○国立大学法人大阪大学営利企業の役員兼業及び自営の兼業に関する取扱い規程
第1章 総則
(目的)
第1条 この規程は、国立大学法人大阪大学教職員兼業規程第4条第3項及び第5条第2項の規定に基づき、営利企業の役員兼業及び自営の兼業に関する取扱いを定めることを目的とする。
第2章 営利企業の役員兼業
第1節 技術移転兼業
(技術移転企業の役員の兼業)
第2条 教員又は研究員(以下「教員等」という。)が技術移転企業の役員の職を兼ねる場合(以下「技術移転兼業」という。)には、総長の許可を受けなければならない。
(技術移転企業)
第3条 この規程において「技術移転企業」とは、営利企業を営むことを目的とする会社その他の団体であって、次のいずれかの事業を実施するものをいう。
(1) 大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律(平成10年法律第52号。以下「大学等技術移転促進法」という。)第2条第1項に規定する特定大学技術移転事業(大学等技術移転促進法第5条第2項に規定する承認計画に係るものに限る。以下「承認事業」という。)
(2) 大学等技術移転促進法第11条第1項の認定に係る事業又は特許法(昭和34年法律第121号)第109条の2第3項第5号の事業(以下「研究機関認定事業等」という。)
(技術移転兼業の許可基準)
第4条 総長は、教員等から技術移転兼業の申請があった場合、当該兼業が次に掲げる基準のいずれにも適合すると認めるときは、これを許可するものとする。
(1) 技術移転兼業を行おうとする教員等が、技術移転企業の役員としての職務に従事するために必要な技術に関する研究成果又はその移転について、特許権、実用新案権等に関する法制度等についての知見を有していること。
(2) 教員等が就こうとする役員としての職務内容が、主として承認事業又は研究機関認定事業等に関係するものであること。
(3) 教員等と申請に係る技術移転企業(その親会社を含む。)との間に、特別な利害関係がなく、又はかかる利害関係が発生するおそれがないこと。
(4) 兼業の申請前2年以内に、教員等が当該申請に係る技術移転企業との間に、特別な利害関係のある職を占めていた期間がないこと。
(5) 兼業により、教員等としての職務の遂行に支障を生じないこと。
(6) 兼業による心身の疲労により、職務遂行上その能率に悪影響が生じないこと。
(7) 兼業により、大学の信用を傷つけ、又はその不名誉となるおそれがないこと。
(8) その他、兼業により、職務の公正さ及び信頼性の確保に支障が生じないこと。
2 前項第2号に規定する「主として承認事業又は研究機関認定事業等に関係するもの」とは、次に掲げる場合をいう。
(1) 教員等が技術移転企業の代表取締役社長の職に就こうとする場合において、当該技術移転企業の主たる事業が承認事業又は研究機関認定事業等であるとき
(2) 教員等が技術移転企業の業務担当取締役の職に就こうとする場合において、主たる担当業務が承認事業又は研究機関認定事業等に関係するものであるとき
3 第1項の許可は、役員の任期等を考慮して定める期限を付して行うものとする。
(技術移転兼業の報告及び公表)
第5条 許可を受けて技術移転兼業を行う教員等は、兼業の状況について、次に掲げる事項を1年ごとに総長に報告しなければならない。
(1) 氏名、所属及び職名
(2) 技術移転企業の名称
(3) 技術移転企業の役員としての職務内容
(4) 技術移転企業の役員としての職務に従事した日時等
(5) 技術移転企業から受領した報酬及び金銭、物品その他の財産上の利益(実費弁償を除く。)の種類及び価額並びにその受領の事由
2 総長は、1年ごとに、技術移転兼業の状況について、前項各号に掲げる事項を公表するものとする。
(技術移転兼業の許可の取消し)
第6条 総長は、技術移転兼業が第4条第1項各号に掲げる許可の基準に適合しなくなったと認めるときは、その許可を取り消すものとする。
(技術移転兼業終了後の業務の制限)
