グローバル連携/国際(教育)担当理事・副学長挨拶


近年、グローバル化が急速に進行する中、エネルギー、食糧、気候変動や感染症といった地球規模の諸課題が深刻化しています。

大学が推進する学術研究、教育、文化、芸術、医療に関わる諸活動は、これらの課題解決に繋がる可能性を有していますが、このような状況は1大学や1国のみでは解決できず、従来の国際交流に加え、地球規模の課題解決に資する緊密な大学間グローバル連携が今後益々重要になるものと考えます。大学は人類の福祉と世界平和のための強固な国際ネットワークを形成し、そのネットワークを基軸とした幅広いステークホルダーとのグローバル連携により、世界協調を推進し、国際社会の課題解決を担わねばなりません。

大阪大学が2022年に策定した 「OUマスタープラン2027-生きがいを育む社会を創造する大学へ-」 では、感染症の克服や、カーボンニュートラル・SDGsの実現をはじめとした社会システムの大きな転換が求められる中、本学が持つ「知性」、「英知」を結集して社会との共創(co-creation)を活性化させ、社会を変革する力を生み出すことの重要性が記されています。

大阪大学では現在、上記の理念の実現を目指して、大学の各部局と大学本部が協力して様々なグローバル連携事業を推進しています。その中でも大学本部が特に力を入れて主導している事業が、「優秀な留学生の戦略的受入と本学学生の海外派遣」、「グローバルナレッジパートナーとの組織間連携」及び「大阪大学ASEANキャンパスにおける教育研究活動」です。

優秀な留学生の戦略的受入本学学生の海外派遣

本学は、海外大学とのダブル・ディグリー・プログラム、授業料相互不徴収の交換留学等のプログラムによる双方向の学生交流を推進するとともに、コロナ禍を契機にバーチャル留学プログラムの開発・実施にも取り組んでいます。また、優秀な留学生リクルートのための様々な情報発信やオンラインを活用した留学説明会を実施しています。今後、世界中から多様な学生が集うグローバルな教育環境の構築、本学への入学前から卒業・修了後までの段階に応じた継続的な支援にも取り組んでいきます。

グローバルナレッジパートナー

現在、本学は約150件の大学間学術交流協定を世界各国の大学等と締結しています。こうした実績をより強固な国際連携関係に発展させ、組織対組織のより実質的かつ包括的な連携事業を展開する海外の有力大学をグローバルナレッジパートナーとして設定しています。パートナー大学との組織間連携により、世界最先端の卓越した研究拠点を形成し、そこで生み出される先進的な学術研究の成果を用いて地球規模課題に挑戦します。

大阪大学ASEANキャンパス

タイ、インドネシア、ベトナム、ブルネイ、マレーシアをネットワークでつなぐ大阪大学ASEANキャンパスは、本学とASEAN諸国との間でこれまで培ってきた国際共同研究実績を基盤に、現地で大阪大学の教育研究を実施し、ASEAN地域が抱える諸課題の解決に資する研究の展開と人材の育成を行うためのものです。また、教育研究機関に加え、政府関係機関、企業等との共創を通じて、研究成果の社会実装を推進しています。

世界各国・地域から留学生・研究者を受け入れ、多様な知と人材が交差し、卓越した研究成果の創出や、イノベーティブな人材の育成を実現するキャンパスを目指します。
これらの活動を通して、本学は国際連合が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも貢献していきたいと考えています。
これからも大阪大学と海外機関とのグローバル連携を着実に推進していくにあたり、皆様のご理解とご支援をいただきながら職責を全うしていく所存です。

どうぞよろしくお願い申し上げます。


グローバル連携担当理事・副学長 田中 学
国際(教育)担当理事・副学長 山本 ベバリー・アン

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