OSAKA UNIVERSITY GUIDEBOOK 2015
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よくある質問?!特集教育システム教育環境インフォメーション 文学部には、研究活動を通じて蓄積された貴重な資料がたくさんあります。約50年前に、大阪府野中古墳の発掘調査で出土した11組の鉄製甲冑(ヨロイ・カブト)もそのひとつ。5世紀のヤマト政権が、軍事力を基盤に大阪平野で大きな発展を遂げたことを物語るものです。この甲冑を最新の技術で保存修理し、将来にわたって研究教育の資産にするとともに、文化財として市民の方々に公開する取り組みが、文化庁、大阪府、大阪大学総合学術博物館などとタイアップして進められています。 2012年4月から始めたタンデム学習プロジェクトでは、留学生と日本人学生がペアになり、互いに相手の言葉を学ぶのを助け合っています。自由参加の課外活動ですが、この2年間で120人ほどにパートナーを紹介しました。自分の都合のよい時に、自分の学びたいことを自分にあった方法で学べるうえ、お互いに学習者なので、気兼ねなく質問したり練習したりできると好評です。なかには、タンデム学習のおかげで留学を考えるようになったという人もいます。運営にはステューデント・スタッフが活躍しています。出土文化財の保存と活用野中古墳プロジェクトの推進。 適塾と並んで大阪大学の源流とされているのが、江戸時代の大坂学問所「懐徳堂」です。1724年に大坂町人によって創設された漢学塾で、約140年にわたり大坂の学術と文化の発展に寄与しました。現在、この懐徳堂をさまざまな技術を使って復元しようというプロジェクトが進められています。旧学舎の姿をCG「バーチャル懐徳堂」として、また、5万点にもおよぶ貴重資料はデータベースとして、いずれも、懐徳堂研究の総合サイト「WEB懐徳堂(http://kaitokudo.jp/)」で公開しています。復元プロジェクトかいとくどうよみがえる大坂学問所「懐徳堂」。タンデム学習授業でなくても外国語は学べる。■Topics野中古墳の甲冑群。1つの古墳から出土した数では全国でも3指に入る。CGで復元された懐徳堂講堂部。ここに町人と武士が机を並べて、漢文を学んだ。参加者懇親会の記念写真在学生からのメッセージ 18世紀の啓蒙思想家ヴォルテールは、宇宙人ミクロメガスの眼を通して、地球の文明を「奇妙」なものとして捉えました。他者の眼で自分を見ること、それは社会風刺、文明批評であるとともに、客観性へ至る方法でもありました。本学部は、古今東西の言語、思想、歴史、文学、芸術など人間が創り育んできた多彩な文化事象を対象として、「奇妙」を「知」に変換する場です。 高校時代に日本史に興味をもち、もっと勉強したいと思って日本史学専修を選びました。最初は高校教科書とのギャップに戸惑いましたが、自分の足で史跡を歩いたり、古文書に実際に触れたりすることで新たな発見が多くあり、歴史に対する視野が大きく広がりました。偉大な先生方・先輩方のいらっしゃる恵まれた環境で、大好きな日本史を学べる幸せに感謝しています。文化を「奇妙」と捉え、「知」に変換。和田 章男大学院文学研究科長・文学部長専門分野:フランス文学もっと勉強したい、に応えてくれる。三島 寛子愛媛県立今治西高校出身人文学科4年生学部紹介教授からのメッセージ文学部本が好きな学生が多いって本当ですか?普通の本はもちろんですが、映画や美術・音楽作品、古文書や地図などに取り憑かれる人も多いようです。QA23

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