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AMED 創薬等ライフサイエンス研究セミナー

2017年6月6日 (火) 10:00 から 12:00

クライオ電子顕微鏡による構造解析は、目覚ましい進展がありますが、その大きな課題として、小さな分子の近原子分解能解析がありました。しかし、今年に入り、GPCRという創薬の最大のターゲットの一つであり、しかしクライオ電顕にとっては非常に小さく構造解析の困難な対象が見事に解かれNatureに報告されました。この時に活躍したのが、”ボルタ位相板”です。この開発者が講演者のRadostin Danev博士です。本装置は、蛋白質研究所のAMEDクライオ電顕にも搭載され、世界的にも数少ない自動撮影に成功し、素晴らしい結果を出しつつあります。本講演では、この先端クライオ電顕においても大きなトピックの一つであるボルタ位相板のお話を開発者ご自身に行って頂きます。また、2番目の講演者である福田善之博士は、クライオ電顕のもう一つの課題である、細胞内の分子構造観察へのボルタ位相板の応用を精力的に行っておられます。クライオ電顕のさらなる進展を担っているお二人に御講演頂き、創薬およびライフサイエンスへのクライオ電顕の応用への可能性について学びます。
※本セミナーの事前申し込みは不要です。

AMED創薬等ライフサイエンス研究セミナー

日時:2017年6月6日(火)10時〜

場所:蛋白質研究所4Fセミナー室

 

【講師1】: Radostin Danev Ph. D. (Max Planck Institute of Biochemistry)

【タイトル】: Phase plates expand the capabilities of cryo-EM

【概要】Recently, we developed the Volta phase plate (VPP) for transmission electron microscopy. It greatly improves image contrast and holds promise for further performance gains in cryo-electron microscopy (cryo-EM). Currently, we are exploring the usability of the VPP for cryo-electron tomography and cryo-EM single particle analysis. The initial results are very encouraging. We expect that the VPP will enable visualization of fine cellular structures, in situ, and cryo-EM studies of "difficult" macromolecular complexes in terms of small size, heterogeneity and flexibility.

 

【講師2】: Yoshiyuki Fukuda Ph. D. (Max Planck Institute of Biochemistry)

【タイトル】: ボルタ位相差クライオ電子線トモグラフィーを用いたサーモプラズマの形態解析

Morphological analysis of Thermoplasma acidophilum by cryo-electron tomography with Volta phase plate

【概要】テルモプラズマ・アキドピルムは、好熱・好酸性の古細菌の一種である[1]。テルモプラズマ属は、通常の古細菌とは異なり、細胞壁を持たない。そのため、テルモプラズマ属は高度に動的で、多様な形態を示すと考えられている。しかしながら、細胞内の構造に関しては,いまだに多くのことが不明である。

近年の電子顕微鏡関連技術・装置の発展の一つに、ボルタ位相差法がある[2]。このボルタ位相板を用いる事によって、急速凍結生物試料のクライオ透過電子顕微鏡観察像のコントラストが著しく改善される事が報告されている[3]。そのため、ボルタ位相差法を用いたクライオ透過電子顕微鏡観察は、テルモプラズマ細胞内部構造の解明への一助となることが期待される。

本発表では、ボルタ位相差法を用いたクライオ電子線トモグラフィーにより得られた、テルモプラズマ全載細胞断層像において可視化された細胞内部構造および、断層像内において同じく可視化されたタンパク質複合体のサブトモグラム平均化による構造解析について報告する。

[1] Darland et al., Science 170, 1416-1418 (1970).

[2] Danev et al., Proceedings of the National Academy of Sciences of USA 111, 15635-15640 (2014).

[3] Fukuda et al., Journal of Structural Biology 190, 143-154 (2015).

日時: 2017年6月6日 (火) 10:00 から 12:00
場所: 蛋白質研究所本館4Fセミナー室
参加登録: 不要
連絡先: 蛋白質研究所 分子創製学研究室 岩崎憲治
ikenji@protein.osaka-u.ac.jp

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