○国立大学法人大阪大学研究成果有体物規程
(目的)
第1条 この規程は、国立大学法人大阪大学(以下「大阪大学」という。)における研究等の成果として生じた研究成果有体物の取扱いに関して必要な事項を定め、その適正な運用を図ることにより、研究成果有体物の移転及び学術・産業上の利用等の促進に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この規程において「研究成果有体物」(以下「成果有体物」という。)とは、次の各号のいずれかに該当する学術的・財産的価値のある試薬、材料、試料(微生物株、細胞株、ウイルス株、植物新品種、核酸、タンパク質、脂質、新材料、土壌、岩石等)、実験動物、試作品、モデル品、実験装置並びに各種研究成果情報を記録した電子記録媒体及び紙記録媒体等をいう。
(1) 研究等の際に創作され、又は取得されたものであって、研究等の目的を達成したことを示すもの。
(2) 研究等の際に創作され、又は取得されたものであって、前号に定めるものを得るために利用されるもの。
2 この規程において「部局」とは、各学部、各研究科、各附置研究所、医学部附属病院、歯学部附属病院、各学内共同教育研究施設、各全国共同利用施設その他これらに相当する組織をいう。
3 この規程において「部局長」とは、前項の部局の長をいう。
4 この規程において「教職員等」とは、総長、理事、教授、准教授、講師、助教、助手、常勤職員及び非常勤職員で、研究に従事する者をいう。
5 この規程において「職務上」とは、成果有体物を得られるに至った教職員等の行為がその性質上大阪大学の研究・教育等の範囲に属し、かつ、当該教職員等の大阪大学における職務に属するものをいう。
(成果有体物の帰属)
第3条 教職員等が大阪大学において職務上又は大阪大学の設備等を使用して得た成果有体物の所有権は、原則として大阪大学に帰属する。
2 教職員等が大阪大学以外の機関(以下「外部機関」という。)において得た成果有体物は、あらかじめ締結した契約書等の定めに基づき、その帰属を決定する。
(1) 成果有体物の名称
(2) 成果有体物を創作し、又は取得した責任者の氏名及び住所並びにその寄与の程度
(3) 成果有体物の創作又は取得に寄与した者の氏名及び住所並びにその寄与の程度
(4) 移転先の機関の名称及び住所
(5) 前各号に掲げるもののほか、当該成果有体物に関し必要な事項
2 無償で移転する場合又は移転しない場合であっても、成果有体物を創作し、又は取得したときは、前項と同様に届け出ることができる。
(成果有体物の管理)
第5条 総長は、前条の規定による届出があった場合において、その届出に係る成果有体物について本学が管理することが適切であると認めるときは、当該部局の管理責任者に管理させることができる。
2 総長は、当該成果有体物が前項に定めるもの以外の場合は、研究開発を行った教職員等に管理させる。
4 機関管理又は教職員等管理において、経理責任者又は教職員等は、成果有体物の管理状況等を台帳、データベース等で記録しなければならない。
(外部機関への提供及びその承認)
第6条 大阪大学は、次条に定める場合を除き、外部機関から成果有体物の提供を求められた場合は、原則として、提供先が非営利機関のときは無償で、営利機関のときは有償で提供することができる。成果有体物の提供に当たり、教職員等は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 国内非営利機関へ提供する場合は、当該成果有体物の取扱いに関する条件を明記した研究成果有体物移転契約書を締結すること。
(2) 国内営利機関又は海外機関へ提供する場合は、当該成果有体物及び知的財産権等の取扱いに関する諸条件を詳細に明記した研究成果有体物移転契約書又はマテリアル・トランスファー・アグリーメント(Material Transfer Agreement:MTA)を締結すること。
(3) 教職員等は、成果有体物を提供しようとするときは、副機構長と協議のうえ、当該移転契約書(案)に第4条に定める研究成果有体物届出書(有償で提供する場合)を添えて、総長に提出し、その承認を得ること。
(4) 外部機関が、大阪大学から提供された成果有体物を用いて知的財産を創作した場合は、教職員等は、副機構長にその旨を報告すること。副機構長は、教職員等及び外部機関と協議の上、その知的財産権の取扱いについて、事前に締結した研究成果有体物移転契約書に従って決定すること。
2 成果有体物の移転の決定は、総長が行うものとし、総長は、これを副機構長に専決させるものとする。
(成果有体物の提供の禁止)
第7条 教職員等は、成果有体物が次のいずれかに該当する場合は、当該成果有体物を他に提供してはならない。ただし、次のいずれかに該当する場合であっても、公共の利益となる教育・研究の目的で提供されるときは、この限りでない。
(1) 法令及び大阪大学の規程等に違反するもの。
