OSAKA UNIVERSITY GUIDEBOOK 2015
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特集教育システム教育環境インフォメーション学部紹介医学部(医学科)よくある質問?!医学部医学科にしかないものってなんですか?附属病院に開設した未来医療センターをはじめ、難病克服を目指す研究体制・設備は他大学にはないものです。QA■Topicsスウェーデン・ウメオ大学から招へいした、Sven Carlsson教授(遺伝学教室)によるセミナー。細胞内に侵入した病原性細菌(黒い球)を包み込むオートファジーの装置(矢印)。エクリズマブ不応例で認められた捕体C5上の遺伝子多型(NEJM, 370, 632, 2014)。 医学科国際交流センターでは、海外の協定校(オランダ、マレーシア、台湾)での臨床実習プログラムによって、多くの学部生を海外派遣し、現地の医学部学生や他の国からの留学生と交流しながら勉強することができます。また、逆に海外の大学生・大学院生が本学部で研究・臨床実習を行うプログラムもあり、実質的な交流を行っています。海外の研究者や、国内外で活躍する日本人研究者・医師、留学経験者によるセミナーを定期的に行い、「地域に生き世界に伸びる」医学生の支援を行います。 細胞がもつ「物質分解システム・オートファジー」は、細胞内部に現れるさまざまな有害なもの(壊れた小器官から病原体まで)を包み込んで分解除去する働きのことで、それによって健康が維持されていることがわかってきました。オートファジーが低下すると、がん、アルツハイマー病、2型糖尿病、心不全、種々の炎症性疾患、感染症などを発症します。オートファジー研究で世界をリードする本学部の吉森保教授のグループは、オートファジーの制御によるそれらの疾患の予防・治療を目指しています。 造血幹細胞を頂点とする造血システムでは、外部環境からの刺激や細胞内蛋白の相互作用を介して遺伝子発現が厳密に調節されます。私たちは、血液細胞の産生や機能を制御する分子を同定し、造血器疾患の病因・病状の背景に潜む分子メカニズムを解析しています。とくに、SATB1がリンパ球初期分化を促進させること、研究室で発見したアナモルシンが鉄代謝に関わること、発作性夜間血色素尿症の治療薬エクリズマブに対する不応症例が特定の遺伝子多型を有すること(図)などが、最近のおもな成果です。医学科国際交流センター「地域に生き世界に伸びる」医学生をサポート。予防・治療法の開発世界をリードするオートファジー研究。造血器疾患の解明病因・病状の背景に潜む分子メカニズムを解析。 本学部は、高い倫理観を有し、サイエンスを基盤として医学・生命科学に取り組み、世界の医学界をリードできる優秀な医師や医学研究者の育成に努めてきました。育成に必要な、学生が主体的に学べる教育体制が確立されています。この絶好の環境を最大限に利用し、高い目標を持って何ごとにもチャレンジしてください。あなた方の能力は、無限です。 私が考える大阪大学医学部医学科の魅力は「バランス」だと思います。医学の分野はもちろんのこと、学生、先生方、校風いずれにおいても型にはまりすぎず柔軟性があり、バランスがとれていると感じます。自分のスタイルを非常に合わせやすい場所であり、医学の基礎をきちんと学びながら、自分の時間もしっかりと持つことができます。高い目標を掲げ、何ごとにもチャレンジを。金田 安史大学院医学系研究科長・医学部長専門分野:遺伝子治療学「バランス」のとれた、魅力的な環境。原田 昭和広島県広島学院高校出身医学科6年生在学生からのメッセージ教授からのメッセージ35

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