第7条 総長は、技術移転兼業の終了した日から2年間は、当該技術移転兼業に従事した教員等を、技術移転企業との間に特別な利害関係のある業務に従事させてはならない。
第2節 研究成果活用兼業
(研究成果活用企業の役員の兼業)
第8条 教員等が研究成果活用企業の役員の職を兼ねる場合(以下「研究成果活用兼業」という。)には、総長の許可を受けなければならない。
(研究成果活用企業)
第9条 この規程において「研究成果活用企業」とは、営利企業を営むことを目的とする会社その他の団体であって、教員等の研究成果を活用する事業を実施するものをいう。
(研究成果活用兼業の許可基準)
第10条 総長は、教員等から研究成果活用兼業の申請があった場合、当該兼業が次に掲げる基準のいずれにも適合すると認めるときは、これを許可するものとする。
(1) 研究成果活用兼業を行おうとする教員等が、当該申請に係る研究成果活用企業の事業において活用される研究成果(特許権、実用新案権等として権利化されたもののほか、論文、学会発表等の形で発表されているものを含む。)を自らが発明、考案等(その帰属は問わない。)していること。
(2) 教員等が就こうとする役員としての職務内容が、主として研究成果活用事業に関するものであること。
(3) 教員等と申請に係る研究成果活用企業(その親会社を含む。)との間に、特別な利害関係がなく、又はかかる利害関係が発生するおそれがないこと。
(4) 兼業の申請前2年以内に、教員等が当該申請に係る研究成果活用企業との間に、特別な利害関係のある職を占めていた期間がないこと。
(5) 教員等が就こうとする役員としての職務内容に、大学との契約の締結に係る折衝の業務(研究成果活用事業に関係する業務を除く。)が含まれていないこと。
(6) 兼業により、教員等としての職務の遂行に支障を生じないこと。
(7) 兼業による心身の疲労により、職務遂行上その能率に悪影響が生じないこと。
(8) 兼業により、大学の信用を傷つけ、又はその不名誉となるおそれがないこと。
(9) その他、兼業により、職務の公正さ及び信頼性の確保に支障が生じないこと。
2 前項第2号に規定する「主として研究成果活用事業に関係するもの」とは、次に掲げる場合をいう。
(1) 教員等が研究成果活用企業の代表取締役社長の職に就こうとする場合において、当該研究成果活用企業の主たる事業が研究成果活用事業であるとき
(2) 教員等が研究成果活用企業の業務担当取締役の職に就こうとする場合において、主たる担当業務が研究成果活用事業に関係するものであるとき
4 第1項の許可は、役員の任期等を考慮して定める期限を付して行うものとする。
(休職)
第11条 総長は、教員等が許可を受けて従事している研究成果活用企業の役員の職務に主として従事する必要があり、大学の教職員として職務に従事することができないと認めるときは、国立大学法人大阪大学教職員就業規則第14条第1項第5号又は国立大学法人大阪大学任期付教職員就業規則第12条第1項第5号に基づき休職とすることができる。
(研究成果活用兼業の報告及び公表)
第12条 許可を受けて研究成果活用兼業を行う教員等は、兼業の状況について、次に掲げる事項を1年ごとに総長に報告しなければならない。
(1) 氏名、所属及び職名
(2) 研究成果活用企業の名称
(3) 研究成果活用企業の役員としての職務内容
(4) 研究成果活用企業の役員としての職務に従事した日時等
(5) 研究成果活用企業から受領した報酬及び金銭、物品その他の財産上の利益(実費弁償を除く。)の種類及び価額並びにその受領の事由
2 総長は、1年ごとに、研究成果活用兼業の状況について、前項各号に掲げる事項を公表するものとする。
(研究成果活用兼業の許可の取消し)
第13条 総長は、研究成果活用兼業が第10条第1項各号に掲げる許可の基準に適合しなくなったと認めるときは、その許可を取り消すものとする。
(研究成果活用兼業終了後の業務の制限)
第14条 総長は、研究成果活用兼業の終了した日から2年間は、当該研究成果活用兼業に従事した教員等を、研究成果活用企業との間に特別な利害関係のある業務に従事させてはならない。
