「端艇部々歌」
作歌 沼間昌教 (1文乙)
作曲 吉田丈二 (1理乙)
採譜 荻野 泉 (20理乙)
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落花の雪に踏み迷ふ
交野(かたの)の春の桜狩り
古き歌人(うたびと)しのびつゝ
春の流れを上るかな
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巨椋(おぐら)ヶ池の秋の月
渚(なぎさ)に立ちて思ふ時
旅に悩める若人(わこうど)の
瞳(まな)に愁の涙あり
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淀の流れよいざさらば
消え且つ結ぶうたかたの
はかなき姿見やりつゝ
彼の海原に漕ぎ出(い)でん
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潮逆巻き波躍る
紀淡の海の夕まぐれ
かの蒼穹(そうきゅう)に嘯(うそぶ)けば
白衣(びゃくえ)の袖の振ふかな
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松は緑に砂白き
淡路の島の磯伝ひ
橘薫る森蔭に
夢いと多き乙女あり
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須磨の関屋に船よせて
信(かよ)ふ千鳥の鳴く声に
友よ美(よ)き酒くみ交わし
旅の疲れを慰めん
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