第18代総長 西尾 章治郎です。
大阪大学は、江戸時代の「懐徳堂」と「適塾」の学風と精神を受け継ぎ、大阪府市民ならびに大阪の政財界からの強い要望を受け、1931年(昭和6年)に第6番目の帝国大学として創立されました。そして、先進性とたゆまぬ挑戦性を基軸に教育研究に取り組み、我が国有数の研究型総合大学として現在も発展を続けています。
国立大学を取り巻く環境は、大学が「学問と教育の府」であるという本質は揺るがないものの急激に変化しています。グローバル化の推進、人材育成、産学連携、社学連携においても社会からの強い期待と要請があり、卓越した教育研究を推進することと並んで、地域や社会の負託に応えていくことも大学の重要な責務の一つとなっています。
大阪大学には、多様性を受け入れ、変化への柔軟性を発揮し、個性を貴ぶ気風があり、加えて、高度な教育研究力、教職員の和の力、伝統の重みと大阪の地の利が織りなす「基盤」と「力」を有しています。これらの優れた潜在力を活かし、多様な「知」が連携し合うこと(協奏)、また、卓越した「知」を教職員・学生が共に創出(共創)し続け社会や世界に還元していくこと、すなわち「知の協奏と共創」を究めることにより、大学の重要な責務を果たします。そして、全構成員が一丸となって潜在的な革新性をゆり起こし、「世界屈指の研究型総合大学」へと発展します。