第3節 監査役等兼業
(株式会社等の監査役等の兼業)
第15条 教員等が株式会社又は有限会社(以下「株式会社等」という。)の監査役又は社外取締役(以下「監査役等」という。)の職を兼ねる場合(以下「監査役等兼業」という。)には、総長の許可を受けなければならない。
(監査役等兼業の許可基準)
第16条 総長は、教員等から監査役等兼業の申請があった場合、当該兼業が次に掲げる基準のいずれにも適合すると認めるときは、これを許可するものとする。
(1) 監査役等兼業を行おうとする教員等が、当該申請に係る株式会社等における監査役等の職務に従事するために必要な知見を当該教員等の職務に関連して有していること。
(2) 教員等と申請に係る株式会社等(その親会社を含む。)との間に、特別な利害関係がなく、又はかかる利害関係が発生するおそれがないこと。
(3) 兼業の申請前2年以内に、教員等が当該申請に係る株式会社等との間に、特別な利害関係のある職を占めていた期間がないこと。
(4) 申請の申出に係る株式会社等の経営に教員等の親族が、次に掲げるような強い影響力を有していないこと。
ア 教員等の親族(配偶者並びに3親等以内の血族及び姻族に限る。以下同じ。)が所有している当該株式会社等の株式の数又は出資の額の合計が、当該株式会社等の発行済株式の総数又は出資の総額の4分の1を超える場合
イ 教員等の親族が、当該株式会社等の取締役の総数の2分の1を超えて当該取締役の職に就いている場合
ウ 教員等の親族が当該株式会社等の代表取締役会長又は代表取締役社長の職に就いている場合
(5) 兼業により、教員等としての職務の遂行に支障を生じないこと。
(6) 兼業による心身の疲労により、職務遂行上その能率に悪影響が生じないこと。
(7) 兼業により、大学の信用を傷つけ、又はその不名誉となるおそれがないこと。
(8) その他、兼業により、職務の公正さ及び信頼性の確保に支障が生じないこと。
3 第1項の許可は、監査役等の任期等を考慮して定める期限を付して行うものとする。
(監査役等兼業の報告及び公表)
第17条 許可を受けて監査役等兼業を行う教員等は、兼業の状況について、次に掲げる事項を1年ごとに総長に報告しなければならない。
(1) 氏名、所属及び職名
(2) 株式会社等の名称
(3) 株式会社等の監査役等としての職務に従事した日時等
(4) 株式会社等から受領した報酬及び金銭、物品その他の財産上の利益(実費弁償を除く。)の種類及び価額並びにその受領の事由
2 総長は、1年ごとに、監査役等兼業の状況について、前項各号に掲げる事項を公表するものとする。
(監査役等兼業の許可の取消し)
第18条 総長は、監査役等兼業が第16条第1項各号に掲げる許可の基準に適合しなくなったと認めるときは、その許可を取り消すものとする。
(監査役等兼業終了後の業務の制限)
第19条 総長は、監査役等兼業の終了した日から2年間は、当該監査役等兼業に従事した教員等を、株式会社等との間に特別な利害関係のある業務に従事させてはならない。
第3章 自営の兼業
(自営の兼業)
第20条 教職員が自営の兼業を行おうとする場合には、総長の許可を受けなければならない。
(自営の兼業の範囲)
第21条 教職員が農業、牧畜、酪農、果樹栽培又は養鶏等の事業を営む場合においては、大規模に経営が行われ、客観的に営利を主目的とする企業を経営していると判断される場合に限り、これを自営の兼業として取り扱う。
(1) 不動産の賃貸が次のいずれかに該当する場合
ア 独立家屋の賃貸については、独立家屋の数が5棟以上あるとき
イ 独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画された1の部分の数が10室以上あるとき
ウ 土地の賃貸については、賃貸契約の件数が10件以上あるとき
エ 賃貸に係る不動産が劇場、映画館、ゴルフ練習場等の娯楽集会又は遊技等のための設備を設けたものであるとき
オ 賃貸に係る建物が旅館又はホテル等特定の業務の用に供するものであるとき
