研究振興局学術研究助成課に配属され、科学研究費助成事業(科研費)※に関する業務を行っていました。研修中は、主に、新学術領域研究という種目の審査・評価業務に携わりました。助成する課題は、審査員(研究者)による書面審査や意見聴取審査等を経て選定され、研究を開始して3年目と研究期間終了後に評価を受けます。それら審査や評価に必要な段取りをすることが主な仕事でした。具体的には、審査員への審査の依頼やスケジュール管理、審査結果のとりまとめ、それらに関する資料作成、意見聴取の日程調整や会場設営等です。その他、研究機関や研究者からの問い合わせへの対応も日々の重要な業務でした。 ※科研費は、年間助成額が2,000億円以上にもなる日本最大の競争的資金制度で、自然科学から社会科学まであらゆる分野を対象に、研究者から応募された研究課題について内容を審査した上で選定し助成を行うものです。

凝縮された濃い1年でした。長かったような短かったような不思議な感じがします。仕事内容もさることながら、人との出会いや、その中で感じたり考えたりした経験が研修の醍醐味だと思います。

数か月おきに課内の複数の係を異動していたため、短期間のうちに多くの上司のもとで仕事をすることになりましたが、それぞれ異なる仕事の進め方、表現の仕方、仕事に対する考え方に触れられたのは、これから自分のスタンスを確立していく上で有意義だったと感じます。全国から集まった研修生と知り合えたのもこの研修ならではのことで、これからも大切にしたいご縁です。

大学というのは教育や研究の場であるだけでなく、それらを通して地域や国や人類の発展に密接に関わる場所、関わることが期待されている場所だと、研修を通じて実感しました。ちょっと大げさなようですが、そういう意識で仕事をされている方がたくさんいらっしゃいます。大阪大学という現場意識を大切にしつつも、社会や世界の文脈の中で大学のことを考えられる職員になりたいです。現実は毎日の業務で精いっぱいなんですけどね。