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総合学術博物館創立10周年記念 第15回企画展「ものづくり 上方”酒”ばなしー先駆・革新の系譜と大阪高工醸造科ー」
2012年10月27日 (土) から 2013年1月19日 (土)
酒は古来より人々の関係性を様々に彩ってきました。厳かな神事、冠婚葬祭から酒宴、果ては乱痴気騒ぎに至るまで、その魅惑の液体は、時に社会の潤滑油となり、時に悲喜劇の種となりました。後醍醐天皇の“無礼講”のように、歴史の重大局面を演出したこともありました。
日本列島の酒の歴史において、本学および上方は生産・技術の発展に重要な役割を果たしたのみならず、社会・文化にも大きな影響を与えて来ました。それを特徴づけるのが、先駆性・革新性です。
伊丹・池田ではいち早く清酒の大量生産に成功して江戸で人気を博し、経済的繁栄を背景に四条派の画家・呉春(1752-1811)などの文人墨客を集めました。江戸末期になると、寒造りを確立した灘酒が、銘水宮水も手伝って、江戸の市場を席巻しました。
西洋文明が押し寄せた近代、日本人の手による初の近代的ビール工場が明治24年(1891)に吹田村に完成し(現アサヒビール吹田工場)、明治末~大正にかけて斬新な広告で「ワイン」をヒットさせた寿屋(現サントリー)が、昭和4年(1929)に山崎(島本町)でウイスキーの国産化に初めて成功するなど、洋酒の製造・普及をリードしました。
この摂津の地に明治29年(1896)、国内初の醸造科を擁する大阪高等工業学校(本学工学研究科の前身)が誕生しました。大阪高工醸造科は全国から造り酒屋の子弟を受け入れ、白麹を発見し本格焼酎の品質を飛躍的に向上させた河内源一郎(1883-1948)、吟醸酒で秋田を銘醸地に押し上げた花岡正庸(1883-1953)、スコッチ・ウイスキーの製法を日本に伝えた竹鶴政孝(1894-1979)(ニッカウヰスキー創業者)など、酒造業の近代化に貢献する人材を多数輩出しました。さらに大阪帝国大学理学部卒の佐治敬三(1919-99)(元サントリー会長)も、斯界に止まらず文化事業でも多大な功績を残しました。
本展覧会では、日本の酒造りを牽引してきた上方および本学の位置について、技術・社会・文化など多方面にわたって、各種資料に基づき紹介いたします。当館創立10周年を記念し、文理融合の展覧会を目指します。
開催日: 平成24年(2012)10月27日(土)~25年1月19日(土)
休館日: 日曜・祝日・年末年始(12月29日~1月3日)は休館
ただし11月3日(土・祝)・4日(日)は開館
開館時間:10:30~17:00
入館料: 無料
【展覧会関連イベント】
ミュージアム・レクチャー
※いずれも14:00~15:30、定員60名、聴講自由、30分前より受付開始。
【第45回】12月8日(土) 「日本における薬用酒」
森 隆治(日東薬品工業・特別顧問)
【第46回】12月15日(土) 「国酒を支えた近代の技師たち」
溝口 晴彦(菊正宗酒造・総合研究所長)
【第47回】2013年1月12日(土) 「ジャパニーズ・ウイスキー誕生「神話」」
竹内 惠行(大阪大学経済学研究科・准教授)
【第48回】1月19日(土) 「酔狂の室町時代」
松永 和浩(大阪大学総合学術博物館・助教)
ワークショップ
※いずれも17:00から、試飲あり。事前申し込みが必要、定員30名(20歳以上対象)。
参加申し込みなど詳細については、博物館ホームページ・チラシ等ご覧ください。
11月3日(土)「酒のみりょく~焼酎編~」(本坊酒造)
11月10日(土)「酒のみりょく~ウイスキー編~」(サントリー)
12月1日(土)「酒のみりょく~ビール編~」(アサヒビール)
創立10周年記念特別企画
「酒ヲ愛デ、文華ニ酔フ ~絵に酔い、酒に酔い、音に酔い~」
11月24日(土)13:00~16:45
参加費無料(講演会定員200名、試飲会定員100名、ただし、試飲会は20歳以上対象)
※参加申し込みなど詳細については、博物館ホームページ・チラシ等ご覧ください。
特別講演 13:15~14:45
冷泉 為人(冷泉時雨亭文庫・理事長)
「摂津の酒―池田と呉春をめぐって―」
演奏会 13:00~13:15/15:15~15:45
雅楽同好会 夕凪
試飲会 15:00~16:45
菊正宗酒造(灘)、秋鹿酒造(能勢)、新政酒造(秋田)、小玉醸造(秋田)、米鶴酒造(山形)、木戸泉酒造(千葉)
会場:大阪大学会館 講堂・アセンブリホール
日時: | 2012年10月27日 (土) から 2013年1月19日 (土) |
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主催: | 主催:大阪大学総合学術博物館 共催:大阪大学大学院工学研究科・日本生物工学会 協力:大阪大学21世紀懐徳堂・尚醸会 |
場所: | 大阪大学総合学術博物館 待兼山修学館(ただし、特別企画は大阪大学会館) |
参加登録: | 不要 |
URL: | http://www.museum.osaka-u.ac.jp |
連絡先: |
大阪大学総合学術博物館待兼山修学館 http://www.museum.osaka-u.ac.jp/jp/faq.html |