(2) 駐車場の賃貸が次のいずれかに該当する場合
ア 建築物である駐車場又は機械設備を設けた駐車場であるとき
イ 駐車台数が10台以上あるとき
(3) 不動産又は駐車場の賃貸に係る賃貸料収入の額(これらを併せて行っている場合には、賃貸料収入の合計額)が年額500万円以上である場合
3 不動産等の賃貸物件の種類が複合している場合には、一戸建て1棟をアパート2室相当、土地1件又は駐車場1台をアパート1室相当と換算し、これらを合計して10室相当以上となるときは、これを自営の兼業として取り扱う。
4 不動産等の賃貸を共有名義で行う場合には、持分により按分したものによるのではなく、賃貸物件全体を対象として、これが自営の兼業に当たるか否かを判断する。また、賃貸件数や賃貸料収入の額についても、その不動産等の賃貸に係る件数、賃貸料収入の額全体により判断する。
5 賃貸料収入の金額は、申請時において見込まれる将来1年間の収入予定額で判断する。この場合、収入予定額とは家賃収入等をいい、経費等を控除する前の金額で、賃貸する際等における1年間の総収入(賃貸予定の不動産等の家賃月額×室数×12月など)の見込み額が500万円以上であれば、これを自営の兼業として取り扱う。
(自営の兼業の許可基準)
第22条 総長は、教職員から自営の兼業の申請があった場合、当該兼業が次に掲げる基準のいずれにも適合すると認めるときは、これを許可するものとする。
(1) 不動産又は駐車場の賃貸を行う場合
ア 教職員と申請に係る不動産又は駐車場の賃貸との間に、特別な利害関係がなく、又はかかる利害関係が発生するおそれがないこと。
イ 入居者の募集、賃貸料の集金、不動産の維持管理等の不動産又は駐車場の賃貸に係る管理業務を事業者に委ねること等(親族による管理も含む。)により教職員の職務の遂行に支障が生じないことが明らかであること。
ウ 兼業により、教職員としての職務の遂行に支障を生じないこと。
エ 兼業による心身の疲労により、職務遂行上その能率に悪影響が生じないこと。
オ 兼業により、大学の信用を傷つけ、又はその不名誉となるおそれがないこと。
カ その他、兼業により、職務の公正さ及び信頼性の確保に支障が生じないこと。
(2) 不動産又は駐車場の賃貸以外の事業を行う場合
ア 教職員と当該事業との間に、特別な利害関係がなく、又はかかる利害関係が発生するおそれがないこと。
イ 教職員以外の者を当該事業の業務遂行のための責任者としていること等により、教職員の職務の遂行に支障が生じないことが明らかであること。
ウ 当該事業が相続、遺贈等により家業を継承したものであること。
エ 兼業により、教職員としての職務の遂行に支障を生じないこと。
オ 兼業による心身の疲労により、職務遂行上その能率に悪影響が生じないこと。
カ 兼業により、大学の信用を傷つけ、又はその不名誉となるおそれがないこと。
キ その他、兼業により、職務の公正さ及び信頼性の確保に支障が生じないこと。
(自営の兼業の許可の取消し)
第23条 総長は、自営の兼業が前条各号に掲げる基準に適合しなくなったと認めるときは、その許可を取り消すものとする。
第4章 兼業に従事する時間
(時間外の原則)
第24条 兼業は、原則として所定労働時間外に行うものとする。
2 前項の規定にかかわらず、総長が必要と認めたときは、所定労働時間内に兼業を行うことができる。ただし、その場合、兼業に従事した時間数に応じて給与を減額するものとする。
第5章 雑則
(大学の免責)
第25条 兼業による事故及び災害については、大学は一切その責任を負わない。
附則
(施行期日等)
1 この規程は、平成16年4月14日から施行し、平成16年4月1日から適用する。
(経過措置)
2 この規程の適用日以後の期間について、この規程の適用日の前日までに許可を受けている兼業に関しては、新たにこの規程による許可を要しないものとする。
附則
この改正は、平成17年6月20日から施行する。
附則
この改正は、平成21年4月1日から施行する。
附則
この改正は、平成31年4月1日から施行する。