○大阪大学における人を対象とする生命科学・医学系研究に関する規程

(総則)

第1条 大阪大学(以下「本学」という。)における人を対象とする生命科学・医学系研究(人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(令和3年文部科学省・厚生労働省・経済産業省告示第1号。以下「指針」という。)第2(1)に規定する人を対象とする生命科学・医学系研究をいい、指針第3の規定により指針が適用される研究に限る。以下同じ。)(以下「生命科学・医学系研究」という。)に関しては、この規程に定めるもののほか、指針に定めるところによる。

(定義)

第2条 この規程における用語の定義は、指針に定めるもののほか、次に定めるところによる。

(1) 部局 各研究科、各学部、各附属病院、各附置研究所、各学内共同教育研究施設、各全国共同利用施設その他これらに相当する組織のうち、生命科学・医学系研究を実施する組織をいう。

(2) 部局長 部局の長をいう。

(3) 研究試料 研究に用いる血液、組織、細胞、体液及び排泄物やこれらから抽出したDNA等の人の体から取得されたもの(死者から提供された試料を含む。)及び提供者の診療情報をいう。ただし、研究とその評価により学術的な価値が定まり、研究実績として十分に認められ、研究用に広く一般に利用され、さらに一般に入手可能な試料・情報又は個人に関する情報に該当しない既存の情報若しくは既に作成されている匿名加工情報は除く。

(部局長への委任)

第3条 総長は、指針第5の2(7)の規定に基づき、次に掲げる事項に係る研究機関の長等としての権限又は事務を、生命科学・医学系研究を実施する各部局の部局長に委任する。

(1) 指針第3の3に規定する日本国外において実施される研究に関する事項

(2) 指針第5に規定する研究機関の長の責務等に関する事項

(3) 指針第6に規定する研究計画書に関する手続に関する事項

(4) 指針第7に規定する研究計画書の記載事項に関する事項

(5) 指針第8に規定するインフォームド・コンセントを受ける手続等に関する事項

(6) 指針第9に規定する代諾者等からインフォームド・コンセントを受ける場合の手続等に関する事項

(7) 指針第11に規定する研究に係る適切な対応と報告に関する事項

(8) 指針第13に規定する研究に係る試料及び情報等の保管に関する事項

(9) 指針第14に規定するモニタリング及び監査に関する事項

(10) 指針第15に規定する重篤な有害事象への対応に関する事項

(11) 指針第18に規定する個人情報の保護等に関する事項

2 部局長は、その部局において実施する生命科学・医学系研究の全部又は一部に関し、当該部局が定めるところにより、当該部局において行われる生命科学・医学系研究の内容及び実施体制その他の事情に照らし適当であると認められる他の部局の部局長に、その同意を得て、前項の規定により委任された権限又は事務の全部を一括して委任することができる。

3 前項の規定による委任を受けた部局長は、指針又はこの規程に基づく業務を実施するために必要と認められる場合には、その必要と認められる限度において、当該委任をした部局長の部局の研究者等に指示をすることができる。

4 第2項の規定による委任を行った部局長は、その部局における生命科学・医学系研究の適正な実施を確保するために必要と認められる場合、指針又はこの規程に基づき当該委任を受けた部局長が行う業務に関し、その求めに応じ、当該部局長に対して必要な協力を行うものとする。

5 第2項の規定による委任を行ったときは、部局長は、遅滞なく総長にその旨を報告しなければならない。

(総長の責務)

第4条 総長は、本学における生命科学・医学系研究について総括し、次に掲げる業務を行うものとする。

(1) この規程の改廃その他の重要事項について、大阪大学研究倫理審査委員会の意見を聴き、必要な措置を講じること。

(2) 前条第1項の規定により委任した事項の実施状況について、年1回程度点検を行うこと。

(3) 部局長又は研究責任者に対し、必要に応じて、生命科学・医学系研究の実施状況に関して報告を求め、又は留意若しくは改善すべき事項を示してこれに対応するよう指示すること。

2 総長は、生命科学・医学系研究に関し、その業務上知り得た情報を正当な理由なく漏らしてはならない。その業務に従事しなくなった後も同様とする。

(部局長の責務)

