「野球部々歌」
    作歌 国行道雄 (2理乙)
    作曲 国行義道 (4理丙)



  1. 嗚呼(ああ)萌え出づる青春よ
    帝塚が台に薫ゆ緑
    若き心の止め難く
    乱舞の血潮躍る時
    聞け翆黛の若人の
    警鐘高き乱打をば

  2. 巨城は悲しい北の方
    むなしく聳えて人もなし
    夏草乱れ茂るとき
    廃墟何をか示すらん
    愛なき業は消え易し
    友よ静かに手をとらん

  3. 勝利の夢は遙かにて
    駒の歩みは早からず
    花は咲(ひら)けど春逝けど
    武具持つこの身安からず
    若き日の憂訪づれば
    剣を抱いて歎くなり

  4. 苦き歴史を背に負えば
    ゆるさん君も譴(せ)むるなり
    同志(とも)よ涙も出でざるか
    河津が原の夕暗に
    いだいてふす俯(ふ)せし九つの
    可憐の魂を如何にせん

  5. 倒らば倒れグランドに
    ふゆう蜉蝣(ふゆう)の命惜しからじ
    うまいに痴(し)れて消ゆよりか
    ボールを抱いて倒るれば
    友の心を我うれば
    (はた)又死すとも幸多し

  6. 我傷心の詩をなせば
    君に慈愛の情あり
    赤き誠のあふる時
    三歳を長しと誰か云ふ
    嗚呼荘厳の生命よ
    学にまさるこの心

  7. 今青春の消えん時
    汝何をか誇るなる
    痴人の骨や朽ち易し
    いざ年若かの友どちよ
    ただ感激に身をゆだね
    永劫(とこよ)の命創造(つく)らずや