「運命の歌」
作歌 大森芳秋(未詳)
作曲 赤松義夫(19理甲)
天地悠久たり
而して人生蜉蝣の如し
汝無限の生を夢見よ
こよなくも生きんと欲せば
汝浮世のあからさまなる
苦しみを避くる勿れ
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図南城外春深み
花の香高う匂へども
時世の嵐荒ぶとき
さ中に立ちて嘯けば
しぬぴの光彩をなし
聖土の薔薇匂ふなり
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七宝花の咲く処
紫雲の時を惜しむれば
瓔珞搖らぐ生と法
無間の巨鐘(かね)を鳴らしつゝ
永遠なる生命仰ぎつゝ
蒼穹遙か進み行く
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仮令地の人百たるも
人為の埒を越え出でゝ
天馬の将来を望むれば
自由の精気燦然と
霊の日影に照らされて
集めし瞳なほ若し
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時世流れて幾春秋
春をめぐりて栄光は
盛枯の影を秘めつゝ
あゝ今ここに復り来て
希望の炎赫々と
真理の空に映ゆるなり
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運命やこゝにさぴし子は
夢路に奇しび小夜小夜の
愛し終焉(おわり)は霊光の
無限の生の首途かな
瑠璃水今や玲瀧と
不滅の信をたゝふなり
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来し方さゞめに堪へかね
詩歌の小笠に紅の緒を
結びも敢へず足悩(あなゆ)めば
憧れ清き花藹の
導(ひ)きたる影に微笑し
百合花添へある乙女あり
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聖者雅典の森に撞く
絶えて尽きせぬ春の夜を
鋳にたる鐘に誉へつゝ
塵の疾風を払ふなり
あゝ常楽は(じょうぎょう)和ぎつ
高歎久遠破壊のあと
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