総長

大阪大学総長の西尾がみなさまからの質問にお答えします 大阪大学ってどんなところ?
素朴な質問のようで、
答えられる方は実は少ないんじゃないかと思います。

今回、2017年・春の特別企画として、
大阪大学の「西尾総長」がみなさまの質問をもとに、
素朴な疑問から普段語られることのない話にまで答えます。

回を重ねるごとに、話も深まっていくのでお楽しみに。
それではようこそ、大阪大学へ。

今回採用された質問はこちら

IFReCと中外製薬・大塚製薬との共同研究はなにを目指しているんですか

今年から阪大に導入される、若手研究者の任期10年ポストについてなにかありますか

いちょうの形の校章を使った阪大グッズが色々ありますね。総長は何か身に付けていますか?

総長への質問はこちらから
西尾
こんにちは、大阪大学総長の西尾です。
今回はどんな感じですか?
安田
全体的に固めの質問が多かったです。
前回の記事の影響でしょうか。
ということで、今回は固めな話が多めになるかと思います。
西尾
本当に色々な方向からの質問が集まってますよね。
安田
ありがたいことです。
みなさまの期待に答えられる回答、楽しみにしてますので。(笑)
総長がどんな答えを返してくれるのか、皆さん楽しんでいるんではないでしょうか?
西尾
ははは。
お手柔らかにお願いします。(笑)

安田
かなりマジメな質問です。
大阪府の阪大のなかのひとさんのほか、4人からいただいてます。
「IFReCと中外製薬・大塚製薬との共同研究はなにを目指しているんですか」です。
少し説明しますと、IFReCは大阪大学にある免疫学フロンティア研究センターのことで、
その名の通り免疫学の研究をしている場所です。
2016年の5月に中外製薬、2017年の2月に大塚製薬と一緒に研究をしましょうよ、
という契約を結びました。これに関しての質問ですね。
西尾
まずね、それ「共同研究」じゃないですから。
「包括連携契約」が正しい。
安田
よくあるオトナの言葉遊びなのかなと思ってましたが。
西尾
いやいやいや、中身が全く違う。
まず、「共同研究」っていうのは今ある有望なシーズに対して、
一緒に研究をしましょう、というものです。
すでにあるシーズを育てるイメージ。
安田
はい。
私も「共同研究」の理解はそうです。
西尾
今回の「包括連携契約」はIFReCでやるほぼ全ての基礎研究に対して、
企業が研究費を出しましょう、というもの。
今あるシーズを育てるんじゃなくて、
シーズを新たに生み出すためにサポートします、というイメージ。
そこで何か良い結果が出たら、
また改めて「共同研究」契約をしましょう、となってる。
安田
IFReCは自由に基礎研究ができる、
連携した企業は、その結果を見ながら、
良さげなシーズがあればそれをさらに発展できる、という感じですか。
西尾
それで間違いない。
これは、「共同研究」とは全く異なる新しい企業・大学連携のスタイルだと思ってますよ。
こういう新しい枠組みを積極的に作ることも総長の仕事。
安田
以前の「自分では研究できない分も含めて、
大阪大学の教員にはめいっぱい研究できる環境を作りたいと思って動いています」
の具体的なひとつがこれだったんですね。
西尾
大阪大学という場所がトライアンドエラーができる場所であり続けられるように、
と思っていろいろやっているうちの、ひとつだと思ってもらえれば嬉しいね。

安田
こちらもマジメな質問です。
福岡県のまだ若手さんのほか、3人からいただいてます。
「今年から阪大に導入される、若手研究者の任期10年ポストについてなにかありますか」です。
これは今年の2月に報道された件ですね。
西尾
これはね、阪大微生物病研究会(BIKEN)の山西理事長との話から始まったもの。
阪大も含めた日本では、若手のポジションが減っている。
ポジションがあったとしても任期5年。
これでは大阪大学の若手研究者は育たない。
この危機感を山西理事長にお話したら、ぜひ協力したいと言っていただけて。
安田
新聞記事にあった「BIKENからの寄附ではじめる」のきっかけには、
そういう背景があったんですね。
それにしても任期最大10年は良い環境ですよね。
5年だと実質3年半くらいしか研究できないので。
立ち上げや次への移籍準備でそれぞれ1年弱はかかりますし。
西尾
5年と10年は全く違うと思って仕組み作りをしています。
そして、ここで採用された若手には研究以外の業務をできるだけさせない。
安田
●●●●とかのああいうやつですか。
(注:ご自由にご想像ください)
西尾
ええ。
名実共に若手が研究に没頭できる環境にしたいと思いながら作ってます。
安田
今回、個人への金銭的なサポートという形ではなくて、
新しく「高等共創研究院」という組織をつくりました。
西尾
採用された同じ立場の同志ときちんと交流できる仕組みを作ること、
研究以外の業務に対して事務職員のサポートを受けられるようにすること、
を目指して組織を作りました。
そういうサポートいるでしょ?
安田
あるといいですね。
特に研究をきちんとサポートしてくれると心強いですよ。
西尾
そう言ってもらえてよかった。
若手のみなさんがどう思われるかわかりませんが、
執行部一同、時間をかけて練りに練って作った仕組みです。
ぜひにふるってご応募いただければと思います。よろしくお願いします。

安田
マジメな話題が続きましたので、最後は軽いのを。
岐阜県の毎日ひるねさんからの質問です。
「いちょうの形の校章を使った阪大グッズが色々ありますね。総長は何か身に付けていますか?」
大阪大学グッズ、いろいろありますよね。
ボールペンとか瓦せんべいとか。
西尾
こう見るとかなり種類あるんだよね。
最近はコーヒーもあるよね。あれ飲んだ?
安田
まだ飲んでないです。
私はコーヒーに疎いので...
味の違いがわからなさそうでためらってます。(笑)
西尾
担当の人の自信作らしいからぜひ飲んでみて。
この前の卒業式や入学式でも好評だったみたい。
読者のみなさまにもおすすめしますのでぜひ。
安田
そこまでですか。(笑)
帰りにでも買ってみます。
さて、質問は「総長は何か身に付けていますか?」とのことですが、いかがですか。
西尾
ボールペン持ってたんだけどね。
この前なくしちゃってね... 結構使ってたのにな...

西尾
さて、今回でいったん区切りと聞いています。
安田
春の特別企画としてはじまりまして、
そろそろ夏なので...
西尾
夏なのでおわります、と。
安田
そのとおりです。
西尾
ということで今回で一度この企画は終わります。
が、質問が貯まったらまたやるかもしれません。
安田
硬軟どんな質問でも総長は受けて立ちますので、
みなさまからの質問をお待ちしています。
西尾
勝手に宣言されてしまいました。(笑)
どこまでお答えできるか自信はないですが、お待ちしております。
それではまたの機会にお会いしましょう。