(2) 国及び大阪大学の定める倫理指針に違反するもの。
(3) 外部機関の研究者が作製したもので、提供が禁止されているもの。
(4) 個人の情報が特定され得るもの。
(5) 臨床由来のヒト試料。
(成果有体物の対価の納入)
第8条 有償で大阪大学から成果有体物の提供を受ける者は、当該成果有体物の対価を大阪大学が発する請求書に定める納入期限までに大阪大学の指定する銀行口座に振り込むものとする。
2 大阪大学の指定する銀行口座への入金等に係る手数料は、当該成果有体物の移転先機関の負担とする。
(教職員等への補償)
第9条 大阪大学は、成果有体物の提供により収入を得た場合は、その収入金額の3分の1を補償金として当該成果有体物の創作又は取得に寄与した教職員等に支払い、その収入金額の6分の1を当該教職員等の所属する部局に還元する。
2 成果有体物を創作し、又は取得した教職員等が複数であるときは、当該補償金は、創作又は取得の寄与の程度に応じて按分する。
3 成果有体物を創作し、又は取得した教職員等が異動し、又は退職した場合は、当該補償金は、前2項の規定を準用して支払う。ただし、異動又は退職後の連絡先が共創機構へ届けられていない場合は、補償金の支払いを行わないことができる。
(外部機関からの受入れ及びその承認)
第10条 大阪大学は、学術・研究の交流を目的として、外部機関から成果有体物の提供を受け入れることができる。成果有体物の受入れに当たり、教職員等は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 当該成果有体物の提供を受け入れる際に、外部提供機関又は当該機関の研究に関わる者から同意を得ること。
(2) 当該成果有体物の提供を受け入れること及び受入れの条件が法令及び大阪大学の規程等に抵触しないことを確認すること。
(3) 提供を受ける成果有体物の取扱い等について文書をもって確認する必要がある場合は、相手方と文書を取り交わすこと。
(4) 提供を受ける成果有体物の受入れの条件に当該成果有体物を用いた研究等により生じた知的財産権(大阪大学発明規程第3条第9号に規定する知的財産権をいう。)の帰属の決定に関する事項が含まれている場合は、文書をもって確認するものとし、当該文書を副機構長に提出すること。
(5) 当該成果有体物の提供を受けた場合は、外部機関の同意を示す文書は次項に定める受入れの決定を行った者が保管すること。
2 成果有体物受入れの決定は、研究代表者が行う。ただし、前項第4号に定める場合における受入れの決定は、副機構長が行う。
(秘密の保持)
第11条 教職員等は、外部機関から提供された成果有体物について、既に公表されたもの、公表することが認められたもの及び秘密を保持することを約した契約等の締結の下に特定の者に開示することが認められたものを除き、公表し、又は開示してはならない。
2 教職員等は、外部機関から提供された成果有体物を当該外部機関の許可なく合意された者以外に提供してはならない。
3 教職員等は、その身分を失った以降は、教職員等であった期間中に創作し、又は取得した成果有体物を大阪大学の許可なく持ち出してはならない。
4 教職員等は、異動又は離職後2年間は、在職中に大阪大学において知りえた成果有体物について、既に公表されたもの、公表することが認められたもの又は契約等において開示することが認められたものを除き、部局長の承認を得ずに、公表し、又は開示してはならない。
(免責)
第13条 第6条に定める研究成果有体物移転契約書及びマテリアル・トランスファー・アグリーメントは、当該成果有体物の大阪大学から外部機関への移転及び移転先外部機関による当該成果有体物の使用、保存、処理又は廃棄により生じる身体上又は財産権上の損失又は責任から大阪大学を免責するものとしなければならない。
(雑則)
第14条 この規程に定めるもののほか、成果有体物の取扱いに関し必要な事項は、別に定める。
附則
この規程は、平成16年4月1日から施行する。
附則
この改正は、平成17年4月1日から施行する。
附則
この改正は、平成19年4月1日から施行する。
附則
この改正は、平成20年4月1日から施行する。
附則
この改正は、平成23年4月1日から施行する。
附則(抄)
(施行期日)
1 この改正は、平成24年4月1日から施行する。
附則
この改正は、平成27年4月1日から施行する。
附則
この改正は、平成29年4月1日から施行する。
附則
この改正は、平成30年1月1日から施行する。
附則
この改正は、平成31年4月1日から施行する。
附則
この改正は、令和元年8月26日から施行する。
附則
この改正は、令和2年4月1日から施行する。
附則
(施行期日)
1 この改正は、令和2年11月1日から施行する。
(経過措置)
2 この改正施行前に第4条に規定する届出があった成果有体物に係る補償金の還元については、改正後の第9条第1項の規定にかかわらず、なお従前の例による。