも大きい。「受講生は、『自分を高める絶好の機会だ』と非常に意欲的。アンケートでは、『視野の広がりや教養の深まりを実感する』との意見が目立ちます」と担当教員の久保公人特任助教は話す。「幅広い分野の専門的な学問を修めることができる」「他学部の授業を受講して得た知識が自分の専門分野にも役立った」といった点に魅力を感じる学生も多いという。

国際学会等での発表準備を個人指導

もう一つの柱に「アカデミック・イングリッシュ・サポートデスク」がある。国際学会等での研究発表を念頭に置いた発信力を強化するため、専門性の高いネイティブ講師が英語でのプレゼンテーションスキルや英語添削の個別指導を行うものだ。全ての学部生、大学院生、教員、研究員、職員に門戸を開き、豊中、吹田、箕面の各キャンパスで受講の場を提供している。

2017年度は合計135人が受講し、うち58人が実際に国際学会での発表を行った。久保公人特任助教は、「他大学にはない非常に有意義かつぜいたくなプログラム。世界に羽ばたく若手の研究者にとっても刺激になる」と自信を見せる。

新たな組織体制で語学教育を充実

2018年4月からは新たに、文系学部学生向けのスペイン語・スペイン文化学のショートプログラムが追加されるほか、大学院副専攻プログラムとしての運用もスタート。また、学内全体の言語教育を担当する「マルチリンガル教育センター」との連携の可能性も検討されている。

「将来的には外国語学部の日本語を除く全24専攻語での言語プログラムを展開できれば と大内教授 「言語を習得した上で その言語圏の文化や文学、歴史にまで理解を深めていくのが本来の学問。真の意味でのグローバル人材を養成する環境を一層充実させたい」と意欲を語る。


履修生の声

視野が広がり 専攻へ学びの還元も
外国語学部モンゴル語専攻4年生 千島 奈々 さん

「人間科学(共生の生態)」を履修していて、人間の心理や行動を切り口として、国内の高齢者から海外の移民まで幅広いテーマの社会問題を学んでいます。他の受講生からも新鮮な刺激を受け、視野がすごく広がりました。また、欧州の福祉制度や東南アジアのコミュニティーケアなど、さまざまなトピックを知るごとに、「ではモンゴルではどうなのか」と思考が深まり、自分の専攻に学びを還元できるのもうれしいです。

就職が内定している商社では、柔軟に情報を取り入れることが大事だと聞きました。ここで得た学びの姿勢は、きっと仕事にも役立つと思います。

実践的な英語作文スキルを習得
●法学部国際政策学科3年生  堀之内 美穂 さん

大学では3年から必修の英語の授業がなく、このままではもったいないと思ったのがきっかけで、「英語・英米文化学」を受講しました。エッセイなどを英語で書く「アカデミックライティング」の授業は、非常に実践的な内容で、レベルの高い英語の知識が身につくのを実感します。文章の構成を練る力を習得し、英語でのプレゼンや日本語の作文能力の向上にもつながっています。

将来の夢は「航空管制官」。海外のパイロットともコミュニケーションを取る仕事なので、語学力は必須です。培ったスキルを生かし、目標に向かって進んでいきたいですね。

(本記事の内容は、 2018 2 月大阪大学 NewsLetter に掲載されたものです)

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