第5条 部局長は、担当部局(第3条第1項又は第2項の規定により受けた権限又は事務の委任に係る部局をいう。以下同じ。)において実施する生命科学・医学系研究に関し、指針に従って、総括的な監督、生命科学・医学系研究を適正に実施するために必要な体制及び規程(試料・情報の取扱いに関する事項を含む。)の整備、生命科学・医学系研究の実施等に関する許可、有害事象等の発生時における対応、個人情報の保護その他担当部局における生命科学・医学系研究の適正な実施のために必要な業務を行う。

2 部局長は、担当部局において指針の規定に基づく文部科学大臣又は厚生労働大臣への報告が必要となる事象が生じたときその他必要と認めるときは、速やかにその内容を総長に報告するものとする。

3 部局長は、総長に対し、毎年度終了後遅滞なく、担当部局における生命科学・医学系研究の実施状況を報告しなければならない。

4 部局長は、担当部局において実施する生命科学・医学系研究を終了したときは、速やかにその旨を総長に報告しなければならない。

5 部局長は、生命科学・医学系研究に関し、その業務上知り得た情報を正当な理由なく漏らしてはならない。その業務に従事しなくなった後も同様とする。

(研究者等の責務)

第6条 研究者等は、研究対象者の生命、健康及び人権を尊重して、生命科学・医学系研究を実施しなければならない。

2 研究者等は、法令、指針及びこの規程を遵守し、倫理審査委員会の審査を経て権限を有する部局長の許可を受けた研究計画書に従って、適正に生命科学・医学系研究を実施しなければならない。

3 研究者等は、第3条第3項の規定による指示を受けた場合、これに従わなければならない。

4 研究者等は、生命科学・医学系研究に関し、その業務上知り得た情報を正当な理由なく漏らしてはならない。その業務に従事しなくなった後も同様とする。

(倫理審査委員会の設置)

第7条 部局に、指針第8章に規定する倫理審査委員会を設置するものとする。ただし、その設置が困難である特別な事情がある場合は、この限りでない。

2 前項の倫理審査委員会を設置する部局においては、当該倫理審査委員会が指針第8章の規定に適合するよう、その組織及び運営に関し必要な事項について定めるものとする。

(倫理審査委員会による審査等)

第8条 指針の規定に基づく倫理審査委員会による生命科学・医学系研究の実施の適否に関する審査その他の行為(以下この条において「審査等」という。)は、当該審査等に係る生命科学・医学系研究に係る研究責任者その他の者が所属する部局に設置された倫理審査委員会において行うものとする。ただし、他の部局又は他の研究機関との多機関共同研究を実施する場合であって当該他の部局又は他の研究機関の倫理審査委員会による一括した審査を受ける場合は、この限りでない。

2 前項の規定にかかわらず、前条第1項ただし書に規定する事情により当該部局に倫理審査委員会が設置されない場合その他特別な事情がある場合は、大阪大学研究倫理審査委員会又は他の部局に設置された倫理審査委員会において審査等を行うことができる。

3 大阪大学研究倫理審査委員会又は部局の倫理審査委員会は、前項の規定により審査を行った後、継続して当該審査に係る生命科学・医学系研究の研究責任者から当該生命科学・医学系研究に関する審査を依頼された場合は、その審査を行い、及び意見を述べなければならない。

(営利団体への研究試料等の提供)

第9条 研究責任者は、研究試料又はそれから得られた遺伝情報を営利を目的とする団体等に提供しようとする場合は、部局長を通じて、総長に申し出なければならない。

(雑則)

第10条 この規程に定めるもののほか、この規程の実施に際し必要な事項は、別に定める。

(施行期日)

1 この規程は、令和3年6月30日から施行する。

(大阪大学におけるヒトゲノム研究に関する規程等の廃止)

2 次に掲げる規程は、廃止する。

(1) 大阪大学におけるヒトゲノム研究に関する規程(平成12年10月18日制定)

(2) 大阪大学における人を対象とする医学系研究に関する規程(平成27年3月17日制定)

(経過措置)

3 この規程の施行の際現に前項の規定による廃止前の大阪大学におけるヒトゲノム研究に関する規程又は大阪大学における人を対象とする医学系研究に関する規程の規定により実施中の研究については、なお従前の例による。

この改正は、令和4年4月1日から施行する。

大阪大学における人を対象とする生命科学・医学系研究に関する規程

令和3年6月29日 第1編第4章 研究推進

(令和4年4月1日施行)